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BioGraphyOnline!  作者: ツリー
第一章 空の王者と愉快な仲間達
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第三十八話 イベント最終日 (第一章エピローグ)

 

 ドラゴン討伐

 明らかに推奨レベルがおかしかったレイドボス

 しかしそのおかしい難易度に見合うほど、報酬もおかしいレベルの豪華報酬が配られる事になった


 なんと参加プレイヤーは一人300Rと各自メインとするステータスに類するアイテムを手に入れる事になった

 フーキだとナックル、†エンドシャドウ†だとバトルブーツ的な感じだ


「なのに・・・なぜ・・・」


 ドラゴン討伐後、何度めかになる溜息を吐きながらインベントリを開く


<ドラゴン肉×50>


「なんで肉なんだよ・・・なんで食材なんだよ・・・」


 皆が武器やら防具やらを自慢する中、食材とかいじめとしか思えんのだが?


「アズ、お前まーだ報酬に文句言ってんの?」

「・・・当たり前だろ・・・というかグレイの方こそ文句は無いのかよ?」


 禍々しい枕を机に乗せているグレイに視線を向ける


「まぁ最初は俺も剣とかカッコイイのがーとか思ったけどよ、よくよく考えたら俺には必要無いしな!それにこいつは中々良い枕だぜ?使ってみるか?」

「こ・・・断る」


 俺的にはそのドラゴンの顔ともいえるデザインの枕を見るとトラウマが蘇る


「というかアズは報酬枠から外れてるのに貰えただけラッキーだろ?」

「う・・・まぁそうなんだが・・・」


 ドラゴン討伐後、お祭り騒ぎに乗じて逃げ出した俺は

 アズ=アズリエルという事を周りに気付かれる事は無かった・・・無かったのだが・・・


「俺も頑張ったのになぁ・・・」


 何とも言えない虚しさだけが心に残る事になった


「それにしてもグレイが自分から飯を食いに降りてくるなんて珍しいな」

「ああ、今日は大事な会議があるからな」

「・・・会議?」

「その通り!!アズリエルさんファン隊長として重要なお役目があるんだよ、ほら、はやく飯」

「そ・・・そうか・・・」


 なんとなく嫌な予感はするが、自分から降りてきた事は良い事だし今日は多めにウィンナーを入れてやろう


 ガツガツと飯を平らげるグレイを見ながら朝食をつついていると、残りの住人が部屋から出てくる


『あ、アズさんグレイさんおはようございます!』

「おはー、お?今日はひっきーさんはやいやん」

「ほはひょふ!ほひへひっへひまふ!!」


 ええい!飯を食べながらしゃべるな!

 グレイは俺の不機嫌そうな視線を意にも介さず、さっさとホームから出て行ってしまった


「なんなんあれ?」

「さぁ?なんか大事な会議があるんだと」


 俺の返答に首を傾げながら席に着くフーキ、その腰にぶら下げてるドラゴンクローは嫌味か?


 まぁ良い、こいつがいなかったらドラゴンに貞操を奪われかねん状況だったし許してやろう


 それはそれとして・・・


 満面の笑みで朝食に手を合わせるルピーの耳元に口を寄せる


「ルピーさんルピーさん?昨日の事は誰にも言ってないよな?」

『いただき・・・当然です!私とアズさんの秘密ですもんね!』

「うむ、絶対他言無用だぞ?」

『はい!』


 まぁルピーさんなら誰かにチクったりなんかしないだろう

 唯一ルピーがチクりそうなフーキは「何の事なん?」って感じだし


『そんな事より!はやくフードファイトに行きましょう!』

「お・・・おう、そうだったな、まぁまずは飯を食ってか」


 っは!?もう無い!?


『さぁ行きましょう!』

「あー・・・行ってきます・・・」

「いってらー」


 一人のんびり味噌汁もどきを啜るフーキを残し、俺とルピーは商店街に足を進める


『では!私はサクサクっと勝ってきます!』

「おーうがんばれー」


 フードファイトの会場についた俺はルピーと別れ、適当に会場席の上をブラブラする


「ふぅむ・・・盛り上がらないイベントだと思ったが存外人が多いな」

「冒険者達はドラゴン討伐の報酬で潤っていますからね、さらに所持金を増やそうとこの国唯一の賭場譲に集まるのは物事の通りですよ」

「ああ、なるほど」


 そういう事なら納得だ

 まぁだからと言ってギャンブルってどうなんだ?とは思うが、俺も参加しに来たから何とも言えん


「ところでおじさんは誰ですか?」


 俺は黒い長髪の男に視線を向ける

 パッとみサラリーマン、営業職的なイメージを植え付けられるが・・・


「ああ、初めましてでしたね、私はレイノールと言います」

「ご丁寧に名刺まで・・・どうも」


 この人がルピーの言ってたレイノールさんか


「それで?ルピーを使って他の冒険者から巻き上げるって作戦ですか?」

「・・・どこでそれを?」

「どこでも何も、ルピーと少しでも仲が良い人なら感づきますよ」


 レイノールさんは「なるほど」と一言、目を鋭く俺に視線を向ける


「それで?お客様様は何がお望みで?」

「俺は今回の掛けに便乗させて頂くだけなんで、特に深い意味は無いですよ?」

「そうでありましたか」


 心理戦とか嫌いなんだよ、やるなら他の冒険者相手にやってくれ


 俺の心を読んだのか、レイノールさんがニッコリとした笑みを浮かべる


「それではお客様、レイノール商店!レイノール商店を御贔屓に!」


 レイノールさんと別れ、全財産をルピーに

 賭けに参加してる冒険者が大量にいるので、ルピーの倍率はもっすごい事になっているが・・・


「まぁ勝つわな」


 大量に増えたRを見ながら、ルピーと共に商店街を渡り歩く


『アズさんアズさん!どうでしたか!』

「凄い凄い、いや・・・なんか凄すぎた」


 ムフーと鼻息荒いルピーの頭を撫でておく

 まさか勝負が決まった後も食い続けるとは・・・

 見ていた観客が、その食いっぷりと賭けに負けたショックでリバースしてたんだぞ?

 まぁ俺は大勝利だから良いんだが


「さて、このRは何に使うか・・・武器とか防具を買うのもありだが・・・」


 ここは長期的に見て店を建てるか・・・?そしたらドラゴン肉の使い道も出てくるし


「ま、とりあえず何か屋台を物色するか!」

『はい!今日は珍しい物が沢山ありますからね!全部食べてみたいです!』


 ・・・この子はまだ食う気か


 適当に串物を頬張りながら屋台を見て回っていると、一部異常に盛り上がっているスペースを発見する


 随分と騒がしいな・・・

 空きスペースでは、どこかで見たようないかついおっさんとグラマーなお姉さんが、オーバーアクションで何かを語っている


『無名の女神NPC!唐突に現れ、ドラゴンを討伐!!』

『この事件によりBGOプレイヤーに激震走る!』


 ちょっと興味が沸いたのでチラッ見て、やはり見るんじゃなかったと後悔に押しつぶされそうになる


『アズリエルとは誰だ!?』

『重要NPCだろ!?』

『実はこの国の姫では!?』

『誰もが血眼になって情報を集める我らが女神!!』

『そんな集団から我らがアズリエルさんを守る!同士諸君!我らはいつでも貴方達の入団を心待ちにしております』


 本当に・・・見るんじゃなかった・・・

 そこには先ほどの二人に加え、グレイが芝居染みた様子で勧誘に勤しむ姿

 丁度良いタイミングで花火が上がったせいで、めっちゃ目立ってる


 ここは見つからないように・・・


「おうアズじゃねぇか!お前も」

「アイスピックハンマー!!!」

『『グレイ隊長ーーー!!??』』


 グレイが変な音をたてながら地面に落ちるのを確認、そそくさとその場を立ち去る

 全く、グレイが動くとろくでもない目に会ってばかりな気がするのは気のせいだろうか


 頭を抱えながら溜息を吐いていると、ルピーが『ほほー!』とかチャット流してるし


『アズさん凄い人気ですね!』

「勘弁してくれよ・・・恥ずかしいったらありゃしない」

『何をおっしゃいますか!!人知れず悪を滅ぼす正義の魔法少女!カッコイイですよ?』


 ルピーが俺の変身ポーズを真似、ちょうど花火が上がる


『とっても、カッコイイです!!』


 ・・・


「かっこよくない・・・というか魔法少女じゃないからな?」

『あれ?アズさん照れてます?』

「照れてねーし?ほら!さっさと帰ってフーキにお土産持ってくぞ!!」

『ああ!おいてかないでくださいよー!!』


 後方で抗議のチャットを流す少女から逃げるように、祭り会場を走りさるアズなのであった

これにて第一章、空の王者と愉快な仲間達は終了です!

ある程度第二章の下地は整えていますが、添削という名の大幅改変で執筆が・・・

少し間を開けるか、このまま続投するかは不明です


面白ければ、評価、感想をいただけるとうれしいです


次回第二章!割れる大地と海の悪魔!!

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