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BioGraphyOnline!  作者: ツリー
第一章 空の王者と愉快な仲間達
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第二十九話 ドラゴン討伐作戦会議

 

 イベント期間中だからだろうか?

 酔っ払いの怒号が響き渡る絶賛大繁盛中の酒場

 その片隅の席に陣取るアズと有力クランリーダー及び代表者達

 本日はドラゴン討伐作戦を考案中である



 1日目の対ドラゴン討伐戦線で完全敗北を迎えた冒険者一向

 前回はバラバラで戦ったのが悪かったと、今回は東西南北を収めているクラマスをリーダーに共同戦線を張る事になった


 北の大森林でバードウォッチングを愛するハンター集団、小鳥の会

 南の河川で日々漁業を営む海軍クラン、漁業組合

 西の大地で筋トレに励む傭兵クラン、円卓の騎士団


 その頂点に位置するマスター達に、俺は自然と緊張・・・しないな

 何というか凄いんだけど凄くないんだよな、良い意味で親しみやすいよ


 ちなみに東の大地は†断罪者†が覇権を握っているらしいが、何故かクラマスの馬鹿兄じゃなくメアリーさんが参加している


 そうそうたるメンツが集まるこの場所になんで俺がいるかって?

 人見知りでドラゴン討伐戦線にも参加できず、ランクマッチで痛い目を見てホームでいじけていた所をメアリーに拉致され、無理矢理連れてこられたんだよ


 諸悪の根源に恨みがましい視線を送るが、ニマニマとした笑みを返されてしまった

 ・・・まぁいい、おかげでドラゴン討伐に大手を振って参加できるし


『各自、情報の開示をよろしくお願いしマース』


 赤い貴族服を着用し、目には義眼らしき物を装着した白髪のロン毛

 小鳥の会のクラマス、会長が話を切り出し作戦会議が始まる

 ちなみにプレイヤーネームはマークだったりするが、何故か会長と呼ばれている


『私の看破のアーツによるとあの個体はLV53の小型ドラゴンで、皆さんご存知の通りHPバーが一定値に達すると超強力な技を発動してきます』


 メガネをかけたフルプレートアーマーの青年、円卓の騎士団のクラマス、ランズロットさん

 多分ランスロットは先にとられてたんだろうな


 ランズロットは続けて情報の開示を行う


『そこに情報を追加すると、現在把握できているトリガー技は・・・』


 ランズロットさんがいくつかの技を開示していく


 HP80%と50%の時に使用するメテオレイン

 降って来る場所は毎回同じで、80の時に十字に4個、50の時にクロスに4個

 対策としは毎回同じ場所に振って来るから、HPゲージを目安にその場所を避けるんだとか


 お次に70%の時に発動するドラゴンダイブ

 ドラゴンが空高く飛翔し、冒険者目掛けて突進攻撃をしてくるらしい

 こちらは隕石を避けてクロスに2回使ってくるらしいので、隕石の影に隠れれば良いとか


 というかこの人達すでに50%まで削ってんの?もうこいつらだけで良いんじゃないかな?


 廃人達の底力に怯えていると、何故か俺の後ろに控えていたメアリーが立ち上がる


「これは昨日草原を歩いていた冒険者の情報ですが、草原を横断中にブルーラットがエンカウント、噛みつきを無視して進もうとした所ドラゴンが出現したらしいです」


 ブルーラットから攻撃を受ける、これだけでも戦闘行為とみなされる・・・と

 それはこの街から出ようものなら問答無用でドラゴンに襲われる可能性があるということだろう

 初心者フィールドが随分と物騒なエリアになってしまったな


『今度はわしのじょうほうでぃ』


 色黒に無精髭を生やした50代くらいのマッスルおっさん

 漁業組合クラマス、組長が話し出す

 こちらも小鳥の会のクラマスと同じで、プレイヤーネームはイッカクだったりする


『わし達は最初は戦う気はなかったんじゃがなぁ』


 イッカクさんが渋い顔で話す


『漁業組合の活動で水型モンスターを狩ってた所を襲われたんじゃが・・・ドラゴンは不眠のデバフで継続ダメージを受けちょったわい』


 ドラゴンは冒険者と同じで不眠の状態異常を受ける・・・?


 会長が何やら思案しながら組長の話に続く


『その事を漁業組合に聞いた私達はドラゴンを追跡、ドラゴンの巣を発見しマーシタ』


 ほほう・・・思ったよりも皆ちゃんと情報収集してんな・・・


『鬼策士様は何かありマースか?』


 全員が俺の方を見る、奇策師なんて・・・なんかカッコ良いあだ名がついたな


「俺からの情報としてはドラゴンが飛翔する時に風を全身に纏い始める事ですかね、多分あれを乱せば飛翔によるトリガー技を阻止・・・あるいは遅らせる事が出来ると思います」


 おぉ・・・と周りの代表者


『ちなみに鬼策士様にそれは可能で?』

「見た感じできそうな感じです、なので一つ作戦を思いつきました」


 その場の全員がゴクリと喉を鳴らす


「俺のホームには超強力な肉か・・・前衛職であるグレイさんがいます、そこで肉・・・グレイに接触、ら・・・交渉して今回のいけに・・・盾になってもらうんです」


 ランズロットさんが信じられないといった顔で見ている


 そうだろうとも

 たった一人の肉壁をドラゴンの生贄に使うんだ、普通耐えれるとは思わない


 だが奴はドラゴンの攻撃を耐えしのいだ実績がある


「そこで皆さんには草原のブルーラットを集めてもらい全てのブルーラットをグレイさんに押し付けエンカウントさせます、これならほぼ確実にドラゴンを釣れるかと」


 会長がドン引きしている


 そうだろうとも

 ブルーラットを集めている間にドラゴンに襲われでもしたら目もあてれない

 そんな危険な作業をメンバーにさせるのはクラマスとして気が引けるのだろう


 だが危険を侵さずに勝利等ありえない!


「そしてグレイにそのままドラゴンの注意をひきつけさせドラゴンもろとも袋叩きにする、どうでしょうか?」


 全員俺から一歩後ずさる

 俺の完璧な作戦に戦慄を覚えたのだろう


 しかし若干引き具合がつよくないか?

 なんだ?何か問題があったか?


『流石鬼策士様デース・・・』

『やべぇぜよ・・・あの純粋な目、マジじゃい』


 ランズロットさんが眼鏡を直しながら俺の完璧な作戦に少し改善作を入れる


『グレイさんの扱いに関してはとりあえず円卓の騎士団が代わりを果たす、鬼策士、良いだろうか?』

「ドラゴンの注意をひけて、耐えれるなら問題ないですよ」

『わかった、では皆の者!各々メンバーに情報を伝達の後装備の補充、明後日に作戦を決行する!』


 おう!っと集まった面々は気合いをいれる


 ドラゴン退治の時間まではまだ少し時間があるな・・・

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