表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BioGraphyOnline!  作者: ツリー
第一章 空の王者と愉快な仲間達
18/135

第十七話 怒れる鬼の子

 

「戦闘開始や!ウォークライ!」


 フーキが掛け声と共にオーガに突撃

 オーガは左手のメイスを振るい迎撃を試みるが、地面に鈍い音が響く


「あのレベルには効かんかったけど・・・崩拳!!」


 ギリギリでオーガのメイスを避けたフーキが、ガラ空きになった腹に崩拳を決める

 するとオーガの周りに赤色の枠が現れる


 オーガのHPゲージに防御ダウンのデバフが見える・・・どうやら成功のようだ


 しかしオーガはデバフを全く気にもせず足を振り上げ、フーキを下から打ち上げると右手のメイスで追撃をかけようとしている


「ヤバイ!フーキのやつさっきの衝撃のせいでHPが回復しきれてないじゃないか!」


 俺は急いで地面に杖を突き立て、隆起した岩盤をオーガの足元に出現させる

 フーキにとどめを刺そうとしていたオーガは、突如変形した足元に対応出来ず、よろめいている


「よっし!オーガの体制が崩れた!やっちゃえルピー!」

『待ってました!一攻陣٩( 'ω' )و』


 ルピーが型を取ると同時に小太刀が赤く点滅

 衝撃波を発生させながらオーガを切り裂く


『方陣展開( ´Д`)y━・~~』


 今度はルピー自体が赤く点滅しだす

 今更だがその顔文字はなんなんだ?


 そんな俺の疑問は解消される事なく、ルピーが空中回転しながら小太刀をオーガの目に突き立て、オーガの目から血しぶきが舞い散る


「「うわ・・・ちょー痛そう・・・」」


 俺とフーキの声がはもる

 俺達の画面では絶賛グロ画像が流れてるわけだが、ルピーはもしかして流血表現をオフにしてるのだろうか?


 そう思いながらも橋に手を触れ、橋の木材からツルを伸ばしてもがくオーガの両手を拘束しておく


 オーガはブチブチとツルを引きちぎるが・・・上半身に気を取られすぎたな?

 フーキがすかさず足払いをかけ、オーガが転倒する


「よっしゃ!ルピーさん!一気にきめるで!」

『はい!飢餓の狂騒⊂( っ´ω`)っ』


 空中を蹴って空を舞うルピーが、恐ろしい速度で赤く点滅している


 今のルピーの攻撃力っていくらなんだ?

 まぁいいか、俺には関係無い


 俺は必殺の一撃を放とうとする二人の為にオーガに接近、見切りで弱点を覗く


 ふむふむ・・・大体人間と同じ場所が弱点のようだな

 後ろからオーガの股間を蹴り上げる


 効果はバツグンだ!


 怯むオーガを尻目にそのまま後方に下がると

 準備が完了したであろうフーキが、微妙そうな顔でこちらを見ている


「なんだ?何かあったか?」

「いや・・・モンスター相手でもあれはエグイやろ」

「戦闘で敵の弱点を狙うのは基本だろ?あいつは人間と同じ所が弱点みたいだぜ?」


 そう言いながらオーガを見るとルピーが俺の真似をして股間を蹴り上げている


 効果はバツグンだ!


 あんな赤く明滅するほどバフがかかったルピーに蹴り上げられたら全摘する羽目になるんじゃないか?

 ・・・ルピーの教育上悪いかもしれない、今度から自重しよう


 フーキが悶絶しているオーガにウォークライを使いながら急接近、顎下からアッパーを繰り出す


 下の守りを固めていたオーガの腹にもろに入り、あたりに苦しそうな雄たけびがこだまする


「さて、今度のはちょっと痛いで?ラッシュ!」


 フーキはニヤリと笑みを浮かべると、徐々に加速しながらオーガを滅多殴りにし始めた


「オーガのHPはもう3分の2・・・余裕じゃないか?」


 オーガが反撃しようとしていたので、光を集めて目をくらましておく

 視界が奪われたオーガはフーキのめっちゃ殴る技を受け、ルピーによって上下左右全方位から切り刻まれていく


「残り3分の1」


 オーガの様子が変わる


 緑だった肌の色が赤くなり、体の筋肉が増して髪が逆立つ

 それと同時にオーガ前方のフィールドが、扇状の赤い発光を発する

 何だあれ?


 俺が首を傾げていると、オーガが赤い扇状に向けて緑のプレスを放つ


 なるほど、あれは敵の攻撃予測マークか!


 納得していると、再び地面に赤い発光を確認

 俺達は急いで攻撃予測線から離れる

 するとオーガが大きく飛び上がり、地面を揺らす

 攻撃予測線のあった場所から、鋭利な岩盤が突き出す


 強力な攻撃だが、予測が視覚化されているのなら恐れることはないな


 そう思いながらオーガに視線を向けると、予測線に気を取られていたフーキがメイスで突き上げられたのを確認


 フーキのHPが一気に削られる

 どうやらこれがオーガの本気らしい


「つぅ・・・これは・・・たまらんね」


 フーキが橋の端っこまで吹き飛ばされ、苦悶の表情を浮かべている

 これはフーキだけしゃ荷が重いか?


 メニュー画面から自然界の盟友を外して見切りを装備、近接戦闘にシフトチェンジする


 というか今のでチラッと見えたが、近くで戦闘をしている将軍と二体の鬼のHPが全く減ってない


「これはオーガを倒さないと進まない系のイベントですね、わかります」


 ジローを召喚し、乗りながら杖を構える


「頼むぞジロー!」


 フーキからターゲットを外す為ジローを接近させ囮を発動

 見切りでオーガの攻撃を見ながら、練習していた指示を出す


「上!下!上!下!左!右!A!B!」


 ちなみにAがアタックBがバックだ

 ロデオのようにジローを動かし、隙を見て杖で殴りながら少しでもHPを削っておく


「またせたな!アズ!」

「やっと来たか!このまま囮二人で行くぞ、フーキだけだとこいつは危ない」

「せやな、お願いさせてもらうよ」


 二人でオーガの周りをグルグル

 片方が危なくなったら片方がリカバーに入る


 フーキとの付き合いはそれなりに長いからな、言わなくてもフーキの動きならわかる


 その間もルピーの攻撃が続き、遂にオーガが膝をつく


「この瞬間を待っていたんだ!」


 火と水の精霊を掛け合わせ、万物全てを無に帰す某超絶魔法をイメージ


「これで!終わりだー!!!!」


 射出、火と水は見事に調和され無になった

 何も出なかったよチクショウ

 練度が足りなかったか?そもそも最初からそんな技発動出来ない可能性もあるな


 俺が無駄に思考を巡らせていると、ルピーがオーガの首元を回転しながら切り裂き、オーガのHPがまっすろになる

 丁度バフが切れた風に見えたが、あれ狙ってやってんのかな?


 俺とフーキがポカンとする中、HPがロストしたオーガはしばらく苦しそうにもがき、粒子となって消えてしまった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ