外伝第31話 リザルト2
凸トツ凸からの侵略から数日、アーサー達は円卓に集まっていた。
「というわけで、今回の戦の結果発表ー」
「どんどん ぱふぱふ」
俺の合図に、アズリエルさんが合いの手をいれてくれる。
今回の戦は本当にひどかった。
まず最初から全部リョーマ帝国と凸トツ凸、魔王軍の宰相スーモで計画されていた茶番劇だったのだ。
結果として魔王さーたんを引き込んだ事で勝利をもぎ取れたが、少しでも遅れていたら大変な事になっていた。
「まず第一に、周辺国と同盟を結んだこと、リョーマ帝国が縮小した事により、俺達の領地が攻められる事は同盟期間中なくなりましたー!」
「わーわー」
アズリエルさんの合いの手と共に、ランランロット、カフェイン、トリスタンから拍手が巻き起こる。
「周辺国との同盟は最高だネ!これでボクも大分儲けられるヨ」
「守りが盤石になったのは良い事だな、いづれ闘い会うことになろうとも、つかの間の休息を楽しもう」
「私としては今回出番がなかったのが悔しい所、次はイイ男がいる領地と戦をしましょう」
三者三様の意見が返ってきたのを満足そうにうなづく。
今までいつ攻められるかわからない状況で皆をフル稼働させていたから、キャロットの内政もぐちゃぐちゃなのだ、カフェインの儲けに便乗してこの機に一気に開発するとしよう。
「そしてこれが今回の戦利品となりまーす」
俺は金貨の袋を机に置く
大量の金額におおっ!と場が湧く中、俺はため息をは。
「そしてこれが今回の被害額となりまーす」
今度はおお・・・と元気のない声が広まる。
今回凸トツ凸に襲撃された事により軍は半壊、大同盟を結ぶために各地に伝聞を飛ばすのに多額の金を使った結果、収益は+-0となった。
「やってらんねー」
俺は会議中にも関わらず足を机に乗せぶつくさと文句をたれる。
「だ、だが周辺諸国との同盟、及び魔王軍との同盟は大きいぞアーサー王?」
トリスタンが慰めの言葉をかけてくるが、そんな物より俺は金が欲しい。
というか周辺国と同盟を組んだということはこっちからも攻めれない訳で。
しばらく戦はお預けという形にもなる。
「で・・・だ、しばらく内政を強化する事になるんだが、同時に軍全体のレベルアップも併用しようと思う」
今回の凸トツ凸の侵略戦、聞けばほぼトリスタンのおかげで生き延びているのである。
勇者と比較するのもなんだが、一般兵があまりにも弱すぎる。
せめて守られる側という立場をなんとかしたい、現状ではトリスタンの足手まといでしかない。
そして軍の質は指揮官のレベルによって大きく変化する。
「というわけで、軍団のリーダーであるアズリエルさんを集中的にレベルアップさせる事になるんだが・・・」
アズリエルさんが好戦的な構えをとる、尚、顔はいつも通りの無表情だ。
その隣で同じく好戦的な構えをとる少女。
「誰?」
「報告したではありませんかアーサー王、カラハ殿です」
「生まれたばかりでなんでもう中学生くらいに成長してるんですかねぇ?」
あいつら今度は子育てRTAでもしているのか!?
「お初にお目におかりします、ワタクシはカラハともおします」
カラハがぎくしゃくといった形で挨拶をする。
緊張というよりは慣れない感じがほほえましい。
「この度おとおさまとおかあさまの変わりに円卓に加わりました!よろしくお願いします!」
「で、肝心のお父様とお母さまはどうした?」
「新しくおとおとといもおとの製造中です!」
そんな物みたいにポンポン作らないで欲しい。
まぁその話はもう考えるのはやめよう、俺が疲れるだけだ。
「それで、希望のレベリング場所があるやつはいるか?」
ぶっちゃけこの辺りは魔物が弱すぎてレベリングには向いていない。
俺の質問にトリスタンが手を挙げる。
「ならば天界はどうだ?あそこは魔物の強さも程よく不干渉地帯だから安全だぞ?」
不干渉地帯というのは、プレイヤー間での戦闘、つまりPVPを起こせない地域という事なのだが、なるほど悪くない。
「じゃあ次の目的地は天界だな!各々準備をしとくように!」
俺の言葉で会議は終了する。
この時、新しい冒険にワクワクする俺達は、まさか天界でまた新たな騒動に巻き込まれるとは思いもしなかった。
TO BE CONTINUED?
第3シーズン終了でございます!