アルテミスと共闘
屋台で昼食をとり
そのままゴブリン討伐へ向かう
いつもと違う<ゴブリンの大発生>
冒険者の中にも別な町に移動したもの等もいる
だが町の雰囲気はそこまでの変化は感じない
町の住人たちのほとんどはこの町に残っている
勿論恐怖もあるのかもしれないが
今回討伐する多くの上位種ゴブリンの素材が出回れば
町の賑わいも増すだろう
現代の世界に比べて生と死が身近にあるこちらの異世界
生きる人たちもまた逞しいのかもしれない
南門に到着する
「アリス、今日も基本的には昨日と同じで
ゴブリンを倒しながら周りの様子を
探っていく感じでどうかな?」
「そうね、本隊も近いというし
様子を見ながらが良いわね」
昨日よりもかなり町に近い位置から
ゴブリン達に遭遇する
ノーマルゴブリンばかりだが
10匹程度の群れ
「<ヴェントスパーダ>」
リダクションダガーを試すと
効果は想像通りで
通常なら<ヴェントスパーダ>で切りつける度に
MPの減少を感じるところだが
減った感覚と同時に
魔力回復するのも感じる
戦闘終了後にMPを確認したら
満タンになっていた
(凄い...
しかもこの武器1,000Gだしコスパが凄い
どうやって作ったんだろうな)
などと考えながらノーマルゴブリンたちを
次々と殲滅していく
そうしてノーマルゴブリン達のグループを
3つほど壊滅させたところで
数十メートル先から声が聞こえてきた
「ナイト3、タンク3、メイジ2、モンク2、ノーマル5
の計15匹にゃ!」
「多いわね!?
本隊がかなり近いのかしら?
こいつらを見逃せば町に向かう可能性大よ!
みんな行くわよ!」
「「「了解(にゃ!)」」」
どうやらルナさん率いる<アルテミス>のようだ
「まずはノーマルを蹴散らしてくるにゃ!」
ミーアが素早く駆け出し
ノーマルに次々に切りかかる
次いでルナさんがミーアの打ちもらしに
追撃を与え葬っていく
そして後ろから
「プロテクト」
味方の体を、薄い光の膜がおおい
「ファイアボール」
炎の玉がノーマル一匹を
燃え上がらせる
どうやらミーアが最前列で相手をかきみだし
ルナさんが中衛として攻撃兼後ろの守り
クロエ、クロナの二人が後方から
支援&遠距離攻撃をおこなうようだ
ノーマルたちはあっという間に全滅させるが
ここからが本番だ
ナイトとタンクのペアが3組出来上がり
1組をミーア、2組をルナが相手する
それ以外は遠距離攻撃や支援を行っている
「アリス、支援しよう!」
「そうね!」
二人で戦闘区域内にはいり
「ルナさん!
ナユタとアリスです
戦列に加わってもいいですかっ!?」
「もちろんよ二人とも、助かるわ!」
ルナさんからのOKをもらい
アリスはルナさんの元へ
ナユタは後方支援にまわる
メイジから火の玉が飛んでくるが
ナユタは構わずに魔法を放つ
「<ウインドショット>」
飛んでくる火の玉を散り散りにし
後方のゴブリン達に風玉の雨のように飛ばし
体中に傷をつける
しかしモンク達の回復もあり
メイジはすぐに動きだし
再び火の玉を放つ
一発が支援魔法を使うクロエの右腕を直撃する
「クロエっ!
ナユタさん、アイテムあれば回復!
クロエはうちの生命線なの!
その間わたしが盾になるからっ!」
攻撃魔法担当のクロナが叫ぶ
「なるほど、任せて!」
ナユタは即座に行動する
「<エリアヒール>」
みるみる焼けただれた右腕が回復する
「あ...りがとう」
ポカンとした表情で礼を言うクロナ
クロエも
「...へ?」
とあっという間に回復した腕をみて固まる
ナユタは構わず戦闘に戻る
(魔法攻撃がやっかいだな
前線の方はアリスが加わったこともあり
こちらが押しているな)
「クロエさん、クロナさん!
後ろは頼みます!」
と二人に告げると
クロエから
「え!?あなたどこ行くの!?」
と聞かれ
「やつらの後衛を倒してきます!
このままではまたダメージ受けちゃうかもですから!」
「「魔法使いじゃないの!?」」
二人はおかしなことを言い出すナユタに驚き
同時に突っ込む
「魔法使い?いや魔法は使いますけど、
前線でも戦いますよ。
<ヴェントスパーダ>!」
リダクションダガーに風の刃を纏わせる
「では行ってきます!」
そう言って駆け出すナユタ
「「なんなのよ...」」
呆然と走り行くナユタを見つめる二人だった
前線では
アリスとルナが
タンク・ナイトのペア二組を相手にし
既に一組を光の粒子に変え
もう一組と戦闘中
ミーアが1組を相手に優勢に立ち回っており
片割れの出血が目だってきていた
「ミーア行けそうっ?」
「もちろんにゃ!
もうすぐタンクはお陀仏にゃ!」
「分かったわ!こちらもアリスさんのおかげで
まもなく終わるわよ!
さっさと倒してメイジどもを
潰しに行くわよ!
うしろの子達だけでは少し心配だわっ!」
「分かってるにゃ!」
とルナとミーアが会話していると
前衛同士の戦闘区域をくぐり抜けて
メイジ達の方へ走り行く影を
ルナが見つける
「え、ちょっとっ!ナユタくん!?
どこに!?」
「アリスを頼みます!」
「いや!?どこにい...」
会話の途中だが既に走っていってしまった
「どどど、どういう事なの!?
逃げた訳じゃないのよね?」
とルナさんが狼狽えていると
「ナユタがそんなことする訳ないわよ!
ただ後ろの奴らを倒しに行っただけよ!」
とアリスが反論する
「倒しにって...Fランクの魔法使い君が前線に!?」
「そうです...」
アリスも、その反応は至極当然で
むしろおかしいのはコチラであると思い
少し恥ずかしくなった
「ルナ、たぶん大丈夫にゃ!
ナユタの持ってる武器がかなり凄そうな
やつだったにゃ!
かなり貴重な魔道具かもにゃ、
アレならいけるかもにゃ!」
アリスは、武器?と疑問に思ったが
確かにあんな魔法は見たことないし
ああいう武器だと思ったのかもしれないと納得する
走っていくナユタが手に持つ武器を見るルナ
「た...確かに凄いわねアレ...
ただ、私たちも早く倒して援護に行きましょう」
メイジ達に接近するナユタに向かい
火の玉が放たれる
が、ナユタは風の剣で火の玉を切り裂く
そして杖でガードする上からお構い無しに
メイジも切り裂く
「ギギャーッ」
そして続け様に隣のメイジも
「二匹目っ」
その少し後ろにいたモンクが
まさか一撃でメイジが葬られるとは思っておらず
メイジにヒールをかけていたが
キャンセルになり混乱する
ナユタは更に進み
モンクも切り裂く
瞬殺されたメイジをみて
既に戦意を失っており
抵抗なく、というより
意識が追い付く間もなく一刀両断される
「3匹目っ」
残されたモンク一匹が
血迷って杖で殴りかかる
ナユタもまさか杖で殴られると思っておらず驚き
頭に杖が直撃する
「いったーーっ!?」
(レベルを上げていなけりゃ
気を失っていたかもしれない...)
と一瞬肝を冷やすが
次の瞬間には最後のモンクが
腹から上下に両断されていた
「後衛の殲滅完了!
アリスたちは!?」
後ろを振り返ると
ちょうどミーアが最後のナイトの胸に
短剣を突き入れて倒し終えたところだった
ホッと息を撫で下ろし
みんながルナの元に集合する
(初めて別なパーティーと戦闘して緊張したけど
うまくやれたかな?
これから仲良くできるかな?)
などと、初めてバイトに出勤した学生のような
気持ちを思いだしつつ
「お疲れ様でした~」
と挨拶をして
輪に加わろうと思ったら
呆れた顔をした<アルテミス>の4人に
囲まれるナユタであった




