第八夜 おかしい医者と恐ろしいイケメンさんと
お昼休み中からダイナミックに学校を抜け出し、この辺では有名な美術館前の広場へと辿り着きました。
今の時間は午後一時頃です。
そこでヨミちゃんと一緒に、CLで調べた男性が不意を突かないよう四周警戒していたのです。
「ここにいるんだよね……罪人さん」
「うん、間違いないね」
「ね、ねえヨミちゃん」
「どったの、いのりん」
「その……こんな格好を皆に見られてると思うと恥ずかしくて。ちょっと解除してもいいかな……」
今のわたし、戦士みたいな格好なんです。
「ああそういう事かー。じゃあちょいと試すから待ってて?」
「えっ……ちょっとヨミちゃん!?」
「ねえ、そこの人ー」
なんとヨミちゃんが狩人姿で鞭を持ったまま、知らない御婦人さんを呼び止めたのです。
「あらどうかしたの、もしかして迷子かしら?」
「ううん、ちょっと学校行事で美術館まで来てるんだ」
ヨミちゃんったら、よく舌が回りますね。
「あらあら、なるほどねえ」
「それでね、今あたしの着ている服ってどう見える?」
「ええっ、変なこと聞くのねえ。どうみても制服じゃないのお。あそこにいる子はあなたのお友達でしょう?」
御婦人さんがこちらを見てますが、とくに不審な目はしてません。
本当に、学校の制服に見えるらしいですね。
「うん、その通りだよーっ。それじゃあ、ありがとうございます」
「はいはい、美術館の中では静かにするのよお」
「もちろんだってーっ」
ご婦人さんは微笑みながら美術館へ入りましたが、今は口元をニヤつかせてこちらへ戻るヨミちゃんに文句が言いたくて堪りません。
「どうよ?」
「どうよって……いきなりだったからビックリしたよ!」
「あはは、ゴメンねー」
「もうっ」
ヨミちゃんったらクールな顔に似合わず、本当にハチャメチャなんだから。
「でもこれで分かったっしょ。EWも衣装も普通の人には見えないってことがさー」
「うん、本当だね。いったいどういう仕組みなのかな」
「さあ、実はそこんところよく分かんないんだよねー」
「その仕組み、僕が教えてあげようか?」
何か、嫌な空気がわたし達の背中から漂います。
「ひっ……」
そう、CLに載っていた殿方で確か名前は霧崎悠里と言う人が立っていたのです。
「あんたまさか!」
「おっと、それ以上口を開かないで。あの少女の命が一瞬で途絶えるよ?」
このお兄さんは一本のメスを握っており、親子連れの幼児に投げようとしています。
そんな事は絶対にさせたくないのですが、わたしは恐怖で体を動かせませんでした。
「……あたし達はどうすればいい?」
「はは、とにかく2人とも僕についてきてくれ」
「わかった、いのりん行こう?」
「うん……」
とにかく今は、この人に従いましょう。
ヨミちゃんも心配して手を握り締めておりますし、わたし達はきっと大丈夫です。
美術館の中には物珍しい絵画や彫像に彫刻、その他さまざまな展示品などが展示されておりますが、それよりもちょくちょく出会うお客さんがいつ被害を受けるか心配で仕方ありません。
「はあ……全く、心に響かない作品ばかりだ。君達もそうは思わないかい?」
「あたしは別にそう思わないんだけど。あんたの感性が狂ってんじゃない?」
「ヨミちゃんダメだよ、刺激しちゃ……」
お願いだから、薄ら笑いしているお兄さんを挑発しないで。
「ははは、確かに君の言う通り僕は狂人だ」
「そりゃそうでしょ。でないと百人も罪の無い人を殺せないし」
「うん、その通りだな。だが僕はもしかしたら君が思っている以上の狂人かもしれないね?」
「どういうこと?」
「そうだね、僕が今まで殺してきたのは――美しい少女や少年達だけだ」
なんでこの人、こんな気味の悪い事を楽しそうに話すのでしょうか。
こちらの気が狂いそうになってしまいますよ。
「気狂いめ……」
「ヨミちゃん……怖いよ、この人」
「大丈夫だよいのりん。あたしが側にいるから」
ヨミちゃんが力強くわたしの手を握り締めてくれます。
そのおかげで、わたしは発狂せずに済んでいるのです。
「うーん、やはり君達みたいな美しい子が僕を恐れる姿は堪らないね」
「あのさあ? 一人で満足すんのは勝手だけど、あたし達を巻き込まないでくんない?」
ヨミちゃんは少し怒った声で、雷電という鞭に電流を帯びさせています。
「抵抗したら美術館にいるみなさんの命が危ないよ?」
「ダメっ、ヨミちゃん……今はダメ」
「くっ――本当にズルい野郎め」
ヨミちゃんは怒りを抑えて雷電を収めました。
わたしだって本当はどうにかしたいですが、他のお客さんに被害が被るのでおいそれと手は出せません。
そもそも、こんなに怖い思いをするのは初めてで、体が動こうとしないのです。
「さあ、そこの階段を降りれば僕のフェイバリットルームだ。誰も入ることのない特別室だから、そこでじっくり話をしようじゃないか」
「そこに入ったら真っ先に処刑してやる」
「はっはっは、楽しみにしてるよ」
狂ったお兄さんに着いて階段を降りた先には、一枚の頑丈そうな鉄扉がありました。
何やらセキュリティが掛かってるらしく、この人が指紋認証しなければ開かないみたいなんです。
「うぇっ……なにこのニオイ?」
開いた扉の先から、病院独特の嫌な臭いがわたしの鼻を刺激しました。
「何かの薬品だね、これ……」
薄暗い部屋の壁に鉄の鎖と四個の枷があり、そこの壁だけが血の様な跡で染みていて嫌な予感しかしません。
それに解剖された動物の置物や、輪切りされた生々しい人体の模型図などもあり、もう正気を保つのも一苦労なんです。
「どうだい、この芸術品の数々は」
「悪趣味すぎ……」
「うっ、気持ち悪い……」
思わず吐き気を催すわたしの背中を、ヨミちゃんが優しく撫でました。
「大丈夫、いのりんは目をつぶってジッとしてて」
「ありがとうヨミちゃん……。でも目はつぶらないよ、危険だから」
ヨミちゃんが隣にいるから怖くなんてない。
そうです、わたしもそろそろ覚悟を決めねばいけません。
「うん、確かにいのりんの言う通りだ」
「はあ……やはり凡人には理解できないか。つまらないな」
狂ったお兄さんがわたし達を冷めた目で見ながら、首を左右に振っております。
「なんでさ……あんたみたいな危険なヤツが、断罪者を殺せる力を持ってるわけ?」
「うむ、そうは言われてもね。夢から覚めたら覚醒していたものだからね」
「夢って何さ。知ってるなら答えなよ」
「残念だけど、君達が知る前に死んでしまうだろうしねぇ?」
お兄さんは下卑た笑顔で、白衣の裾から何十本ものメスを取り出しました。
完全にわたし達を八つ裂きにするつもりなのですね。
「ふーん、やろうっての? まあ、あたし的にもそっちのが――いいけどね!」
ヨミちゃんは改めて雷電に電流を流し、お兄さんに向かって打ち付けました。
だけどお兄さんは既におらず、コンクリの床を虚しくしなるだけです。
「くそっ、すばしっこいな」
「ヨミちゃん、上っ!」
すばしっこいお兄さんの動きが不思議と見えていたわたしは、ヨミちゃんの補助になりました。
「ありがと、いのりん!」
ヨミちゃんが天井に向かって雷電を振るいましたが、残念ながら避けられてしまいます。
「うひゃーっ!?」
代わりに大量のメスが黄泉ちゃんに降り掛かりましたが、全て鞭で弾き飛ばしました。
「んもうっ、こいつ速すぎー」
「いやあ、君が打つ鞭の軌道が読みやすくてね。だからすぐ避けられる」
「しかも腹立つ……。しゃあない、アレを実践してみるか」
ヨミちゃんが小声でそう呟きました。
「なんだ、何か言ったか?」
「なんでもない。つーかあんたの速さにゃ驚くばかりだよ」
「ははは、当たり前さ。俊敏力だけは異常に発達したからね?」
お兄さんはわたし達の正面に移動し、黄泉ちゃんの様子を伺っているみたいです。
「ふうん、あんたいろいろと早そうなんだけど」
「なかなか毒を吐くね、君は。そういう子は壊しがいがあるってものさ」
「あはは、あたしもあんたみたいなクソ野郎は一刻も早く消し炭にしてやりたいねー」
お二人は互いに挑発しあってますが、意外と性格が似ているのでしょうか。
「くひひっ! そう言えば君達にまだ自己紹介をしていなかったね」
「あんたの紹介なんて別に聞きたくないよ」
「まあ聞きなよ。君の後ろで怖がってる子なんて特に聞いてもらいたい」
「ひっ……!」
そう、わたしは冷静でいたい筈なのに、この人が怖くて身震いが止まらないのです。
「いのりん!」
「ご、ごめんなさい、ヨミちゃん……」
「ううん、謝る必要なんてないよ。君はあたしが絶対に守るから」
「あり、がとう……っ」
ヨミちゃん、全然お役に立てなくて本当にごめんなさい。
「うん、美しい友情だ。ますます壊したくなる」
「うっさいな……。せっかくだし、あんたの冥土の土産に名前を聞いてやるから教えなよ?」
ヨミちゃんはこの人が霧崎悠里だって知っている筈なのに、どうして聞きたがるのでしょうか。
「はっはっは、僕の名前は――小浪龍三郎だ。その名を地獄にでも刻み給え」
「えっ、マジで?」
わたしもヨミちゃんと同じく、聞いた事もない名前を聞いて唖然としてました。
そんなわたしの前で、何やらヨミちゃんがESDを操作し、この小浪龍三郎と名乗る意味不明なお兄さんの詳細を調べておりました。
そこで分かった情報なのですが、この方はランク13の進化の魔種を植え付けられていない平凡っぽい殿方なのですが、顔写真を見て驚きです。
雰囲気は違いますが、霧崎悠里にそっくりなのですから。
「うわー、マジでか……。ねえ、あんた本当に霧崎悠里じゃないの?」
「……おい君、なぜそいつの名前を知っている?」
あれだけ余裕の表情をしていたお兄さんが、霧崎悠里と聞いて怖い顔をしております。
「なに、知ってんの?」
「ふっ……知らないな。ついさっき忘れたよ」
よく分かりませんが、怖い顔は止めたそうです。
「ん……? まあとにかくあんたは霧崎悠里じゃないのね。つーかそっくりさんとか勘弁してよー」
「あいつと同じとかやめてくれ。気分が悪くなる」
「ふうん、なんか知らないけどさ。あんた、そいつに嫉妬してんのー?」
「な、何を――そんなわけがないだろ!」
動揺してますし図星みたいですね。
それにしても、なんだか怖さが半減してしまいました。
「まっ、あんたみたいな罪人の過去なんて知りたくもない。あたしはただ処刑するのみだっての」
「ふん……お前は消える前に相当痛めつけてやる。覚悟しておけよ?」
「うん、あんたも覚悟しろよ。今からとんでもない落雷を食らうことになるからね?」
何やら天井が、バチバチと音を立てています。
「な、なんだこの奇妙な音は?」
「ごめんねー、あたし達を除いた天井と床さー。今大変なことになってるから」
「はっ……どういうことだ?」
ヨミちゃんが口元をニヤつかせております。
これはきっと、あなたの仕業なのですね。
「この部屋薄暗いから気付かなかったっしょ? あたしの雷電がそこら中に張り巡らされてるのがさ」
「ま、まさか……っ!」
焦ったお兄さんはその場から逃れようとしましたが。
「あ、やっぱそう動くよね。でももう――遅いっての!」
「ほぎゃあああああ!」
ですがその行為も無駄に終わった様で何十本もの落雷がお兄さんの体を貫いて一瞬で黒焦げになり、そのまま美味しそうなプリンに変わりました。
そして、わたしのESDからランクを上がった際のお知らせ音が鳴りました。
「よっと」
ヨミちゃんは伸びきっている鞭を、シュルシュルと縮めて収めます。
「やっぱりこの雷……ヨミちゃんの魔法なの?」
「その通りっ、あいつがお喋りしてる間に天井と床へ張り巡らせたわけ」
「すごいなあ……」
「まっ、魔力もこんなに使っちゃったけどねー」
差し出したヨミちゃんのESDが、魔力の現在ゲージが四百ほど減っている事を示していました。
「わっ、ものすごく減ってる」
「でしょー。この薄暗い部屋とあいつがお喋りなのを考慮して実践したから、本当にうまく行くか不安だったわー」
「うう、ヨミちゃんったら恐ろしい事を……あんまり無茶しないでね?」
「だいじょぶ、だいじょーぶ。あたしは平気だからさー」
「果たしてお前は本当に大丈夫なのか?」
今の声は一体、誰なのでしょうか?
「はあっ!?」
「だ、誰なの……?」
「お前達が真に探していた罪人、そう言えば分かるか?」
「まさか、あんたが……」
ヨミちゃんがCLの写真と、目の前のビジュアル系お兄さんの優しそうな顔を見比べております。
「進化の魔種持ち……霧崎悠里!」
「こ、こんな優しそうな顔した人が?」
「生憎だが俺は優しくなどない。罪も無き少女を……いや、鬼の末裔を根絶やしにする使命があるからな?」
「ひっ……!」
なんでこの人はわたしに殺意を向けるのですか?
怖い、怖い怖い……ただただ怖い!
「いのりん!」
「やだ――怖い怖い怖い、こわいっ!」
「大丈夫っ、大丈夫だから落ち着いて、いのりん!」
お願いだから、誰かこの人をどこかにやって!
「ひっく……やだ。もうお家に帰りたい……パパ……ママ!」
「いのりんっ」
今のわたしは最早、足手まとい以外の何物でもありません。
ただ我儘に泣き喚くだけの赤ちゃんと同じ存在です。
「あんた……イノリに何をした!」
「ただ殺気を向けただけだ」
何やらお兄さんが銀色の刀を構えてます。
わたしを斬り殺すつもりですね。
「あんたもあたし達と同じ断罪者なの!?」
「いや、全然違うな」
「嘘だ、全く同じじゃないのさ!」
「わからず屋め――これは天裁の力だ」
お兄さんがヨミちゃんの前へ瞬時に移動しました。
わたし達はもう、助からないのですね。
「はやっ!」
ヨミちゃんが鞭を盾の様にグルグルと巻いておりましたが心許なく、わたしは目を瞑る事しか出来ませんでした。
「そんなもので俺の斬撃を受け止めるのか?」
「やって見なきゃわかんないっての」
「愚か者め――鬼の末裔共々、天へ召してやる」
「ぐっ……!」
ヨミちゃん、本当にゴメンなさい。
わたしがもっと精神的に強ければ、せめてあなたを犠牲にしなくて済んだかもしれないのに。
「……あれ?」
「はあ……力の差も弁えずに種ありの罪人に挑むなんて本当に困った子達ですね」
ですが何やら様子が変です。
何故か渋い女性の声が聞こえたので目を開けてみますと、お兄さんの斬撃を桜色の刀で受け止めているお姉さんがいたのです。
「えっ……あんただれ?」
「あなたも後ろへ下がりなさい」
「あっ、はい……」
ヨミちゃんは謎のお姉さんに大人しく従って下がりました。
「貴様……管理者か」
「ご名答、よく知ってますね。流石は桃の種に選ばれた罪人、と言ったところでしょうか」
「なに……管理者って規則に載ってるやつ?」
ヨミちゃんが質問しましたが、お姉さんは無視しております。
「いい機会だ、貴様の魂を糧にしてやる」
「やめておきなさいな。あなた如きに私は倒せないわ」
「やってみなくては――分からない!」
お兄さんが突進するよう斬り付けましたが、何故かお姉さんは溜息を吐いて立ちっぱなしなのです。
「はあ……まったく面倒くさいことに巻き込まれてしまいましたね――閻魔様のクソ馬鹿ヤロウ」
あれ、今この人確かに閻魔の名を呼んだような。
とにかくお姉さんは、斬撃を容易く受け止めました。
「ふん、随分と口が汚いな」
「悪かったですね」
それどころか弾き返したのです。
「くっ――なんて力だ」
「だから格が違うと言っているのに」
「ふん、いまさら後には引けなくてね。例え敵わない相手だろうと――戦うのみ!」
何故お兄さんは敵わないと分かっているのに、お姉さんに歯向かうのでしょう。
全く理解が出来ません。
「てやああああっ!」
「遅いですね、欠伸が出そうです」
首筋を狙うお兄さんの短い斬撃を、お姉さんはつまらなそうに受け止めました。
「くそ――だが力なら負けない」
「あら、さすが種の持主ね。案外重たいわ」
お兄さんは力強いのか押しており、お姉さんの首に刃が届きそうで冷や冷やします。
それでも冷静なお姉さんが一番怖いのですけどね。
「ふん、そのまま首を落としてやる。閻魔の犬め」
「あら、閻魔様を駄犬呼ばわりなんていいこと言いますね。これは私も少々霊力を使わねば……破ッ!」
やっぱり閻魔さんの事を知っている様ですが、それよりもいきなり桜色の刀が赤く光り輝き、お兄さんの刀を真っ二つに折ってしまいました。
「なっ――」
「はっ!」
その勢いに任せてお兄さんの首を落とそうと振り切りますと、まるで桜の花びらが舞った様な軌道が残ります。
お兄さんは後ろに跳ねて避けてましたけどね。
「素晴らしいですね。あの一振りを避けましたか」
「くそ、化け物め……」
「さっきから閻魔様に対して化け物とか駄犬とか失礼な方ですね。そんなに刀のサビになりたいのですか?」
「えっと、さっきから言われてんのはお姉さんじゃない?」
「さあ、なんの事でしょう」
ヨミちゃんの疑問通りですが、お姉さんはしらばっくれております。
この人は多分、わたし的には好きじゃない部類の方に違いありません。
「えーっと」
「そんな事よりあなたはその子を連れて逃げなさい。この罪人は私が処理執行しておくから」
「お姉さん一人で大丈夫なの?」
「心配しないで頂戴。私は管理者なんですよ」
「そうだっ。どうして今更管理者が現れたのかも聞きたいんだけど!」
「話は後よ。落ち合う場所はここの北にある小さな公園です」
「その言葉忘れないでよねーっ! さあいのりん、あたしの手を強く握って」
わたしが心の中で冷静に分析していると、ヨミちゃんが力強く手を握ってくれたので、現実に戻る事が出来ました。
「あっ……ヨミちゃん?」
「よし、もう大丈夫。怖いやつなら今、あのお姉さんが懲らしめてるから。その間にあたし達はここを出よ?」
「う、うん」
今となっては客観的に物を見すぎて何も怖く無くなったのですが、とにかくヨミちゃんに着いて一緒に逃げなければ。
大丈夫、このお姉さんはきっと殺しても死なない人なんだと何故かわたしの心に伝わるのですから、安心して放っておきましょう。