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鬼の末裔の少女〈断罪者編〉  作者: 美浜忠吉
1章 断罪者
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プロローグ わたしの自我

 この楽しくも辛い世界で暮らす人達には、どうあっても曲げられない心と言うものが沢山あると思うのですが、その中でも厄介だけど必要な心が三つあります。


 一つ目は、思いやりの心。

 家族や友人に限らず、困っている誰かを支えるという気持ちがそれに当たりますよね。

 わたしも、そんな気持ちを抑えることができませんもの。

 逆に支えられた事も沢山ありましたし。

 ですがそんな気遣いも過ぎればお節介に代わり、鬱陶しいからと手を払われてしまう事もありますから注意が必要ですよね。

 それでもこの思いやりの心は、わたしが一番大好きな心に違いありませんが。


 二つ目は、執着心。

 わたし達ヒトは、基本的に手に入れたいモノは何がなんでも手に入れたいと思う、そんな心。

 ですが、執着すること全てに悪い事なんてありません。長生きする為の執着、大切な方を最後まで守り抜く執着、正しい意味での正義を貫き通す執着などなど、正の執着だって沢山あります。

 ですから、長く健康的に生きる為には絶対に必要な要素ですので、この心も好きです。


 三つ目は、嫉妬心。

 妬み、嫉みは人それぞれあるかと思いますが、その中でも一番怖いのが人付き合いの間にある嫉妬であると、わたしは考えております。

 お恥ずかしながら、わたしも他人の幸せを羨んだり、親友が他の子とやたらと仲良くしている姿を見てしまうと、嫉妬心を抱かざるを得ない時もありました。

 そんな心に一見良い印象はありませんが、実は自分の心を支える為には必要な要素なんです。

 そう思いますよね?


 そんな三つの心を述べましたが何を言いたいのかと言いますと、これらの心がすれ違ったり、抱えたりした結果、個人差はありますが重たい罪悪感を背負ってしまいます。

 その罪悪感も積み重なれば精神を蝕み、自暴自棄になり、しまいには心の隙を突かれて罪人へと唆され、罪も無い方に災厄を振り撒いてしまう最悪な結果を産み出してしまうんです。


 だから、当時は幼くとも罪人を裁く力を持ってしまったわたしは、普通に暮らす方の平和と秩序ある生活を守る為、処刑という残酷な形を執るしかなかったんです。


 これから始まる物語は、そんな考え方を持ってしまったわたしの些事でしかありませんが、付き合って頂けたら泣いて喜んでしまいます。


 それではどうぞ、ご覧くださいませ。

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