3/3
彼女の思い出
始まりは全て、10歳の誕生日だった。
父と母は僕のためにお使いロボットを買ってくれ、家へ帰る時だった。
目の前が一瞬真っ暗になり、次の瞬間、僕は病院にいた。
その次の日、父と母の葬儀があった。
交通事故となっていたが、真偽は定かではない。
ただ一つ、覚えているものとすれば、意識が消える寸前に聞いた言葉だった。
「マスター、大丈夫さ。ボクがマスターを一生守る。」
本来決まった言葉しか話さないアンドロイドが口にする言葉とは到底思えない心からの声だった。
それから5年経ち、僕は彼女、アンドロイドの、識別コード「パンドラ」と暮らしている。
彼女らは他のアンドロイドとは違い、何処かにある工場で創られたらしい。全員ギリシア神話に出てくる名前をつけられ、金色のナンバリングが右腕に刻まれている。
なぜ分けられているのかというと、不定期に開催される天下一武○会的なものがあり、そこで新しいアンドロイドの研究を行うためらしいが、くわしくは分からない。