彼女の能力
「マスターマスター、早くボクの能力を選んでインストールしてよぅ。集会まで時間がないんだよ〜」
腰まで伸びる白髪を持つ少女がマスターが喋りかける。
マスターと呼ばれた少年ははたはた困った顔をしていた。
「うーん、僕としては買い物に行ってくれる方が良いんd
「そんなこと聞いてない!戦闘系能力よ!」
彼女曰く、彼女らは他のロボットのような日常用でなく、戦闘用として生まれてきたらしい。その証拠に、右腕につけられているはずのナンバリングが金色になっている。
「あとデバイスの形状もマスターがデザインするのよ」
「はぁ?僕にはそんな時間ないんだけど!能力とか瞬間移動でもなんでもいいよ!」
僕はうんざりしてきて投げやりにそう言った。
すると、
「了解!『能力【τηλεμεταφορά】』インストールを開始!」
そういうと、彼女は力を失ったように椅子にもたれかかった。
3分くらい経っただろうか。
不意に彼女は目を覚まし、二カッと笑った。
「サンキューマスター!あとはデバイスのデザインをして!」
「ちょ、冗談のつもりだったんだけど」
いきなり倒れ出すのだから、焦ってしまってそれくらいしか言うことができなかった。
「え、嘘でしょ!?アンインストールできないんだけど!」
「はぁ!?そんなの聞いてない!事前に言っとけ!」
「責任とれ!」
「やだね!そっちが悪いんだ!てかデバイスってなんだったらいいの!?銃か!?魔道書とかなのか!?」
派手に暴れて喧嘩していたら、彼女は不意に動きを止めた。
「銃……?それ、いいかもね。『端末製作!形状【κανόνι】!』クラフト開始!」
また倒れるのかと思ったが、今回は大丈夫の様で、立ったまま手のひらを上にしてじっとしていた。
すると驚いたことに、光の粒子なものが集まって銃の形を創っていく。
それは、魔法の様だった。