表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

舞台は科学より魔術が発展してきた国―『グランシーク』

この国の魔術学校に通う15歳の少年ヴァン・ダムホープの物語―


リリリリリリリッ

部屋に目覚まし時計のアラーム音が響く。

しかも目覚まし時計の針はまだ4時を指している。

快適な眠りを妨げるアラーム音は、夜更かしをした少年にしてみればとてつもなく不快なものだ。

それでも今日は早起きしなければならない大事な日。布団から一本の手が伸びて音を頼りに目覚ましを探す。リリリリリ…

ピタッ、とアラーム音が止まった。

「…ちきしょー眠い…。」

そう言つつも少年(ヴァン・ダムホープ)は布団から起き出した。

「ふあぁ…………準備するか…………あれ?」

目覚まし時計の時刻は4時を指している、…が、壁かけ時計(最新魔導式時計)の指針は………4時35分……。

「故障ー!?…やばい遅刻するー!!」

ヴァンはドタドタと制服に着替え、パンを口に加え家を飛び出して行った。

「ふぃってひまーふ(行ってきまーす)!」パンを食べながらいつものコンクリートの道をひたすら走る。

「集合4時40分…今……4時38分!!」

家から学校までは走っても15分はかかる…要するに遅刻。

「…しかたない、バレなきゃいいんだ。」

そう言うとヴァンは両手を合わせ息を大きく吸い込んだ。

「……よし!!…………call!!」


そう叫ぶとヴァンの足下のコンクリートに魔法陣が現れた。

「space magic(スペースマジック)『gate!!』(ゲート)」

その瞬間、魔方陣から光が発生しヴァンを包みこんだ。

やがて、その光はだんだん小さくなっていき、遂にはヴァンと一緒に消えてしまった。


〜変わって4時38分学校〜


「よーし。全員そろったか?」

黒い教員用のマントを羽織った(ライト・フローパー)

が最終点呼をしている。「先生ー!うちの班のヴァンがまだ来てません!」

「ミリアの班は陸とヴァンだろ?陸はいるのか?」

「陸はいます。でもヴァンが……」

「めずらしいなヴァンが遅刻とは。陸なら遅刻の常習犯だが…………」

「先生!!」

ミリアが突然声をあげた。

「どうした?」

「空が!!」

ミリアのが空を指差している。

「空が…空間が歪んでます!!先生あれは?」

空を見てライトは驚きの声をあげた。

「なに!!…あれは空間魔法だ!!いったい誰が?」

「あっ!!開いてく!!」

今まで歪んでいた空間に穴が開きそこから大きな光の球体が飛び出し、地面にゆっくりと降りて来た。

「みんな近付くな!!」

そう指示を出すと、ライトは杖を構え光の球体に近付いて行った。

「……!!光が…」

光の球体から光が消えていく。そして中から一人の少年が現れた。

「ヴァン!?」

「んっ!?…なんだミリアか。」


ヴァンは心底つまらなそうに呟いた。

「なんだってなによ!!それよりどうしたの?今の?」

「どうしたのって、そりゃ…」

ヴァンがあたりを見回すと他の先生達まで集まっている。

ライトにいたっては睨んでいる。

「…そりゃ……。あ、あれだよ、あれ。遅刻しそうだったから父さんの使い魔かりて『ゲート』で飛んで来たってわけで、して……」

もちろん嘘である。

「本当か?」

「も、もちろんです!先生…」


「…ならいいが。空間魔法は危険なんだぞ!失敗すれば体がバラバラになることもある。今度から遅刻しないよう気をつけなさい。」

「そーよ!お父さんに感謝しなさいよ。」

「はい…。(アブねー!!)」

ヴァンはギャラリーがいなくなるのを確かめて、ホッと息をついた。

「本当危なかったなー。」

「ヴァーン!!早く並んで!!」

向こうでミリアが手を振って呼んでいる。

「わかったわかった!!」

そう言ってヴァンはミリアの元へ走って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ