「思い出のかたち」のレビュー
https://kakuyomu.jp/works/16818622173419705793
秋葉原のジャンク文化と過激なギャグ・下ネタを融合、極めて熱量と独自性の高い作品である。「レノちゃん、激怒!」「慌てて弁解するチャーナちゃん」といったように、修飾語を削ぎ落として主語と感情・動作を直結させた短い地の文が多用、スピーディさの補助がされている、一方で情景や人物の立ち位置を構築する描写が省略、擬音や記号に頼り、パロディの一方でパロディの必要性があるかと言われるとない、いざという時の小説力が見せれなくなり、これ以降の発展性が非常に弱くなっていると言わざるを得ない。
作品としての評価は回帰と結末は良い、終盤の展開は答えとして残る作品として上手く機能していて、本作は道中こそカオスなドタバタ、最終章ではシリアスと個人的には一番近いのは「荒川アンダーザブリッジ」である。
出来事が連続しているだけでなく、前の選択が次の制約になっているため、物語が積み上がっている、事件が並ぶだけで積み上がらない作品。つまるところギャグマンガ調、翻ってノスタルジーが強みなのに、当時の盛り上がった感じ、当時の育った自分というものを体感できなくなってしまう。省いて言えば、あの情熱が欲しくなる。スピード感がここにおいて生きているものの、畳み切れる爽快感があって刹那的な別れがあって、本来そこにあった真剣な秋葉原という熱狂を描ききれているかと問われると微妙な所に落ち着いてしまう。純正、爆熱のPentium4(敵のマンモス)といったPCパーツ由来の能力が登場という要素があるならパソコンパーツ由来のキャラと能力みたいな対抗要素、全員パソコンパーツキャラで統一して、帰るためのサポートするパソコンに初めてなる、みたいな感じに、シンプルだけど綺麗だな、って思わせる構図がギャグ調だからこそあってほしい。で、本家と薄味版をそれぞれ「暗殺教室」寄りのシリアスだけどギャグもしっかりこなすシリーズと「荒川アンダーザブリッジ」寄りのギャグ多めに寄せたシリーズで分けるなりするものならばまた違う実力が見れた。




