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追憶の霧、眠りの淵への道   作者: Rurusia Lulihime
24/35

第24章:月影の魂の契約。名もなき廃墓地の度胸試し

【シーズン1完結目前!】お知らせ&Q&A募集


「ついにシーズン1も最終盤です!残りあと1章、ざっと10話以上はあるかな?物語はいよいよ激動の展開へ突入します。ここまで付き合ってくれて本当にありがとう!


シーズン1が終わる前に、みんなの感想が知りたいな。


•これまでの話で、どのシーンが一番好き?

•推しキャラへの愛の叫び(笑)も募集中!


Q&A コーナー開催!

あと、Q&A もやるよ!設定のことや作者への質問など、気軽にコメントしてね。ネタバレ厳禁で頑張って答えます!(「シーズン2まだ?」は禁句だよ、今まさに死ぬ気で書いてるから!笑)


ラストはどうなる…?

ラストはどうなると思う? 誰が残って、誰が消えるのか…。


こっそり教えちゃうけど、誰かが亡くなるのは確定です。 お楽しみに!」


午後の嘔吐物の臭いとチョコの甘みは、夜の凍てつく空気に塗りつぶされた。時計の針が12時で重なった時、ルリヒメからの「糖分摂取シュガー・リミット」から回復したロリータが、親睦(あるいは精神破壊)のための突飛なアイディアを思いつく。


「せっかくのバカンスだもの、『肝試し』がないなんて寂しいじゃない?」ロリータは不敵に微笑む。蝋燭の火に照らされたその顔は、ホラーアニメの悪役そのものだ。「この崖の向こう側に、百年以上放置された貴族の廃墓地があるわ……。最深部の石碑まで辿り着き、『一族の紋章コイン』を持ち帰った者には、素晴らしい褒美をあげるわ!」


「褒美って何よ? お金かイチゴミルクじゃないなら行かないわよ!」ルリヒメは脚をガクガクさせながら抗議した。


「褒美は……無条件で、私に一つだけ『何でも願いを聞かせる』権利よ」ロリータは政治家としての最も恐ろしい切り札を提示した。それが、長い夜の始まりだった。


カナタは、最も男らしい(ように見える)という理由で一番手に放り出された。死にかけの蛍のような弱々しい懐中電灯を手に、彼は進む。道は死者の手が足を掴もうとするかのように茨が絡まり、枯葉を踏む音は骨が砕ける音のように響いた。


「論理だ……論理が俺を救う」カナタは歯をガチガチ鳴らしながら呟く。「幽霊は未解明のエネルギー形態に過ぎない。統計的に見て、幽霊に呪い殺される確率は宝くじの一等に当たるより低いんだ……。あ、あれは何だ!?」


ライトの先、古びた松の木の陰に、白い透けたドレスを着て後ろを向いた長い髪の女の影が映った。冷たい風が首筋を通り抜け、カナタは凍りついた。


「……ルリヒメか? 後を付けてきたんだろ? 笑えないぜ、江戸時代からの使い古されたネタだぞ!」


返事はない。ただ壊れた墓石の間を抜ける風の音だけが響く。カナタが意を決して歩み寄ったその時、その影の首が180度真後ろに回転した! 顔には目がなく、ただ暗黒の穴と、耳元まで裂けた口にどす黒い鋭い牙が並んでいた。それは金切り声を上げ、鼓膜を突き破らんばかりに叫んだ。


「ギャアアアアア! お助けぇぇぇーーッ!」カナタは脱兎のごとく逃げ出した。ヴィラへ戻るどころか、霧の深い墓地の奥底へと迷い込んでいく。「コインを取れとは言われたが、無傷で帰れとは言われてねえぞ!」


泥水に足を取られ転倒した彼の手が、白く硬いものに触れた。地表に半分露出した頭蓋骨だ!「す、すみませんおじいさん! 入れ歯を盗む気はないんです! ただの社会見学なんです!」彼はパニックに陥った。「ここで死んだら、ソフィアにホルマリン漬けにされて研究材料にされる……それだけは御免だ!」


「カナタ、遅すぎない……? 幽霊にレバーでも食われてるのかしら」ルリヒメは墓地の入り口で震えていた。


「さあ、行ってらっしゃいルリちゃん。カナタを見つけたら、輸入物のチョコを10箱おまけしてあげるわ!」ロリータが甘い声で背中を押す。


食欲という生存本能が恐怖に勝ったルリヒメは、限定モデルの「アヒル型ピンクスタンガン」を手に進む。「幽霊? かかってきなさい! 原子レベルまで焼いて、二度と成仏できないようにしてやるわ!」


だが、進むにつれ空気は重くなる。足音を止めると、背後の音も止まる。歩き出すと、また音がする。(ズシン……ズシン……)さらに耳元で掠れた声が囁いた。「……お、お布施……ちょうだい……」


「誰よ! カナタなの!? だったら胸ぐら掴んで肋骨折ってやるわよ! 唾を吐きかけて、生きたまま燃やしてイチゴの肥料にしてやるわよ!」ルリヒメは涙目になりながら虚勢を張った。


振り向いた先には無名の墓があり、そこに乗った古いランタンが突如、緑色の鬼火を灯した。ルリヒメはついに泣き出した。「サエルお姉ちゃん……エンマ……助けてぇ、変質者ロリータに殺されるぅ……」


そこへ、泥だらけの冷たい手が彼女の肩を掴んだ。ルリヒメは絶叫し、窮地の野生動物のごとき本能で必死の「頭突き(ヘッドバット)」を後ろへ繰り出した!


(ゴッ!)


「痛えぇぇ! このクソガキ、頭が花崗岩かよ! 俺だよ、俺!」泥と涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったカナタだった。「お前こそ、お布施をねだるガキの浮遊霊かと思ったぜ!」


「バカナタ! ホームレス! 心臓が止まるかと思ったじゃないのよ!」ルリヒメは泣きながらカナタをポカポカ叩いた。「それで、コインは? 私、もう精神的ダメージでお腹いっぱいなのよ!」


二人は腕を固く組み、墓地中央の祭壇へと向かった。そこには首なし騎士の像がそそり立ち、その手には黄金のコインがあった。だが、幽霊よりも恐ろしい光景がそこにあった。仮面をつけた黒ずくめの集団が、何らかの儀式のように像を囲んでいたのだ。


「あれは……朝の連中か!?」


「墓地で何してるの? 死体の票でも掘り起こしてるの? 来期の選挙で有効票が7億票超えちゃわないように調整してるのかしら!」ルリヒメが真顔で政治的考察を述べた。


そこへ、密かに追跡していたエンマとサエルが死神のように闇から現れた。エンマが数秒で男たちを制圧し、サエルが静かにコインを拾い上げてルリヒメに渡した。


「よく頑張りましたね、二人とも」サエルは微笑み、二人の汚れを払った。「どうやらこの肝試し、敵のアジトを見つけるのにちょうどよかったみたいですわ」


影の処刑:ロリータの覚醒


墓地の静寂の中、倒れていた男たちが不自然に立ち上がった。その瞳は**漆黒ソリッド・ブラック**に染まり、理性を失った獣のような唸り声を上げている。


次の瞬間、男たちは限界を超えた速度でロリータの急所へと飛びかかった!


「危ない!」エンマが叫ぶ。


しかし、刃が届く直前、ロリータの影が跳ね上がり、衝撃を受け止めた。凄まじい衝撃波が墓地を揺らす。ロリータは大量の血を吐き出し、顔面蒼白になりながらも口元の血を拭った。


「な……探知できなかった……。存在プレゼンスの完全消去……。存在論の法を歪める高等魔術……議会の誰にも不可能なはずよ!」


獣化した男たちが咆哮を上げる。ロリータの周囲の空気が重くなり、くすんだ金色のマナが溢れ出した。


「全員……下がって!」ロリータは振り返らずに命じた。「エンマ、サエル、カナタ、ルリヒメ……50メートル圏外へ避難して!」


「でも、怪我を!」サエルが駆け寄ろうとする。


「お願いじゃない、これは**『命令』よ」ロリータが咆哮した。「こいつらはもう人間じゃない。マナが覚醒していないあなたたちの手に負える相手じゃないわ……ここにいられたら、『領界ドメイン』**を展開できない」


エンマはロリータの背中を見た。彼女の震える影が、恐ろしい異形へと肥大化していく。「……分かった。全員、退避だ!」


友人たちが去った後、ロリータは血まみれの顔で不敵に笑った。その瞳は毒に浸されたルビーのような深紅に変わる。


「さて……理性のないゴミ屑ども」彼女は手を天に掲げた。足元の影が数千の鋭い針となって爆発的に広がる。


「存在を消すのが得意なら……あんたたちの『存在そのもの』を、世界の歴史から消し去ってあげるわ!」


秘術シークレット・アート:影の処刑――千の棘(シャドウ・エグゼキューション・サウザンド・ソーンズ)!」


狂乱の戦いが始まった。ロリータは影の針がすべてを貫く中、黒い霧のように舞う。敵が接近するたびに影の壁が防ぎ、破壊的な威力で反撃する。肉が裂ける音と石碑が砕ける音が廃墓地に響き渡る。


「逃げ足だけは速いわね……」ロリータは肩で息をする。魂への直接攻撃によるダメージが蓄積していた。「でも、私の領界の中では……魂すら逃げ場はないわ!」


血のような月明かりの下、死闘は続く。ロリータは全魔力を絞り出し、見えない敵を粉砕していく。


しかし彼女は知らなかった。この惨劇の背後、廃墟となった灯台の頂上から、彼女を見つめるもう一つの瞳があることを……。その瞳は、深淵よりも深い怨念に満ちていた。

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