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プロローグ

「勇者よ我はこのままでは......終わらんぞ」


「お前はここで終わりだ!」


そして勇者の剣は我の胸から核を貫いた。

全身に痛みが走る。

体の自由が利かない。

体の内側からマグマのように燃え滾る熱さが湧いてくる。


「終わった」


勇者は安堵の息を吐いた。


そして眼前一面に光が満ち溢れ我の意識は光の中へと溶け込んだ。


はずだった。

意識が体と分離し勝手に動き始めた。

ああ、我の美しい体が崩れていっている。

なんとかして救いたいが勇者に負けたのだ。

もう我にはどうすることもできない。


そして意識はどんどん天へと昇ってゆく。


これから我は地獄へと行くのだろうか?

まあそれも我にとっては褒美だ。

心して待とう。

しかし、人間界支配のために長年働きづめだったからな。我も眠くなってきた。

もう何もできなくなってしまったんだ。睡眠とやらをとってみるとしよう。

意識が暗闇へと落ちていった。


ふー。長年の疲れが取れた気がするなー、体はないが。

しかしここはどこだ?地獄じゃないのか?

意識は明るく活気にあふれた村のような場所を俯瞰している。


我が倒された後の世界か?

ならば許せんな。こんなに平和な世界があるなんて。


そう思うと意識は急に動き始め、村のはずれにあるぼろ屋敷の方へと吸い込まれていった。


な、なんだ?

あそこに我を苦しめる何かがあるとでもいうのか?


屋敷の屋根をすり抜け中に入ると、ベッドの上で寝そべりだらしない姿を曝す青年と料理をするその母のような女の姿があった。


こいつらが我にどんな関係があるというのだ?


我の思考に関せず意識は勝手に移動し、青年の胸の上へとやってきた。


この青年のことは分からないが彼からは我にとって何か嫌な気が発せられている。


意識はどんどん青年の体の中へと吸い込まれていく。


止めろ!やめてくれ!


意識が焼けるように苦しい。

しかし我の懇願虚しく意識は青年の体の中へと浸透していった。

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