アイスクリーム
外に出るのはいつぶりだろう、、、天気は驚くほどの快晴で、鳥の声が辺りのほのぼのとした雰囲気を密かに作り上げている。
ひどく照り付ける太陽の光はバンパイア(引きこもり)の私を溶かしてしまいそうな勢いだった。
「こんな熱くなるなんてね~、あられ大丈夫?」
スライムみたいにドロドロになってる私とは対象的にお姉ちゃんは清々しかった。
「ちょっと疲れた」
「あちゃー、まあこんなに暑いしね。よぉし!おぬしには西洋から伝わったとっても美味しい食べ物をやろう!!!名を”あいすくりぅむ”といってなぁ、たいそう甘い食べ物ぞ!!!」
お姉ちゃんはいつでもこんな風にふざけて、周りの空気を作ってくれる。
まあ、今回は、アイスクリームがいらないくらい涼しくなったけど、、、これでいいのか?
「ほれ、アイスクリームじゃ!無論、コーンつきのなぁ!!!」
途中のコンビニで買ってきてくれたアイスクリーム、コンビニの袋で中は見えない。
「ありがと、、、」
中から出てきたのは、、、私の大好きなソフトクリームだ!しかもバニラとチョコレートがクルクル回転してるやつ!!!
まっ、まぁ、まずは一口、、、
「んっ、んん~おいし~」
アイスはフワフワで口の中に恵みをもたらしている。
バニラとチョコは静かに絡み合い、おいしさを増している。
「ぶっ、ははぁっ、、あられってホント可愛いよね~」
「おねぇ!恥ずかしいから大きな声でそんなこと言わないでよぉ~」
「ごめんごめん(汗)、でも可愛いって思ってるのは本当だよ♪」
そんなことはないと思った。私は根暗だし伸長もそんなに高くない。
第一、お姉ちゃんの方がスタイルもいいし顔も控えめに言ってモデルぐらいある。
「おやぁ、疑ってますなぁ?でも兄とか姉とかになるとね、年下の家族のことをついつい可愛く思えちゃうもんなんだよね」
”そうなんだ!”とはならない。この気持ちは私にはまだ早いのかもしれない。