表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

 最初は天国だと思っていた高校も世間で夏休みになるころには退屈になっていた。代り映えのない日常、ほとんど見てしまった”ネトフラ”のアニメの数々、似たものばっかのソシャゲ、明らかに足りないのだ。いや、足りなくなってしまったのだ。刺激が、興奮が、期待が、、、高校受験真っ只中のあの時と比べて明らかに意欲が薄れていくのをより明確に感じる。

 思えばあの時は死ぬ気で努力した。今まで特に何も考えずに過ごしていた昔の私には”死ぬ気で努力した”という出来事はまさに革命的というほかなかった。なんとなく友達と同じ部活に入って、なんとなく流行りの音楽を聴いて、なんとなく過ごして、、お姉ちゃんとは大違いだ。なんでもできる姉はいつも、、、


「映画見にいこー!」


部屋の外から天真爛漫な声とともに扉が開く。


「おねー、扉開けるときはノックして!!!」


そんなことは言いつつも、お姉ちゃんと話す時間イコール唯一の話す機会ってのもあって少し嬉しい自分がいる。


「えぇ↓、いぃ↓、がぁ↑、見ない?」


「急に?」


「いいじゃん、どうせ暇でしょ?、おや?それともなにかぁやることでもあるんですかぁ?」


「そりゃぁ、、、無いけど、、、」


「よっしゃー!決まりで、準備しといて」


「えっ、今から?」


「よく言うじゃん、”急がば回れ”って!」


使い方をバキバキに間違えているのに彼女は得意げな顔をしている。何にせよ私は映画を見に行くことになった。それも半ば強制的に。暇だったからいいけどさ、、、。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ