卒業と入学
《不合格通知》
入学試験におきまして、、、
その時、私の世界からねっとりと色が褪せていくのをただ見つめていた。あの時の背筋が凍る感覚を今も鮮明に覚えている。でも不思議なことにその後の記憶は曖昧で、誰かに蓋をされているみたいだった。その蓋をしている誰かって言うのが私自身なのだということを、たぶん、みんなは知っている。
中学卒業後、私は通信制の高校に行くことになった。普段から世間体を気にしている両親が通信制の高校を併願校に選ぶことに関して反対しなかったことは私にとって意外だった。私が勉強ができない落ちこぼれだったからか、それとも私がコミュ力皆無の「生粋の陰キャピーポー」だと理解していたのか、あるいはその両方か、なんにせよ私の選択を受け入れてくれた両親には多少なりとも感謝しなくてはならないのだろう。
入学した当初は通信制の高校を天国だと錯覚した。ほとんど自由に生活できた。束縛される時間なんてごくわずかだし、スマホやテレビ、趣味などとやりたいことに手を付けるハードルが以上に低かった。おかげで”ネトフラ”でいろいろな作品を見続けた週もあれば、ソシャゲを転々とする週もあった。この生活を続けると親から何か言われると思ったが何も言われなかった。失望されたのではないかと思った。いや、もともとされていたのかもしれない。通信の高校を併願校に選んだ時にはたぶんもう、、、