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7話 スニーカーショップ
スニーカーショップの前。
「春…入ろっか」
優は私を見つめる。
まるでスニーカーを見つめるように。
「…うん」
ただの優なのに何か特別な気がする。
スニーカーショップの中は限定モデルでいっぱい。
(やっぱりスニーカーがいいな。)
女性の店員さんがこっちを見る。
「いらっしゃいませ〜」
元気な声が響く。
また店員さんが話す。
「何かお探しでしょうか~?」
「見てるだけです…」
私は静かに答える。
店員さんは、優を見る。
「あれ、もしかして橘さんですか?」
橘とは優の苗字。
(なんで優の事知ってるの…)
優が軽く返事をする。
「まぁ…はい…」
店員さんが私の方を見る。
「こちらへどうぞ〜」
店の奥にある部屋、特別な人しか入れないつまりVIP専用の部屋。
もちろん私はそんなに買うお金はない。
「私には入る資格ないよ…」
ポロッと口に出てしまった。
「…春が居ないと…意味がない…」
「え…」
優は私を見つめていた。