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4話 優からのプレゼント
いつもの通学路。
「春…おはよ」
いつもの聞き慣れた声が聞こえる。
声の正体は優だ。
「おはよう」
体はいつものままだけど心臓がいつもより激しい。
「春…スニーカー履いてないんだな…」
優はどこか悲しそうだった。
そりゃあそうだ、私のために幻のスニーカーをくれたのに。
「別にいいじゃん、バカ…」
…言ってしまった。
こんな事言いたくなかったのに…どうして言ってしまったんだろう。
考えているとあっという間に学校に着いた。
「春…先行ってるぞ…」
優の顔は汚れたスニーカーのようだった。