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3話 幻のスニーカー
あの日、優がスニーカーをくれたあの日、その日は少し変だった。
優から貰ったスニーカー、いつも自分で買うとドキドキするけど、
それとはまた違うドキドキ。
優から、スニーカーを貰うなんて滅多に無い。
私は棚に飾った。
履いたほうがいいのかもしれない、でも優から貰った大切なものだから…
あの日から毎日貰ったスニーカーを見ている。
(いつもだったら普通に履いてるのにな…)
私はいつものスニーカーを手に取る。
優から貰ったスニーカーを履きたいけれど、履けない。
何か申し訳ない気がして、
重い玄関の扉を開けた。