9 新生活
始業式が終わり、俺は帰路についていた。これから、俺の新しい生活が始まる。まだ、新学期が始まってまだ間もないが、今年も一年早いだろう。
「ただいま〜」
「あっ、おかえり〜!お昼ご飯できてるよ、早く手を洗ってきてね」
「は〜い」
帰ったら、智華さんが出迎えてくれた。やっぱり、新婚生活っていいね!
「はい、おまたせ」
「美味しそう」
智華さんはオムライスを作って待っていてくれた。オムライスの真ん中にはケチャップでハートが書かれていた。
「こ、これって…」
「そう、ケチャップでハートを書いてみたの、嫌だった?」
「ううん、嫌じゃないよ、ただ、愛されてるな〜って」
「そ、そう…?良かった…、けど恥ずかしい…」
うん、俺の妻は今日もかわいい。
「それで担任の先生って誰になったの?」
「えっと、山根だったけ?」
「あ〜山根先生なんだ、あの先生はいい人だよ優しいし、授業もわかりやすい」
「そうなんだ」
始業式のことの関して色々聞かれた、先生のことやクラスメイトのことなどを聞かれた。
「そういえば、智華さんはどうする?」
「どうするって?」
「受験のこととかだよ、取り消されたとは言え受けたいでしょ」
「それは、そうだけど受験料とかってどうするの?」
「それは、俺が出すよ」
「えっ、そ、それは本当に申し訳ないよ」
「いや、それも工面して結婚したんだよ」
「で、でも…」
「家族を養うのは一家の大黒柱ってね」
「いや、でも」
「それでも、嫌だって言うなら…」
「なら、麗杜君に甘えさせてもらうね」
「うん、勉強頑張ってね、勉強が大変なときは俺も家事をやるから」
「でも、君も今年受験生でしょ」
「大丈夫、俺は社長をやってるし、大学はいかずに会社に専念するつもりだよ」
「じゃあ麗杜君に甘えさせてもらうね」
「うん、ありがとう」
そうして、智華さんの受験生活はまた始まることになった。去年受けた大学を志望し、家事の合間に受験勉強をするようだ。
俺も頑張って、会社の業績をあげないとな…
「お互いに頑張ろうね」
「うん!」
お互いに切磋琢磨していく。