5 正体
智華さんの家に行った日から数日経った。智華さんは、あのあとから心配するものがなくなったので、心置きなく暮らせるようになったと言う。
とある夕ご飯を食べているときでの話。
「そういえば、麗杜君って2年間同じ物でさ、お話もいっぱいしたけど君の親のこと海外にいることしか知らないけど…」
「あぁ、確かに言ってないですね、聞きたいですか?俺のこと」
「そうだね、私達は結婚するんだし、麗杜君の両親のこととかを聞いておきたいなって」
確かに言うとおりだ。結婚生活が長く続くためには夫婦間で隠し事をしないことということを聞いたことがある。
「そうですね、まず両親のことから話しますね」
俺は水を飲み、一呼吸置いてから話し始めた。
「俺の両親は、海外の大企業で働いているんですけど…企業名はですねBUREっていう企業ですけど知ってます?」
「そ、それって…スマホとかパソコンとかを作っている企業だよね」
「はい、そこで父さんは社長をしているんです」
「は?」
智華さんは唖然としていた。
「で、母さんのことなんですけど」
「待って!待って!ちょ!ちょっと!聞いてたけど、全然話が見えてこないんだけど」
「えっと、BUREは俺の父さんが創設して、今の時代は世界中で使われる物となっているんですが…最初、聞いたときは耳を疑いましたよ」
「だ、だよね〜」
「で、母さんと父さんは2人で一緒に海外で働いているんですけど…母さんも社長してるんですよね」
「ま、また…大企業だったり…?」
「まぁ、そうかもしれませんねMIKAMIって言う会社です」
「……」
今度は黙り込んでしまった。MIKAMIという会社は自動車製造をしている日本の企業で海外の支部の社長をやっている。そもそも、MIKAMIの創業者は母さんの父つまりは俺のじいちゃんが創業者なのでそれもあって海外の支部で社長をしている。
「本当に、漫画にでてきそうな人ね」
「まぁ、俺も社長ですけどね」
「ふぁ?」
度肝を抜かれた智華さんは驚きすぎて硬直してしまった。
「俺が社長をしている会社は大きくない会社なので知名度はないですけど」
「いやいや!社長であって当然みたいになってるけど全然普通じゃないからね!?」
「まあ、いつか俺の両親に挨拶に行きましょう。」
「そうだね、まだ付き合ってる段階だからね」
「両親は忙しいので、まだ挨拶に行けないですけど…連絡して、都合が合えば行きましょう。」
「うん!」
こうして、俺たちの仲は更に深まった。
話が変な方向に行きそうなので軌道修正をしながら次の話は物語に入り込めるように書きたいと思います。