43 不穏 前編
花火大会から数日経ったある日のことだった。俺達は変わらずに過ごしていたのだが、突然、智華さんの様子がおかしくなったような気がする。その様子は何かに怯えているような感じだ。
「智華さん…どうしたの?」
「う、ううん…!な、なんでもないよ…!」
しかも、こういうふうに気にかけてもどうしてもはぐらかされてしまう。一体、どうしたものかと考えてしまう。
これは、俺で動いて智華さんに何が起きたのか調べるか…。
翌日
「知華さん…出かけてるよ」
「うん、わかったよ、いってらっしゃい!」
そうして、俺は朝に家を出てツテがある場所に向かう。
「久しぶりだな…すまない、忙しい時に」
「いやいや、旦那の息子の頼みなら答えなくちゃね…」
この身長がだいたい180センチほどの大柄で銀髪、黒のトレンチコートをきた偉丈夫は俺が智華さんを知華さんの父から離した時に実はこの人にお世話になっていた。
「で、今日ここに来たのは何かあってだろう?」
「流石、鋭い…実は妻が最近様子が変でまたあの男が智華さんをあの家に戻そうとしているのかと、思ってな…」
「あぁ…、旦那の言うとおりだよ、電話番号は伝えてなくて、知らなかったと思うのだが、いつの間にか…な」
「なるほど、ありがとう…」
これで、最近の智華さんの様子がおかしかった原因が分かった。
ちなみに、先ほどの人は俺の父がずっと頼りにしている何でも屋の仁さんだ。
そうして、その足で家に帰り、知華さんに話す。
「ただいま」
「おかえりなさい!」
「ねぇ、智華さん…」
「ん?何?」
「話したいことがあるからさ、ちょっとダイニングの椅子に座って待ってて」
「うん…わかったよ」
そうして、手洗いうがいをしてダイニングに行き、椅子に座る。
「智華さんさ、俺に隠してることあるよね」
ビクッと智華さんの体が揺れた。
「その反応、何か隠してるよね、言ってみて、夫婦に隠し事は無しだよ」
「う、うん…もう、バレてるんだね…」
そうして、智華さんはぽつぽつと話し始めた。
「突然ね、お父さんから連絡が来たの。それは、メッセージも何もかも遮断しているのに…『もう一度、家に帰ってこい』と…」
「縁を切ったはずなのにね、どうしてまたこんなふうにメッセージが来たのだろう。麗杜君が誓約書を書かせたって聞いたけど、それを破ってその人は連絡してきた。」
「理由はわかった。何で、もうちょっと早く相談してくれなかったの?」
「だって、言い辛いだもん…麗杜君に助けてもらって…いつもお世話になって、拾ってくれて…それなのに…私は君に何にも返せてない…」
そう言っている智華さんの頬を涙がつたう。
「そうだよね…ごめん…、智華さんの気も考えないで…」
「うん…私こそ、ごめんね……。麗杜君が私のことを…思ってくれていたのに私は…心配をかけないようにして言え…なかった…」
そうして、俺は智華さんを抱き締める。
「ごめん…智華さん…俺が早めに気付ければ…良かった…。」
俺も気付けば涙が流れていた。
「ううん、麗杜君のせいじゃないよ…私が相談できなかったから…」
そうして、ふたりして泣いた。俺は心にあることを誓った。"あの男に地獄を見せる"と…。
ここから、少しラブコメ要素がなくなります。
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