4 話し合い
智華さんの買い物から数日が経った。智華さんは、俺が買った量に最初は驚いてはいたが使ってくれているので良かったと思っている。
それはさておき、智華さんの環境をまずはどうにかしなければならない。智華さんのご両親は話に聞くと智華さんのことを金づるとしか思ってなく、稼がせるために大学受験を受けたが、合格を取り消されたようだ。ちなみに、智華さんは部活がない日はバイトを掛け持ちしながらお金を家に入れてたらしい。俺は、その話を聞いて先輩の置かれている境遇を初めて知ったと同時に先輩が疲れているのに何もできなかったことに申し訳なさその他色々な感情が湧いてきて言葉を失った。
そうして、俺は智華さんの実家へ行き、話をつける。そう決め、彼女に話した。智華さんは話したとき戸惑っていて、その中に不安も混じっていた。
「ありがとう、麗杜君、お父さんたちは話が通じるような人たちじゃないから、気をつけてね」
「はい、わかりました。言ってきます。」
どうして、彼女を連れて行かないかと言うと、これは彼女の意思でもあるからだ。彼女はもう、両親とは会いたくないらしい。それはそうだろう。家出をしたほどもう、疲れていたのだろう。だから、俺一人で彼女の家へ行くことになった。
(智華さんの両親は…いや、考えないでおこう)
俺は彼女の家に着き、インターホンを鳴らす。
「は〜い」
インターホン越しに聞こえたのは男の声だった。この人が、智華さんのお父さんなのだろう。
「あの、智華さんを保護している者ですけど…」
「ちっ、今、開けます。」
舌打ちをし、鍵が開いた音がすると嫌々そうに、俺を見る。
「何ですか?早くしてくれます?」
「彼女の件で少しお話があるのですが…」
「あいつは、金なんかを入れてくれないで働かず大学に行く最低な親不孝者だ。あいつにいちいち構うんじゃねぇ」
こいつは、腐ってやがる。湧き出る怒りを抑え込みながら話す。
「では、俺から話があります。」
「ああ?できるだけ早くな」
「ありがとうございます。では、まずこちらの紙から説明します。」
俺が出した紙は絶縁に必要な書類等だ。
「こちらの書類は貴方がたと智華さんの縁を切るための書類です。」
「縁を切るだ?そんなもんは認めねぇよ」
「いえ、縁を切ると言っても、戸籍上で、ですけどね、相続などのことですね」
「どうやって、戸籍上で縁を切るんだよ」
「それは、結婚です」
「は、はぁ?何いってんだ?いくつだよ」
「俺は、まだ17ですけど」
「結婚できねぇじゃねーのかよ」
「何を言うんです。俺の誕生日は4月2日です。」
そう、結婚だ。この話を智華さんに話したとき、彼女はかなり驚いていた。と、いうよりかはこの状況で驚かない人などいるのだろうか。
「断固として拒否する。」
こう言われていることは想定済みだ。
「だと、思いましたのでこちらを…」
俺が次に出したものはリュックサックだ。
「なんだ?ただのリュクじゃねーか」
「こちらを…」
リュックのファスナーを開けるとそれは…お金だ。100万どころではない。1000万だ。
「か、金?しかも、たくさんこんな金どこから?」
「それは、俺の会社からですね」
「は?どういうことだよ」
実は、俺は会社の社長でもあるのだ。一応、稼いでいるのでこれくらいのお金は出せる。
「それと、こちらを…」
俺が、更に出したのは誓約書だった。
「こちらにサインを…」
「ああ、わかった。」
智華さんのお父さんは二つ返事で返し、俺の出した誓約書には、二度と彼女には近づかないこと、それの契約金として1000万円を渡すこと。これを見ずにサインを書いてしまったからにはいいのだろうか。
「これでいいですね、では俺は帰ります。」
「ああ」
金が入って上機嫌なお父さんを置いてい俺は帰った。
そうして、家に帰り今日会った出来事を智華さんに伝えた。
「そう、良かった、これであの人達も近づいて来なくなるかな?」
「えぇ、そうですね、こないと思います。」
「良かった〜」
「…!あ、あと、一つ聞いていい?」
「はい、どうぞ」
智華さんは深呼吸して、言う。
「私と、結婚しても、いいの?」
赤面しながら、そう言った。
「……!そ、それは…お、俺は智華さんのことが好きです」
「私も好きだよ、だから、結婚して」
「はい、でも俺が18歳になるまで少しの間待っててください。」
「はい」
こうして、俺は大好きな人と結婚することになった。いきなり飛びすぎた気がするがいいだろう。
なんか、書いててこのままだとすぐに終わりそうな気配が…終わらせないように頑張ります!