17 女の戦い(話し合い) 沙莉Side
私は、先日見ず知らずの女性と口論をした。そこには麗杜先輩の姿もあった。実は私は麗杜先輩に好意を寄せていた。だけど、私はあの場でほぼ公開告白をしたような感じだ。
「なんで、麗杜先輩はあの人と仲良さそうだったんだろう…」
私は風呂に入りながら考える。麗杜先輩の彼女?いや、もしくは…う〜ん?
「沙莉〜、あなたいつまで入っているつもりなの〜!」
お母さんの声が聞こえたときにはっっとして風呂から出た。そして、私はのぼせた。
次の日、私は先日は口論をした智華さんという方と改めて話し合うことになった。智華さんはまだどういう人かもわからない。実際に会って話さないとわからずに険悪な雰囲気のまま過ごさなければならない。それは嫌だったのもありつつ、智華さんから誘われたものだ。
そうして、私は2時間早く家を出た。歩く速度はいつもよりは遅く感じている。まだ、どんな人かわからない。今のうちに本心をむき出しにしているとまた、口論になってしまうだろう。だから、冷たくあしらおう。
そうして、早く着いて待っているとそのすぐ後に智華さんが来た。
「お、お待たせ…したよね?」
「いえ、そこまで待っていませんよ」
私は素っ気なく返す。けど、会話は続いた。
「う、うん…そ、そっか…」
「それで、さっそく本題に入るんですけど、智華さんと麗杜先輩の関係ってどういう関係なんですか?」
そうして、私は本題を切り出した。
「そ、それは…ね、他の人には黙っててほしいんだけど」
智華さんの話を聞いた私は、驚きの感情が爆発し、それと同時に彼女への申し訳なさが溢れ出てきて私は謝っていた。
「ううん、気にしないで沙莉ちゃんも私達の事情を知らなかった訳だし…」
「で、でも…先日の数々のご無礼を謝りたかったので…」
本当は智華さんは優しい人だった。それに、私のほうがかなり性格が悪いな……。
「そういうことなら…、それで沙莉ちゃん。麗杜君のどこが好きになったの?」
不意に、智華さんがこんなことを聞いてきた。でも、やはり同じく麗杜先輩が好きな者同士なのですぐに話せた。
「そうですね…やっぱり…」
こうして、私達の蟠りはなくなった。私達は友だちになったと思う。ここまで、口論した相手がまさか話が合う友だちになるとは思いもしなかった。しかし、何でも肯定してくれる智華さんはお姉さんのように感じた。
気づけば、時間がかなり経っており智華さんと話した時間は一瞬に感じた。
また、智華さんと会って話したい。そう思えるような人だった。