第九話 現実での生活
初めての現実世界編
ログアウトして風呂に入って歯磨きをして就寝。
明日は1限から講義なのでさっさと寝よう。
朝起きて電車に乗り大学に向かう。
朝の電車は通勤する人がたくさん居るのでとても面倒だが仕方ない。
大学についたので講義室に向かう途中、IABの話が聴こえてくる...が、あの世界では俺は女性なので気軽に話に混ざることができないのが難点。
まぁ自分で選んだことだから今更だけど。
講義室内ではすでに10人ぐらいが席についていろいろなことをやっている。
スマホを見たりレポートをやったりいろいろ。
俺も適当に選んだ席に座ってスマホを取り出す。
ブラウザを立ち上げてIABの掲示板を見る...なんかやばいスレがあったけど...まぁいいか。
いろいろ見てみたけど半身はレベル5になったときにいろいろ決めれるらしい。
キャラクリの時に選んだ種類から今のところ変更できないけど例えば獣型の猫なら三毛猫とかぶちとか模様の種類を選べたり
目の色を選んだり大きさと性別を決めれるらしい。
魚の場合は情報が出てないからわからないけどまぁ魚の種類を選んだりできるんだろう。
他には俺が持ってないスキルなんかを語ってるスレがあるな。
このスレじゃ俺が取得できなかった精霊術を取得しようとしてた人が居たけど結局取得できなかったみたいだな。
まぁ魔法使いで最低レベル10必要だから今すぐは無理だろうねぇ。
そんなことを考えていると。
「よう、兄弟!元気そうだな!」
とても大学生が出せそうな声じゃ無い声で話しかけてくる角刈りピアスタトゥーの男。
そいつの名前は亜子腹 巧。
亜子腹組の若頭だ。
なぜそんな男に兄弟と呼ばれてるのかは去年の入学式まで遡る...
去年の入学式は特に問題なく進んでいた。問題だったのは放課後だった。
放課後にたまたま亜子腹と1人の女性が路地裏に入っていくのを見かけて、亜子腹の容姿から少し不安があった俺はバレない様についていった。路地裏の先には少しだけの空間があった。
その場では2人の話し声が聞こえたので聞き耳を立てていた。
「よう隣戸。オメェいつになったらテメェの親父の借金、返してくれんだぁ?」
「ひっ。も、もう少しだけ待って下さい!あと少し、あと少しで良いんです!」
「あぁ?オメェ1週間前も同じこと言ってたよなぁ?あと少しっていつだ?1週間後か?2週間後か?オメェ今迄はそれで凌げたかも知れねぇが今度はそうはいかねぇぞ?」
亜子腹はそう言うと女性(聞いた感じ隣戸さん)を壁に押し当てて顔を近づけた。
「オメェは体は貧相だが顔は悪くねぇ。オメェさんなら女の稼ぎ方も出来るだろう?」
「い、いや!離して!」
「暴れても無駄さ。だぁーれも来ないゼェここにはなぁ!」
ここまで聞いて帰るのは流石に薄情だと思い、勇気を出して飛び出した。
「や、やめろ!彼女を離せ!」
「あぁん?テメェなにもんだ?どうやって入ってきた」
「え?普通に入れたし後を追えたけど...」
「...あとで〆る。で?テメェはなにもんだ?」
「俺は...ただの通りすがりだけど...」
「ただの通りすがりがなんのようだ?まさか助けに来たわけじゃ無いよなぁ?」
「え?助けに来たけど...」
「は?オマエ、こいつと面識あるのか?」
「いやないけど」
「じゃあ何故だ?」
「え?なんか可哀想だったから」
「はっ!今時そんな理由で助けるヤツがいるとはなぁ。面白い。
じゃあお前がこいつの親父の借金を肩代わりするなら助けてやるぜぇ?」
「いくら?金額によってはちょっと時間掛かるけど」
「金じゃねぇ...いや、ある意味金か?」
「?どう言うこと?」
「こいつがオレらから借りてるのはとあるゲームの通貨だ」
「ゲームの通貨?なんで?」
「そのゲームは今でも珍しいゲーム内通貨が現実の金に換金できるゲームだ。そしてこいつはオレらから1000万円に近い額を借りて...今に至る。まぁ借りたのはコイツじゃ無くてコイツの親父だがなぁ」
「なるほどねー。そのゲームって?」
「unbalanced・creation・dungeonsって言うゲームだ」
「ああ、それならやったことある。自分でダンジョン作ったり他の人のダンジョンを攻略したりするゲームでしょ?」
「ああ。そのゲームでコイツの親父はそこそこ有名でだいぶ稼いでいた。だがある時を境に全く攻略出来なくなったらしい。
それで、どうやらコイツの親父はそれで生計を立ててたみたいでなぁ。首が回らなくなって借りてきたわけよ」
「へぇ〜。で、どのくらい借りてるの?1000万相当ってことは10万リオンぐらい?」
「そうだな、そんくらいだ」
「じゃ、ちょっと失礼っと」
そう言って俺はスマホを弄る。
「はい、じゃあどこに送れば良い?」
「あ、ああ。じゃあここに」
「おっけー。これでいい?」
「ああ、ちょっとまて...確認した。確かに振り込まれてるな」
「よし、じゃあ解決だな。その子を離してあげて」
「わかってるよ。よかったなぁこの優しぃ人に助けてもらってなぁ。しっかり感謝しとけよ?」
「は、はい!ありがとうございます!」
隣戸さんはそう言うと走り去っていった。
「じゃあ俺もこのあたりで...」
「まぁまて。あのゲームで10万も軽く出せるヤツはそういねぇ。ここはお近づきの印に酒でも飲もうじゃぁねぇか」
「まだ19だよ。飲めねぇよ」
「あぁ?じゃあ仕方ねぇ甘酒でも飲みに行くか」
「いやそれ正月に飲むもんじゃぁ」
「気にすんな!ほら行くぞ!」
そうやって近くの居酒屋に連れられ何故かあった甘酒を一緒に飲んだ。
そのような出会いから今まで腐れ縁が続いている(腐れ縁と言っても1年)。
ちなみに借金の返済をしてた隣戸さんは今はアメリカへ留学中だ。彼女結構頭良かったらしい。
そしていつの間にか俺らは兄弟と呼び合うようになった。
そんな亜子腹は隣に座ってスマホを取り出した。
「ンデ?兄弟が絶対買うって言ってたブツはどんな感じだ?」
「ああ結構、いやだいぶハマったよ。帰ったらまたやる予定」
「ほぉ。そりゃ相当気に入ってんな。で、実はチョット話があるんだがぁ」
「ん?なに?」
「実は兄弟がトテモ押してくるからオレも買ったわけよ。IABをな」
「マジ?」
「マジもマジよ。で、せっかくだから兄弟とやろうかなーっと」
「うーん...まぁ良いけど...他には話さないでくれよ?」
「ああ良いぜ。オレらの仲だろう?」
「じつは...」
俺は亜子腹にことの顛末と現状を話した。
「くくくっ、兄弟は相変わらず面白い事やってるなぁ。面白い、じゃああっちじゃぁ兄妹だな」
「...あっちでもその呼び名は変わらないんだな」
「当たりメェだろ。で、どこで合流する?」
「普通にギルドとか東西南北どこかの門でいいだろう」
「じゃあ現実の時間で13時に西門でいいか?」
「ああ、問題ない」
「うし、じゃぁそれまでせいぜい勉学に励むとしますか」
「そうだな」
尚実態は過去話の模様




