「65」 そして僕は、ニートの小説を書きだす ④
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少年Aと出会って1ヶ月が過ぎた。
僕は新しく出来た、若い友達のことを考えた。
彼は、昔の僕のようなニートをしている。
ただ楽しいからと遊ぶだけの毎日、
これから続く長い人生においてそれは不味い。
大人になると、仕事をするのが常識だ。
基本である。
勉強してないと出来る仕事は限られてしまう。
中卒で弟子入りして始める仕事も、
そこで勉強することになる。
それは、学校に行き勉強するのと同じことなんだよ。
学校に行き、人間関係を学ぶのも大切だ。
自分が会社に入った時、どうやって人と
付き合うのかの勉強になる。
人付き合いの煩わしさもある。
そこを調整して生きるのも大切だ。
どうやって、自分の居場所を作るのか。
人間関係を作るとは、そういうことだ。
自分の狭い世界にいると、勘違いしてしまう。
自分の世界が、ゲームとアニメとマンガというのは
かなり偏ってしまう。
自分はこの世界で何をしたいのか?
僕はいろいろ思考を巡らせた。
特別な才能を持つ人間は少ない。
なら、まずは普通に生きてそこから幸せを探すべきだ。
僕は、少年Aに人生の先輩として何を話せはいいのだろう?
今から、高校に戻っても大変なだけだ。
僕のように、高校卒業程度認定(旧大検)を取るように、
アドバイスしようか。
体力作りも大切だしな。
大学に行きたいのか? やりたい仕事があるのか?
それをヒアリングする必要もあるだろう。
ニートをこじらすのは不味い。
僕は考えだした。
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