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転生竜と賢者の石な少年  作者: ツワ木とろ
第1章
7/120

【6】旅道中


 森を抜けて3日目で道に出た。

 車輪幅だけ草が生えてない程度の道だけれど、大きな石とか踏まなくなった分いくらか乗り心地が良くなってる。

 ルーシもだいぶ打ち解けて来て、気になった物があれば自ら質問する様にはなったんだけど、ずっと馬車に乗ってるだけだから新しい発見も減っちゃったのよね。


「文字って知ってる?」


 リネットはホント良くしてくれてる。

 飽きさせない様になのか、いいタイミングで新しい事織り込んで来た。

 たぶん、ルーシはずっと外眺めてるだけでも飽きないと思うけど、お勉強タイムとか前にアタシが断念した事だから助かるわ。

 今なら心が繋がってるから上手く教えられる様になったかもだけど、念話ばりに思いを伝えるのってスッゴく疲れるのよ。

 慣れなのかもだから寝る前に練習してるんだけど、勉強教えられる程、長く詳しくってのはまだ無理ね。


「もじ?」

「そう、こんなの」


 リネットは事前に軽石拾っといたみたいで、床に文字を書いて見せた。


「前にナナチャがやってた」

「え?」

   あ、これまずいかも

「ナナチャがおんなじのやってた」

「文字を書いてたの?ナナチャが」

   「言っちゃダメ!」


 ルーシはリネットの質問に答えず、アタシを見た。


「床で爪研ぎしてたんじゃないの? その子賢いけどさすがに文字は書かないでしょ」


 ヴィオラが割り込む。

 ナイス。それで行こう。

 アタシは床に爪を立てて見せた。

 リネットとニコラが床の傷を見てる。


「兎? だから穴掘ってるのかしら」

「確かに文字に見えなくもないわね」

「床に穴が開いちゃうから外に降りた時にするように伝えてくれる?」


 なんとか誤魔化せたわね。

 今晩は念話頑張ってルーシとじっくり話した方がいいわね。




「すごいわルーシ」


 ルーシの覚えの良さは異常だわ。

 文字はすぐ書ける様になるし、リネット達が指差したり、手に取ったりする物をお題にして、それらの名前を口にしてから文字を書く。『雲』とか『靴』とか。

 カラカラのスポンジが水吸う見たいに覚えてくから、2日もしないで身の回りの物は書ける様になっちゃうんじゃないかしら。


 晩ご飯時、リネットがルーシの頭の良さを雄弁に語ってた。

 みんな感心してるけど、リネット程熱心でないのは、彼が初めて教わってるんじゃなくて、昔教わってた事を忘れちゃってるんじゃないかと思ってる見たいな節がある。

 その方が好都合よね。


 ルーシが毛布被ったので、寝ちゃう前に念話する。

 昼間強く念じたお陰でパイプが太くなったのか、楽に多くの事を伝えられる様になった気がする。


   「アタシ達ってスゴく変なの。だから今まであそこに閉じ込められてたのね。だからそれが知られちゃうとまた閉じ込めらちゃう。それも今度は別々にだと思う。そしたら、一生会えなくなっちゃうわ。そんなの嫌でしよ?」

   「うん」

   「だから、いくらリネット達が優しくて、味方になってくれそうでも黙っておきましょ」

   「わかった」


 ちゃんと伝わった見たい。

 ってかルーシ自身も血が異常なのは分かってた見たいで話が早かったわ。

  これからも一緒に居ようね。おやすみ。

 

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