七海はいじめで男性不信になった
手酷い裏切りに会って全てを失った中谷公平に、かつての指導係の清野先輩が声をかけてくれ、清野先輩の家で暮らすことに。仕事も清野先輩の立ち上げた会社で雇って貰えることに。清野先輩の家には中三の娘がいて、いじめで不登校になっていた。
俺中谷公平は、今同僚の粕谷英知の悪どいやり方で、嫁も、家も、職も奪われた。
俺の勤めてた支店は、田舎と言うこともあり、粕谷一族の支配する支社となっており、会社自体、他者を排除するやり方で、機能不全に陥っていた。
幸いな事に、俺の指導をしてくれた先輩の、清野浩一先輩に、ホームレス状態の俺を、自宅に招いてくれ、清野先輩が、粕谷一族に不満を持っている仲間を集めて、同業種の会社を立ち上げていたのだが、俺を会社に招き入れてくれた。
先輩は、
「きちんと生活基盤が出来るまで居てくれて構わない。」と言ってくれました。
先輩の家には、中学三年生の七海ちゃんというお嬢さんが引きこもっていた。
学校で、酷いいじめに遭い、男性不信なのだという。
俺も妻を粕谷英知に寝取られて、やはり女性不信になっていた。
先輩は、「良かったら、七海の勉強を見てくれないか?」と依頼された。
確かに、受験生だからね、俺もお世話になってる先輩一家のお願いだから、協力しようと思い承諾したよ。
それと家庭教師をするにあたって、先輩に要望を出した。勉強を教えるのは、リビングのみで、絶対二人きりにならない配慮をお願いした。
これは、俺だけではなく、年頃なのに、いじめで男性不信になってしまった七海ちゃんを慮っての事だ。
初めのうちは、二人とも緊張していたが、2ヶ月しないうちに、大分打ち解けてきた。
七海ちゃんは、思った以上に頭が良かった。
話を聞くと、七海ちゃんのクラスに、芥川啓というイケメンがいるらしいが、そいつが、七海ちゃんに告白してきたが、チャラ男だったので、断ったら、啓の取り巻き連中をけしかけてきて、いじめが始まったらしい。
さすがにレイプはなかったが、クラスの男に、「啓の誘いを断るとは、とんだビッチらしいな。俺らに胸揉ませろや!」と追いかけられたらしい。イケメンだかなんだか知らんが、流石にやり過ぎだと思った。
担任も、啓の親が市議会議員だかなんかで、手出し出来ないらしい。
「清野、すまん」と謝られたらしい。
完全にアウェイなので、不登校になったとのことだ。
先輩は、話を聞くと、「中学校には留年はないから、家にいなさい。七海が大切だから…」と言われたらしい。
そんなときに、転がりこんで来たのが、俺だったらしい。