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マリナの火魔法

 キャラクターを召喚するには、キャラクターの星の数だけ召喚コストを消費しなければならない。

 キャラクターはモンスターなどに殺されてキャラクターカードになってその場に残るか、召喚者またはキャラクター自身の意志で送還・帰還するか、一時間経過するまで召喚されたままだ。

 一時間経過してもそのキャラクターの星の数だけ召喚コストがあれば、その召喚コストを消費して召喚時間を一時間延長することもできる。

 しかし、召喚コストは一時間に1しか回復しないので、星一キャラクターを二体召喚した場合、一時間経つと召喚コストが1足りず、二体目に召喚したキャラクターは送還されてしまう。

 つまり、二体目の星一キャラクターを一時間召喚すると、その後は今まで通り星一キャラクターを一体だけしか召喚できなくなるというわけだ。

 だから、二体目のキャラクターを召喚する時機は、よく考える必要がある。

 先のようにゴブリンの集団に襲われる窮地に陥ったときに二体目のキャラクターを召喚できないという事態になってしまうと最悪だ。

 そんな事態を避けるため、ダンジョンを出る一時間前に二体目のキャラクターを召喚することにした。

 前の世界では存在しなかった魔法を見たいと思ったので、召喚するのは魔法使いのマリナに決めた。

 マリナは魔法使いのイメージカラーである黒色が似合っている少女だった。

 この世界に来る前に見慣れていた黒の髪と瞳は、たった数日見ていないだけで懐かしく感じる。

「……私はマリナ。……よろしく」

 白の裾以外は黒に染まっているローブを纏ったマリナが抑揚のない声で言った。

「ミストだ。こちらこそ、よろしく」

 ケビンとマリナが話している間にマリナのステータスを確認する。


――――――――――――――――――

 マリナ

 レア度 星1

 種族 人間

 職業 魔法使い

 レベル 1/10

 スキル 《火魔法Ⅰ》

   ・火魔法を使用できる

――――――――――――――――――


 マリナはモンスターを倒したことがないので、レベルは1のままだ。 

「火魔法で何ができる?」

「……まだ小さな火の球を飛ばすくらいしかできない。……でもゴブリン一体なら倒せるはず」

 ミストの質問にマリナが答えた。

「とりあえず、あの壁に向けてその魔法を使ってくれないか?」

 実戦でマリナを使うには、まずマリナの火魔法がどの程度の強さなのか、実際に見る必要があった。

「……わかった」

 マリナは木製の杖を目標に向けて集中する。

 そして、杖の先端付近に火球が生み出されると、その火球はダンジョンの壁に向かって飛んだ。

 火球が壁に衝突すると、小規模の爆炎が発生した。

 火球は壊れることがないと言われるダンジョンの壁に傷をつけることはできなかったが、確かにゴブリンを倒す威力はありそうだった。

(5秒で火球を生成し、1秒であの壁まで到達するのか……)

 ミストはマリナの火魔法を観察し、分析する。

「あの魔法は何回使えるんだ?」

「……十回が限界」

「杖の先に火球を作った後、飛ばさずに維持できるか?」

「……できる」

 マリナの火魔法について気になることを聞いたミストは、ゴブリンを倒す簡単な作戦を立てる。

「……ケビンがゴブリンを何匹かマリナの所に誘導するから、一番近いゴブリンに向かって火球を放ってくれ。そうすれば、ゴブリンが動揺しているうちに俺とケビンでゴブリンを片付ける」

「……わかった」

 マリナが頷いたのを見て、ミストはケビンにゴブリンをまずは二体連れてくるように指示を出した。


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