始まりの姿2
最初の話が思ったより長くなりそうです。
もう数話お付き合いください。
え?どちら様でしょうか?
鏡に写っていたのは全く見覚えのない美少女だった。いや、美少女ではなく美幼女と言っても過言ではないくらい小さい。
そう小さいのだ。
ダイエット成功の以前の問題でこれで明日会社に行くのか?なりすましより先に交番に届けられるかもしれない。
どーしよ。
身の振り方で悩んでいると急に部屋のドアが開いた。
「お嬢様ー!大丈夫ですかー?」
顔に汗を浮かべてドアを開けた女性。秋葉原にいそうなメイドっぽい服を着ていた。
メイドっぽい女性は私の所に駆け寄ってくると「お嬢様。まだお加減が良くないのでベッドに戻って下さい」
そう手を引いて私をベッドの方に促した。
言われるままベッドに入るとメイドっぽい女性は「旦那様に報告してまいります。お嬢様はベッドで待っていてくださいね。」と言って部屋を出た。
話を整理しよう。私がお嬢様?
酔っ払いの間違いじゃなくて?
ドッキリだったりする?
カメラ探さなくちゃ。
冷静になれ私。一般人の騙されてる姿なんて誰得なんだ。
じゃあ、この鏡に写っている美幼女は加工か。凄いな現代社会の技術は。
「お嬢様ー!旦那がいらっしゃいました。」
あーメイドさんが戻ってきたー
旦那様は仕掛け人かなー?
カメラはよこい。
「シャロ大丈夫か?」
旦那様(笑)が心配そうに顔を覗きこんで来る。
あれー?
もうそろそろネタバラシじゃないですかー?
「お嬢様、ベッドに戻ってください。身体が冷えてるじゃないですか。」
メイドさんがまた私をベッドに促す。
「シャロ。無理は良くない。しっかり休みなさい。」
旦那様(笑)が眉を下げ、私に布団を掛ける。
ん?なんかマジっぽい雰囲気を出してきたぞ。そろそろちゃんと言わなくては。
家に帰りたい。
「あの!ここどこですか?」