表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/30

第4話 盗賊発見

 この一週間、この森から出たいと思っていたが、出ようとすると、スライムの意にそぐわないらしく、頭痛がする。


 そのためひたすら、スライムのご機嫌取りをした。

 スライムの信頼を得ないと、自由に動くことができない。


 目覚めると、俺はナー・ザルを両肩と頭にのせて、適当なモンスターを探しにいく。

 今日は真っ黒な狼みたいな化け物がいたので、ナー・ザルに攻撃させ、しとめた。


 それを苦労して運び、スライムのそばに寝かせる。


 スライムをなでて起こす。

 スライムはすぐそばにある、黒い狼の死骸を体で覆い、食事を始める。


 またこのスライムは水浴びが好きらしい。

 俺はスライムと川に行き、そこの水でサブサブ洗ってやった。スライムは気持ちよさそうにしている。


 畜生!

 何で俺がこんなことをしないといけないんだよ! クソッ! クソッ! クソッ! クソッ! おかしいだろうが!


 それにさ、毎日食べ物をあげてるせいか、このスライム、ちょっと太ったんだよなあ。むかつくなあ。

 まるでぐうたらな中年親父じゃねえかよ。奴隷じゃなくなったら、絶対蹴りいれてやるからな。

 腹立つわぁ。


 俺は川から上がったスライムを、モンスターから奪った白い布で、拭いてやった。スライムは気持ちよさそうにしている。

 ビンタしてやろうか、と思って、手を上げようとしたら頭痛。クッ! なんたる屈辱!


 俺はナー・ザルを肩と頭にのせ、象ほどの大きさの狼・アカに乗って、移動を始めた。


 スライムは、当然のように、俺の前にデンと座っている。


「なあ、スライムさん、そろそろ森を出て、人間のいる町に行きませんか? きっと、おいしいものが一杯ありますよ?」

 俺はまっすぐ進もうとする。

 森を出たいのだ。


 頭痛がする。

 スライムは森から出る気はないらしい。

 この森には人間がまったく来ない。このままじゃあ、スライムの奴隷として、青春を過ごす羽目になる。そんなのごめんだ。


 俺は目を見開いた。

 衝撃を受けた。

 なんと、人間の死体があった。


「スライムさん、死骸です。死骸好きでしょ? だから降りて、調べますよ」


 俺はアカの背中から降りて、その男性の死体を調べる。

 粗末なこげ茶色の服を着ている。三十前半、人相はよくない。


「うぅ」

 男がうめき声を漏らした。

 生きてる!


 これはいろいろな意味でチャンスだ。


「奴隷化!」


 男の下に、紫色の星が現れた。


名前:ソコン

HP    :5/90

攻撃力  :90

守備力  :30

魔法攻撃力:10

魔法防御力:50

スキル  :かぎ開けLv1 強奪Lv1

状態   :瀕死


 どうやら盗賊らしいな。

 なんでこんなところに? 町で盗みをして逃げてきたのか?


 そうだ! こいつをスライムに食わせればいい。で、「人間おいしい!」ってなれば、町に近づけるじゃん! これだよ!


 俺は気の毒だが、盗賊ソコンさんに死んでもらうことにした。石で頭を強打する。状態が死亡になった。


「スライムさん、えさです」


 スライムはアカの背中からぴょん! とジャンプして、ソコンを覆うように広がった。


「このあたりに盗賊のアジトがあるかもしれないな。奴隷化は人間に使えた。盗賊連中全員を奴隷にできれば」


 その盗賊たちに、奴隷化を解除できる人間を呼んでもらえばいい。


「スライムさん、えさを探してきます。逃げませんよ? いいですね、えさを探してきますからね」


 俺は憎きスライムから離れて、あたりを捜索する。


 俺は奴隷化という凄まじい能力を持っているが、それだけだ。探索は簡単じゃない。


「ナー・ザルたち、捜索を手伝ってくれないか」


 ナー・ザルたちにイメージを送り、あたりに散らした。


 何時間も歩くが、洞窟や小屋など、それらしきものは見当たらない。


 スライムのいる場所に戻る。

 俺は奴隷であるせいか、主であるスライムの場所が、方向音痴であるにもかかわらず、必ずわかる。

 最低な能力だ。できれば迷子になりたいんだけどな。


 スライムは盗賊を食べ終わっていた。骨も残っていない。


 満足そうな顔をしている。顔ないけども。

 人間はおいしいらしい。


「キーッ!」

 深緑色のナー・ザルたちが戻ってきた。

 一匹が頭に乗り、嬉しそうに鳴いている。


 イメージが流れ込んでくる。

 洞窟。

 その前に背の高い雑草。

 その影に大柄な男がいる。監視だろう。


「よくやったぞ!」

 腕にのせて、撫でてやると喜んで飛び跳ねた。


 スライムがなんと、撫でてほしいイメージを送ってきた。撫でてやる。すると喜んだ。

 こいつも撫でられるのが好きなんだよな。


 それよりも盗賊だ。

「スライムさん、おいしい人間のえさが、山ほどありますよ。いきましょう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ