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SCP財団職員の学校生活 改訂版  作者: 餅屋五平
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第7話―道草


いつも通り惰性で授業を終わらせたので、あっという間に下校時間になった。今日は講習も無いのでどうしようか、と迷っていた時に、五月が俺の方を向いてもじもじしているのが見えた。多分話したいことがあるけど話しかけられない、みたいな感じだろう。このまま待って反応を楽しむのもいいが、それだと埒が明かないのでこちらから話しかけることにした。

「えーと、どうしたんだ、五月?さっきからそこでもじもじしているが…」

「あっ、い、いや…その…こ、この後って暇かな?」

「あ?えーと…特にないが、何でだ?」

そうやって質問すると、更にもじもじしてしまった。…そんなに言いにくいことでも

あったのか?

「そ、その…一緒にゲームを買いに来て欲しいの!」

「……はあ。大丈夫だけど。」

「え!? 本当に!?」

思ったより軽い用事に腑抜けてしまったが、大丈夫と言ったに五月がすごい笑顔になった。多分、断られるんじゃないかとか思っていたんだろう。どれだけ自分に自信がないんだ。

「やった!じゃあ、今から早速行こうよ!」

「お、おい、ちょっと落ち着けって。ちょ、痛い痛い腕引っ張るなよ、ちょっと、五月さん? ちょっとー?」

腕が痛いと言っているのにも関わらず、ぐいぐいと引っ張っていった。…他人と関わりやすくなった、って言えばいい…のか?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「さあ、やってきました!大型ゲーム販売店、『ゲーマーズ・ライク・ウィード!』

 ぱちぱちぱち~!」

「ぱ、ぱちぱちぱち…」

コミュ症特有のいやにハイテンションな五月に連れてこられた先は、大型ゲーム販売店のゲーマーズ・ライク・ウィード。ここでは様々な所から発売されたゲームのハードや、カセットが倉庫型の店に並べられている。そして、ゲームセンターみたいな所までちゃんとあるので、ゲーマーからしたら夢のような場所だ。しかも、新作のゲームも一括で入荷しているから結構安いので、実は俺も結構な頻度で利用している。そして、興奮が抑えきれない五月が、早く早くと急かしてくる。

「さあ、何を買おうか、餅屋くん!」

「おいおい、そんなに急いだってゲームは逃げやしないぜ?」

「だ、だって…こんなにゲームが、安い大量のゲームが!こんなの抑えきれないよ!」

「その気持ちは分かるが…。まあいいか、とりあえず物色しようぜ?」

「うん! だから早く行くよ!」

いくらゲームがいっぱいあるからってはしゃぎ過ぎではないだろうか。…とりあえず、今日はそんな五月の制御役として徹すると決めたが、それから五月の暴走は止まらなかった。とある一角には中古のカセットが無造作に、そしてうず高く積み上げられている所があったのだが、五月はそれらを不用意に触って見事に崩してしまったり、

「わ、わわわわわ!? も、餅屋くん助けてー!た、大量のカセットに埋もれて死ぬー!?」

「おーい!?何やってんだお前はー!」

他にも、ゲームセンターでクレーンゲームをやってたら五月が下手すぎて、

見かねた俺が変なキャラの為に2000円を消費する羽目になったり。

「餅屋くーん…全然取れないのー…変わりに取ってー…」

「そもそもちゃんとアーム合わせられてないし、しかもお前ホントにこれが欲しい の? この変なゴリラ。今からでも考え直さないか?」

「そう……ダメ…?」

「う…。………。しょ、しょうがないな…出せても500円までだからな!」

「ホント!? やったー!」

…実際、これ以上あるのだが思い出すのも面倒くさいのでここまでとする。そして、時刻は5時半。五月の門限が近いらしく帰ることになった。肝心の五月は欲しいゲームをたくさん買えて非常に満足そうだ。本人がそれでいいならそれでいいのだが。しかし、満足そうだった五月が突然申し訳なさそうな顔をしてきた。

「…どうしたんだ、五月?そんな浮かない顔して。…まさか、お腹が空いているのか? 今食ったら夕飯食べれないし、俺はもう手持ち殆どないぞ?」

「そんなことないよ!…ねえ、今日って、本当に、楽しかった?」

「…はあ?どうしたんだ、いきなり。そりゃ楽しかったに決まってるだろ?一緒にゲームを買いにいって、楽しくない訳ないだろ?」

「そ、そうだけど…迷惑ばっかり掛けてなかった?ゲームタワー崩して、2000円使わせて、レジ詰まらせて…いっぱいあったでしょ?」

「ああ、なんだ、真剣な顔をしたと思ったらそんなことか。まあ、もちろん大変だったけどさ、そんなの助け合っていかなきゃな。だって、俺たちは『友達』だろ?」

「…。……。………」

「…あー、俺なんか変なこと言ったか?それだったら申し訳ないが」

急に黙って下を向いた五月に、俺は急いで取り繕う。

「ううん、大丈夫。ありがとう、餅屋君。とっても、とっても! 嬉しかったし、楽しかったよ。…とりあえず、もう遅いから帰ろう。私もゲーム早くやりたいし。また今度も行こうね。」

「…ああ、そうしよう」

そうやって、俺は財団のサイトがある所行きの駅まで五月と楽しく話して、お互いが帰路に着いた。…さあ、ゲームやるか。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あとがき

テスト週間が近づいてきました。今回ヤバいのは歴史と公民と物理。暗記は毎回死にそうです。あと、SCP小説と謳っているのにSCPが出てこないのは如何なものか、と知人に言われてなんかムカついたので『こっそりSCP要素』を入れることにしました。今回の『こっそりSCP要素』は…





[http://ja.scp-wiki.net/scp-3092」

または「http://scp-wiki.net/scp-3092」

『ゴリラ戦』著者 HunkyChunky

『クレーンゲームから出てきた人形』がゴリラになって出てきて、サバゲーを始める。出てくる人形がウサギだろうが熊だろうがゴリラになる。ゴリラがゲリラってな!●≪=グシャ

「http://scp-wiki.net/gamers-against-weed-hub」

または「http://ja.scp-wiki.net/gamers-against-weed-hub」

『ゲーマーズ・アゲインスト・ウィード』Hub

この要注意団体は某Drのパクリとかを作っていて、某Drからも注意を受けている。

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