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SCP財団職員の学校生活 改訂版  作者: 餅屋五平
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第6話―友達・2

棚空先輩の講習が終わった後、「呑みに行くか!」と誘われたまま、深夜の2時ぐらいまで棚空先輩とハシゴしてたら遅刻寸前、五月からも心配されたので架空の親戚の叔父さんのせいにしておいた。ちなみに、俺は元々酒にはあまり強くない。

「餅屋くん、顔色悪いけど…大丈夫?」

「ああ、大丈夫だ。親戚のおじさんが来てな、少し酒を呑んでた。」

「ええ!?お、お酒呑んでたの…!?駄目だよ、未成年がお酒なんか飲んじゃ…!」

「いやあ、そんなに悪いもんでもないぞ?お前もアルコール度数が低いやつなら呑めると思うしな。」

「駄目です!」

割とキツめに駄目、と言われた。意外とはっきり言う時ははっきり言う奴なのかもしれない。そんな新しい発見をしているときに、誰かが五月を呼ぶ声が聞こえた。

「五月さーん?今、ちょっと大丈夫かしら?」

「あ、ちょっと待っててね。」

何、あの五月が誰かと楽しく話しているとは。人は日々成長していくんだなあ。

と、一瞬そんな事を考えたのだがしかし、こんな派手な奴いたか? まばゆい程の金髪に大きいリボンを着けて、パッチリとした両目。いかにもお嬢様と言った感じだ。

「あら、その殿方と話していらっしゃったんですね?これは失礼なことを…ええと、餅屋さん、でしたっけ?」

「ああ、餅屋持葉であってるぜ。それで、もしかしたら、五月の友達…だったりするのか?」

「ええ、そうですわよ。…そうだ、自己紹介がまだでしたわね。私は…」

「この子は孫左道緋鳥まごさどうひちょうって言うんだよ、餅屋くん!」

「孫左道…!?」

「ちょ、ちょっと、五月さん…!?」

俺が孫左道という名前にびっくりしていると、五月が何故か自慢げに(無い)胸を張って解説してきた。

「ふふーん、びっくりしたでしょー、餅屋くん!孫左道といえば!あの超有名ゲーム会社、[MAGOSADOU]の令嬢なんだよ!」

「ちょ、ちょっと、五月さん? もう少し小さい声でお願いしますわ…!」

そう、MAGOSADOUは世界シェア3位の大手ゲーム会社で、俺と五月がやってる███████もMAGOSADOUから出ている。しかし、それだったら他人の自己紹介を聞き流していた俺でも気付いているはずだし、なによりどうやって関わったのかが

凄い気になる。

「まあ、緋鳥ちゃんは孫左道の令嬢だってことを何故か隠してたがっていて、自己紹介の時も『緋鳥です。よろしくお願いしますわ。』しか言って無かったから、自己紹介を聞いてなかった餅屋くんも分かんないよね。」

「ええ、だから…名前を呼ぶときは緋鳥と呼んでくださいまし。」

「ああ、だから分かんなかったのか。まあ、その割にはお前さっきから大声だけどな。」

「あっ。…それで、なんで仲良しになったのかっていうと…」

無かったことにしてるんじゃねえよ。しかし、今は幸いざわざわしているのであまり大声でも気付かないと思うが。そして、聞いてもいない説明が次々と始まる。

「数日前、私が教室でこっそり███をやってたら、キラキラした目で『え!?████をやっているんですの!?やった、私もそれ大好きなんですの!』っていきなり言われたんだよね。こっちとしては凄いビックリしたんだよ、ホントに!」

そんな事があったら、コミュ症の五月はさぞびっくりしただろうな。焦っている姿

が目に浮かぶようだ。ちょっと笑える。

「そ、それについては悪かったと思いますけど…しょうがないじゃないですの、だって私が発案したゲームをやってたんですもの。」

「あれ、五月さん? この高校はゲーム持ち込み不可……緋鳥、今自分で発案したゲームって言った?」

「ええ、そうですわよ。私のお父様が『すまん緋鳥!ゲームのいい案が出ないんだ!また何か出してくれないか!?』って言ってたので、『これこれこういうの~~~』みたいな事言ったら泣くほど感謝してましたわ」

「…なんか、大変だな」

「いや、そんな事はありませんわ。一緒に考えるのも、楽しいものですわよ?…あら、予鈴が鳴ってしまいましたわね。それではこのあたりで。」

意外な事実を発見しながらも、そうして楽しく話していたが、ぼちぼち解散となった。こうやって誰かと楽しく話すのも…良いかもしれないな。

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