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SCP財団職員の学校生活 改訂版  作者: 餅屋五平
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第23話―縁日

夢の中で予言をされると必ずあたるという能力を持つSCP、『Dream Man』の予言を見た翌日。俺は不安を抱えつつ、8月後半に向けてアメリカ研修用の荷物をまとめていた。

「研修は10日間あるから、服はこれぐらいか。そういえば、さっきから太鼓の音がしているけど、今日はここらへんの近くで縁日をやってたな」

そう、さっきから何か音が聞こえると思ったら太鼓の音がしていたのだ。それがわかった瞬間、昔1回だけ、まだ父とその《《後妻》》が仲が良かった頃一緒に行った縁日が、あの時の感傷が甦る。…いや、そんなこと今更気にしてもしょうがない。俺は、あいつらに縛られていたあの時と決別するように、玄関に立っていた。

そして、そのお祭りが行われている所まで歩いて30分。結構歩いたのでもう割と疲れている。

「ああ、やっぱり凄い人混みだな。まあ、その方がお祭りっぽい感じはするが」

この大きい規模で行われているお祭りは、酩酊街商店道めいていがいしょうてんどうで行われていて、広場で大きい太鼓がうるさく鳴っていたりしている。それを取り囲むように、金魚すくいの屋台やチョコバナナの屋台が設置されている。

「うーん、金は結構余裕あるけどな。とりあえず、あそこの人だかりが凄い金魚すくいでもや」

「わぁ、凄いよ緋鳥ちゃん!そんなに取れるなんて!」

「…!…スゴーイ。なんでそんなにとれるの?」

「あなた達が取れてないだけですわ。でも、そろそろご老人の店主にも悪いですので、そうですね。5匹だけ頂きましょうか」

「…らないで射的でも行くか」

どうやら、人だかりはあそこにいるやかましい黒髪と金髪お嬢様と財団職員のせいらしい。面倒事、特にあの財団職員には巻き込まれたくないので、そろりそろりと移動する。

「あれ、ねえ緋鳥ちゃん。あの変な挙動の人、餅屋くんじゃない? おーい、餅屋くーん!」

「まさか、そんな訳…あれ、ホントですわ」

「…!…マジで?」

「はい。そうでございます。私こそが餅屋持葉でございます」

そろりそろりと移動しても無駄だったので観念した。挙動不審と言われたのが少し気になるが、バレたら仕方がない。

「凄い奇遇~! ねぇねぇ、一緒に遊ぼうよ!」

「そうですわ、凄い偶然。なんでここにいるんですの?」

「あー、ここらへんを通りかかったら偶然音が聞こえてな。久しぶりに楽しもうと思ったんだ。」

「…。…ふーん。そうなんだね。信じていいの?」

「え、ええ。大丈夫です。それより緋鳥。その浴衣ゆかた可愛いな?」

「ええ、そうでしょう?これはお母様からのお下がりなんですわ。」

烏島が疑いにかかる中、俺は半ば強引に緋鳥だけが来ている浴衣を褒める。白の浴衣に青い帯で赤い金魚が泳いでいる、シンプルなデザインだ。ほかの2人も、学校ではあまり見られない私服姿だ。

五月は落ち着いた黒色のワンピースで、少し肩を露出させている。コミュ症なのにこういう所は気にしないのだろうか。そして烏山の方は、真ん中に大きな筆記体で『Well done!』と書かれた、少し胸が強調される白いTシャツ(普通にダサくて笑う)に、短いズボン的なものを穿いている。ただし、あれがズボンなのかどうかは俺には分からない。

「へえ、お母様からね。まあいい、とりあえず、そこらへん見て回るか?」

「うん、じゃあどれから回る? そういえば、さっきどこ行こうとしてたの?」

「射的だな。取りあえずそこに行くか?」

「えっ。私、射的苦手なんだけど。ゲームの中なら神エイム発揮できるけど」

「そうですの? 私は結構得意ですから行きたいですわ。」

「…!…私も。私も行きたい!」



珍しくやる気な烏山に押された部分もあったが、3:1で可決を取られた五月は少し不満そうについて行った。あ、今思ったけど烏山の射的とかヤバそうじゃないか?

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ええ…何でそんなに取れるの…?」

「す、凄い数ですわね。そろそろやめた方がいいんじゃないんですか?」

「…。…ヤダ。絶対に。ヤダ。」

「お、お願いだ嬢ちゃん!さっき馬鹿にしたことを謝るからさ!」

結論からいうと、俺の予想は当たり、烏山は射的でぬいぐるみやらお菓子やらを大量に取っていた。この射的屋は俗に言う《《ぼったくり》》で、店主であるお兄さんが「やあ嬢ちゃん!そんな細腕で取れるのかい?」と煽った結果がこれだったのだ。隣にいる緋鳥と五月のドン引きしているし、集まっていた観客も只者じゃないと気付き始めた。これ以上は俺が見てられないため制止を入れる。

「あの、烏山先輩? そろそろ、そろそろ止めた方がいいんじゃないですか?」

「…?…この人は。私を馬鹿にした。だから。私が。この店を《潰す》」

目がマジだ。

「えっと、その発言は店の人だけじゃなく観客も戦慄させているので、本当に止めた方がいいかと……」

「…。…仕方ない。確かに。私も大人げなかった」

結構聞き分けがいい烏山。こうして、お兄さんは俺に泣きそうな顔で感謝を述べつつ、正直、そんな顔をしなくてもこっちが悪いのだから逆にこちらが申し訳なく感じる。他にも、空き缶倒しの際反射を利用して1発で倒したり(これも店主に煽られていた)、輪投げで一番奥のトロフィーを取ったり(あれ取れるの初めて知った)あったが、それは割愛させて頂く。

「…!…そうそう。餅屋くん。ちょっとこっちきて」

「はい? なんです…ああちょっと、行きますから引っ張らないで、ちょっ、ごめん緋鳥とその他、先に帰っててくれ!」

「その他!?」

そんなこんなで時刻は19時半。そろそろ解散と思ったのだが、何故か烏山に引っ張られた。やるんならちょっと優しく引っ張ってくれ。そして、人気の無い路地裏まで引っ張られると烏山のまとっていた雰囲気が変わったと同時に、俺も気分を切り替える。きっと《《あいつ》》のことだ。

「それで、一体なんだっていうんだ、烏山?」

「…。…研修と『ドリームマン』について。君も見たんでしょう?」

「……ッチ。ああ、そうだ。お前も見たのか」

俺は苦虫を噛み潰したような表情と気持ちになるが、相手も安心と不安が入り混じったような表情をして首を振る。

「…。…うん。夢の中であいつは『君らもわかる時が来る』と言ってた。《《君ら》》ってことは。君もいるってことでしょ」

「いや、それよりお前も『襲撃』を夢の中で聞かされていたのかよ。しかも同じ予言かよ、クソッ…まるで、何かの陰謀なんじゃないのか?だって、俺も『襲撃』を受けて、お前もまた別の『襲撃』を受けるんだろ?」

何がヤバいかって、研修は1人ずつ別のサイトごとに行うと言うことだ。しかも『Dream Man』が他の職員の夢にも現れていないという証拠も何も無い。それ即ち、最低でも2つの『襲撃』が2つのサイトで起こると言うことだ。

「…。…そんなこと言ってもしょうがない。それより。今日。また『夢』を見た」

「! おいおいマジか。そいつは何て言ってたんだ?」

新情報だと? 『Dream Man』がまた出ていたとは思わなかった。しかも、あいつを見た日が俺と同じなら1日しか経っていないのもおかしい。

「…。…私1人じゃ何もわからないから。一緒に考えて。そいつはこう言ってた。【ヒントをあげよう。君の『襲撃』は見た目に騙されてはいけない。《光が映らない瞳をたたえた、全く喋る事の無いアイツ》のことさ】だって」

「まったくまどろっこしい言い方をする奴だ。それにしても、見た目に騙されるな、光が映らない瞳、喋らないアイツって言われてもな」

見た目に騙されるなってことは、可愛い感じの見た目なのか?…いや、まったく分からない。そもそも『襲撃』自体がSCPか人かもわからないのだから、それだけでも伝えてほしいのだが。

「いやすまん、何もわからない。そういえば、俺の『襲撃』について何か言っていたか?」

「…。…何も言ってない。私の夢にもちょっと出てきただけだったし。まあ。何もわからないならいいや。見たいテレビあるし。じゃあね」

「あっ、おい! ああ、行っちまったな」

俺が何の役にも立たないということを知ると、テレビを優先させるという割とくだらない理由で帰ってしまった。それより、烏山の『襲撃』の内容が気になる。光が映らない瞳で、喋らない奴。無機物なのか? ていうか普通にあいつ危機感が足りないのでは?

「いや、考えても分からんな。俺も帰ろ」

俺の『襲撃』についても考えなきゃ行けないからな。『襲撃』のヒントが貰えることを願いつつ、俺も部屋に帰った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あとがき

どうも、SCウォオオアアアアアアアア-JP-Jにまた感染しました、餅屋五平です。

充電が満タンだったから「充電コードはいいかな?」とか言ってたら充電切れてました。1000文字吹っ飛びました。更新が遅れたのはそのせいです。あー疲れた。疲れたからEveちゃんの動画みて癒されよう。

Eveちゃんのツイッター。↓支援とかしてあげてね。

https://twitter.com/Eve_scp

そういえば、ツイッターのアカウントを作ったはいいんですけど、『パスワードちゃうわい!』とか言われてもう更新してません。



ドリームマンのCCは22話にあります。あと、『Dream Man』と『ドリームマン』は誤字とかではありません。

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