短編小説 読書の時間を邪魔しないでくれ!
私の知り合いには、教授と呼ばれている人物がいる。
彼は、島の大学で物理学を教えており、同時に探偵でもある。
「教授、やりましたね」
その坊ちゃんは、ニコニコと教授に言った。
教授には何のことか分からないが、いやな予感がしたので黙って本を読んでいた。
「とうとう、私たちも小説でデビューですよ」
「バカもん、小説に登場したぐらいで、安月給が変わるか! 」
教授は、坊ちゃんに対して怒った。
私は島の大学に勤めている教授である。
先ほどの紹介通り、物理学を教えている。
「あと探偵ですよね! 」
坊ちゃんは、元気よく言った。
「すまんが、私は探偵ではない! 」
「毎回、多額の報酬の話になると、探偵になりますよね」
坊ちゃんは、にやけながら言った。
「そんな裏話は小説には、不要だ!人生は、時と場合に応じて、変化するものだ! 」
教授が、坊ちゃんに怒る。
しかし、坊ちゃんには逆効果であった。
「じゃあ、先ほど私が、言ったことはあっているのですか? 」
「いいか、私は毎回、報酬は断っているからな! 」
このしつこい生徒は、坊ちゃんである。
いつも研究室に事件を持ち込んできて、私は大迷惑している。
一応、説明しておくが、生徒には名前があるが覚えるのが面倒なので、あだ名で呼ぶことにしている。
「もっと読者のみなさんに、教授のためになる話をしませんと」
坊ちゃんは、私の読書の時間を妨害しようとしたので追い出した。
「読書の邪魔だから出て行け! 」
そして、この話を読んでいる読者と話を書いている作者に対しても言った。
「話ならば、後日改めてたっぷり語りますので、ごきげんよう! 」
教授は礼儀正しく礼をして、ガタン、と扉をしめた。
今回は、人物の紹介だけとなりましたが、ここで終わりです。
終わり