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ガラスの世界  作者: 旧式突撃歌
1章 おとぎ話はこうやって始まる
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ガラスの世界

純白の光は全てを包み込む。俺は、目を閉じて願うのだ。


これで全てが救われてほしい。俺はそう願う、叶うか解らないが、そう願うだけだ。


純白の光は世界を覆い、全てが救われる世界を描く。優しい世界は、それを実現するんだ。


何もかも、全てが救われる世界。


純白の光は、俺が見ている世界と真逆の世界を描く。全員が笑っていて、穏やかな空気を描いた世界。


手を伸ばした。掴みたい光景、そこに行く事が出来るなら俺はそれでいいと思う。描く光景に手が触れると波紋が広がり、俺は望んだ世界へと踏み込む。


『ようこそ。表裏一体の、ガラスの世界へ』


『人として、実に正しい世界。表の顔と裏の顔があるように、世界も同じです。あなたが目指した先は、無価値で至高の世界』


『誰も追いつけない。きっと誰も届かない。神様ですら描く事が出来ない、キャンパスの世界』


『そんな世界に色を塗らなくてはいけない。あなたは、世界を作成しなくてはいけない』


『一つの物語の終着点。そこにたどり着いたあなたは、私を使って世界を作る役目を果たさないといけないんです』


『あなたが望んだ世界は、現実の世界とは真逆。どれほどの災いが降りかかろうが、あなたはそれを認めない』


『認めないからこそあなたは、この穏やかな空気に浸った世界の中で生きる事を選択するんです』


『私は、あなたを見てきました。見てきたからこそ、あなたの物語の終わりを見たい』


『脆くて砕けちりーーバラバラになった断片を繋ぎ合わせる物語』


『それは、虚構と現実の境界線。散り散りになった断片を繋ぎ合わせる役目は、あなたしか出来ません』


『それが一つになった時、あなたは全てを壊してしまうかもしれない。優しい世界は、それでも優しい世界を描くでしょう』


『ようこそ。ガラスの世界へ』


『覗いた世界が真実か虚構か?それは、見た人にしかわかりません。映る光景は真実?虚構?』


『それはあなたが決める事です。あなたは、真実を見ていますか?虚構を見ていますか?』


『困った顔をしています。矛盾だらけの、あなたらしい顔です。完璧な答えなど求めていませんよ』


『完璧な人間など存在しません。例えば、あらゆる万能的な能力があって、全ての世界を掌握できて、自分の望み通りに、全てをこなせる世界を作成したとします。果たしてーーこれは、人として楽しいのでしょうか?』


『私はこう思います。ガラスのような世界だと』


『映った光景を叩き壊してしまえば、そこにあるのは無です。かといって、無だと思えば、繋ぎ合わせ修復したり新しくすれば、それは有になりますね』


『何度も何度も、同じような展開を繰り返し、壊して繋ぎ合わせ、断片を集めればーーそれは一つの鏡になる』


『鏡になった断片は、一つの光景を映します。でもそれは、あなたが望んだ世界の光景ですか?』


『表裏一体。あなたが望んだ世界は、ガラスのように光景を映します』


『見飽きたはずの光景。鏡に映る自分の姿は、本当にあなたですか?あなたが描いた世界は、きちんと映っていますか?』


『本当にーーあなたが望んだ世界は、これで正しいですか?』


『私はアカシックレコード。無数の世界を見てきて、無数の光景を描き、無数の文字を書き記した存在です。無数の世界は、多くの結末を迎えます』


『似たり寄ったりの世界も多ければ、独創的な世界も数多くあります。あなたが望んだ世界は、その世界の一つなんです』


『それは良くも悪くもあり。無数の選択から選び、作成した物語です』


『あなたが望んだ事が、真に望んだ世界ならばーーガラスのような矛盾だらけのあなたを、壊さないで欲しいんです』


『自分を見つめて下さい。あなたは、自分の物語を書き終える役目も担っています』


『善き物語でありますようにーー』


『あなたに祝福を』


全員が笑顔で出迎えてくれる世界。俺は踏み出した足を止める事はない。これでいいんだーーこれでいい。


きっと、もう一度やり直せるから······俺はそう思う。だから、物語はここで終わる。


俺が描いた世界は、きっと幸せなんだ。一つの物語はここで終わりを迎えるんだ。踏み込んだ世界は、純白に包まれる。


救ってくれてありがとう。また、逢おうな

ここまで読んでくれてありがとうございます!!

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