俺はピエロ
※マカロニです。ボカロのピエロを元にしました。完結します。
Ciao!俺は小さなサーカスのピエロだよ♪
俺の仕事はね皆を喜ばせること。笑わせること。
俺もね皆が笑ったり喜んでくれる姿を見るととても嬉しい。俺は小さい頃からピエロをしてるの。
そんな俺をずっと見守ってくれてるのは俺の兄ちゃんなんだ。
俺にはね兄ちゃんがいるの。たった1人の兄ちゃん。兄ちゃんはね強気だけど弱虫なの。でもねかっこいいの!俺の自慢の兄ちゃんなんだ♪
ある日の公演で俺を見る兄ちゃんの目がとても悲しそうだった。
誰も気付かなかったその悲しげな顔に俺は気付いた。
「兄ちゃん、そんな悲しい顔してないでさ笑ってよ。ほら見て見て」
俺は兄ちゃんの悲しげな顔を笑顔に変えたくて大きなボールの上でバランスをとって見せた。
俺が笑わせてあげなきゃって思ったの。
バランスを崩して派手に転んじゃっても兄ちゃんが笑ってくれたら痛くも痒くもなんともない。
だからほら、笑ってよ。ね?
兄ちゃんはずっと悲しげな顔のまま俺に言ってきた。
「俺はお前の吐いてるその嘘が悲しいんだ。」
兄ちゃんは今にも泣きそうな顔をしてた。
「何言ってるの兄ちゃん俺は嘘なんて何ひとつ吐いてないよ?」
そう応えた瞬間兄ちゃんの目から大粒の涙が零れたんだ。
「ヴェ、、どうしたの?兄ちゃんほら見て笑って?」
俺は兄ちゃんが泣いてる意味が分からなくて
兄ちゃんの目の前でジャグリングを始めた。
「いい加減にしろ!!ほかの客に見せねえその仮面の下のお前の隠した素顔、、、お前の本性を俺に見せろよ!!!!」
突然兄ちゃんは泣きながら大声を出してきた。
俺はビックリしちゃって声が出なかった。
「転んだときもそうだけど怪我したら痛えだろうが!!痛えなら痛えって言えよ!!辛いなら喚けよ!!何ひとつ恥ずかしいことなんかじゃねえんだ!!!!!」
兄ちゃん、、?本当にどうしちゃったの、?
俺は平気だよ?転んだって痛くも痒くもなんともないよ?
皆笑ってくれるからそれが嬉しいんだよ?
ねえ、兄ちゃん泣かないで笑ってよ。。
「大丈夫だから。うまく笑えなくていい。
もう二度と嘘吐けねえようにしてやる!
大丈夫だから。堪えなくていい。
辛いなら俺もお前と一緒に泣きてやる。
だから、もういいんだ。嘘吐かなくていいんだ。」
そう言って俺を抱きしめてきた兄ちゃんの肩は震えてた。
俺の目からいつぶりかの涙が頬を伝った。
「大丈夫。」その言葉が俺の心を解かしてくれた。
忘れかけてた俺の本性を兄ちゃんが見付けてくれた。
「大丈夫。」その言葉はまるで魔法みたいだね。
ほら、兄ちゃん見て嘘吐きピエロは消えて居なくなったよ。
ごめんね兄ちゃん。ありがとう。