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2話:救世主は女子限定?男の俺は観客席

用語紹介 マナ :魔力的なモノ。マグルやマレフィクスの攻撃のエネルギーや、軸となる


マレフィクスに男が何故いるのか。それも後々判明します

近くに不気味な煙と謎の魔法陣。

ウェルトだ。モニスウェルト。悪い魔術師を指すマレフィクスが組む魔法系テロ組織。これに捕まったら最後、今日中にドラマを見終えるなんて夢のまた夢。最悪だ。とりあえず見た限りだと半径10メートル程の地面はヒビが入っており、ところどころ小さな穴が空いているみたいだ。皆部活に行っているからか門の前にいる者は少ない。周りにいる者は逃げようとしているがあまり地面を踏み込んで歩けていない。腰が引けているのか。それとも足が震えてるのか。情けないな。俺もだが。


――ヴォォォォォン、ヴォォォォォン――


重低音のサイレンが鳴り響く。


 おそらくウェルトのマレフィクスをシステムが感知したのだ。これでじきにマグスが助けに来る。マグスは、出没するマレフィクスに対して戦う。しかしなれるのは女性だけ。理由は知らないが、魔力の適正だかなんだかで男には逆立ちしてもなれない職業らしい。


 段々と渦巻く煙の中から人影を発見した。

だが只の人ではないみたいだ。

なんだあれ?うねうねしている。まるで触手だ。その不気味な物体は輝の元に機械音を鳴らしながら近づいてくる。


ウィィィィン……。


 その物体を見たのもつかの間。うねうねはアームだったのだ。それも人間の身体から繋がる。


「おいおい、ここはまさかの学校ではないか。荒らしがいがあるな。」

そう言いながら甲高い笑い声を響かせたのは

白衣を身に着けて四角い眼鏡をかけた医者のような中年男性。そして手足の代わりに薄気味悪い無数のアームをカチカチ鳴らしている。


 俺にはもしかするとマグスを待つ時間すらも存在しないのかもしれない。


「んん???これはこれは貧弱な青年だ。

俺を睨んでも死ぬわけじゃないぜ?

それに俺は強い。そんな顔しないでくれ。お前を改造してくれてやる。」


頭がおかしい。どっかが多分いかれているんだろう。

だがそんなこと考える余裕はない。


「うるさい!!黙れ!ウェルトのモンだろ!」

まるで反抗するかのような素振りとともに俺は言った。


「これはこれは。いくら魔法とは縁が無い街だとしても流石にわかっていたのか。」


今はネット社会だぞ。流石に知っている。


「失礼失礼。申し遅れたな。

私はモニスウェルトのドクトル・クルーデルと申します。

ドクターって呼んでくれ。」


 なにがしたいんだこいつは。

俺はただ睨みつけることしかできなかった。


「おいおい。話を聞けばわかるだろう。お前は俺より弱い。なのに俺をまだ睨見つけるのか?非合理的だ。早く私に屈して改造人間となり、

私の実験に貢献するんだ。わかったな?」


 言ってることがよくわからん。何言ってるんだ?


「話が通じないみたいだな。ここで死ぬか。改造されるか。

頭の悪いお前でもわかる。答えは明白だろ?『改造される』だ。」


 俺は変わらずドクトルを睨みつける。

絶対やばいと思っていてもとりあえず

マグルが来て帰ってドラマを見れると思い込んでいた。


「そうか。いくらバカでももう少し利口だとは思っていたぞ。」


 まずい!多分ヤバいパターンだこれは。

眼の前にアームが迫ってくる。




───ギュルルルル───


──ガコン──




 俺だってそんな馬鹿じゃない。流石に死を悟った。

俺の眼の前に二本のアームが勢いよく迫ってきた。



 だがその時だった。


───アエリア・スカトゥム───



 眼の前に透明な盾のようなものが現れた。マグスが到着したみたいだ。



 「この野郎!俺の獲物に邪魔をしたのは誰だ!」


 もう俺は獲物扱いされているらしい。

いつ人造人間になると言った。



 後ろから3つの影が近づく。


 「モニスウェルト、一級指名手配マレフィクス。中崎貴彦を確認。戦闘許可をお願いします。」


 一人のマグスが通信にて許可を取る。なんと美しい外見をしているのだろうか。白いコスチュームに身にまとった彼女は頼もしく希望の光と思えた。


「了解。」


 通信先からの許可が降りたみたいだ。


「ハッハッハ。マグスが現れたと思ったらこの学校のアマチュアじゃねえか。お前らなんかに俺の相手が務まるとでも勘違いしたのか。」


そうか。いくら俺が焦っていたと言ってもまだこいつが来てから一分ほどしか経っていないのか。この速度で来るなんてこの学校か近所のちっさい事務所のひよっこなのだ。


 「失礼なことを言うのね。私達はこうみえてこの街が平和だから特に実績がないだけで本当はれっきとしたマグスなのよ!この街を任されているんだから!」


 彼女の熱意と戦意を感じる。だからといって戦ってみないとわからないじゃないか。


 「光井!早く下がって!」

もう一人のマグスが言った。焦りすぎて気づかなかったがこいつはクラスメイトの佐伯か。そういやちっさいうちの学校の事務所にしょぞくしていたんだっけか。


 「こいつは光井というのか。悪いな。こいつはあいにく俺の実験体になってもらうんだ。」


 「そんな馬鹿げたことを言うな!ほら下がって!」


俺はなんとか、がくがく震える足腰を支えながら引き下がった。



──マナ・バレット──


 

 力強い女声と共に彼女の杖から光の光線がドクトルの頭めがけて発射される。


 「そんな基本攻撃一つなど。ムダだ!」


 しかしドクトルのアームが攻撃を防ぐ。アームには傷一つない。あんなに早くてパワーのある攻撃が一瞬にて止められる。


 ──フレイムスパーク!──


 これはすごい。どういう原理なんだ。ホントに。少し距離はあるが、それでも輝の体はジリジリと焼ける。まるで

杖の先端からドクトルの元へ、炎の矢のような鋭利な炎が突き刺さる。

行けるか!と皆が思った。しかしそんなこともつかの間。ドクトルは忿怒しているみたいだ。


──ジジジ…ピキッ…──


 アームの一つに少し効果があるらしい。機械がショートしたみたいだ。

これはいい感じかもしれない。


「おいおい。俺のアームに何をしてくれるんだ小娘が。ガキは黙って死ね!」


 血相を変えてドクトルは威圧と共に戦闘態勢に入る。


 

──マナ・スカルペル──


 ドクトルはマナをアームの先端に集中させ、三人のマグス突き刺す。

これにはマグスの三人は一撃で倒されたというところだろうか。生きているみたいだが明らかに戦える状況じゃない。


 「逃げ‥て…」

そうだ。逃げなければいけない。このままだと死ぬ。本当に死んでしまう。


これは相当

マズイことになってしまった。

3•4話は同時公開になります。

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