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髪は女の魔力です  作者: 黒沢
赤髪の魔女
6/6

6 VS 紫尾の魔女団 VS 白銀の魔女団

 ムラサキ姉妹の片割れが一本編みの髪をつかみ、ナイフで切った。

「200mm、変換」

 切り落とした髪が光に変わり、紫尾の魔女の全身を覆った。


 次の瞬間、紫尾の魔女が地面を蹴る。

 一瞬で私との間合いを詰め、拳を振り抜く。

 直撃。

 顔面に叩き込まれ、かなり後方まで吹き飛ばされる。


 宙に浮きながら、私は自分の髪をつかむ。

 ざくり。

「5mm、変換」

 赤い髪が爆破を起こし、反動で軌道を変える。

 紫尾の魔女の追撃の拳が、すぐ横を通り過ぎた。


「魔女のくせに、接近戦なんて珍しいじゃん」

 私は切り取った紫色の髪をつかみながら笑う。


「なっ……!? いつのまに私の髪を!」


 敵の髪で魔法を発動した。

「100mm、変換」

 乾いた破裂音。

 髪が揺れ、服がはためく。

 それだけだった。


「やっぱり、大した威力出ないね」

 私は肩をすくめる。


「爆破魔法は効率が悪いのよ」

 紫の髪がわずかに揺れる。

「そんな無駄な使い方、あんたみたいなバカ以外しないわ」


 突如、紫の光が走り、咄嗟に身を引く。


「うわ、危なっ……!」


 背後の木に細い焦げ跡ができていた。


 ムラサキ姉妹の姉が駆け付けたようだ。

「スミカ! 援護する!!」

「頼む、姉ちゃん!」


 さらに、ホワイト姉妹も駆け付けた。

「あの化け物は、あなた達では無理よ」

「このホワイト姉妹に任せなさい」


 ムラサキ姉妹の姉が鋭く言い返す。

「引っ込んでろホワイト姉妹! 赤髪は私たちの獲物よ!」


「こらこら喧嘩しないで」

 私は肩をすくめる。


「私は全員でも構わないよ」

 とぼけた顔で挑発する。


 一瞬の沈黙。


 次の瞬間――


「「「「なめてんじゃねーぞ!!」」」」

 四人が一斉に髪を切った。


 紫と白の光が、空間を裂くように走る。

 前後、頭上、足元。逃げ場を潰す軌道。


 逃げ場はない。


 私は背で束ねた赤髪を掴み、ナイフを滑らせる。


 ざくり。


「50mm、変換」

 切り落とした髪が光に変わり、自身の全身を覆う。

 魔力が体中に巡り、髪が逆立つ。


 直後、紫と白の光が直撃し、全身を叩く。

 ――それでも、衝撃は通らない。


 背後から、殺気。

 振り向くより早く、気配が迫る。


 ムラサキ姉妹の妹。


 振り抜かれた拳が、私の顔面に叩き込まれる。


 鈍い衝撃。


 気にせず踏み込む。

 体をひねり、そのまま腹へ蹴りを叩き込んだ。


 鈍い音。


 ムラサキ姉妹の妹の体が、くの字に折れた。

 そのまま、地面を滑っていく。


「まず一人」

 そう呟き、視線を次の獲物へ移す。

 残り三人。


「化け物め……」

 声がわずかに震える。


「次はどんな魔法を見せてくれるかな?」


 誰も動かない。


 ムラサキ姉妹の姉が、ゆっくりと口を開く。

「……降参だ」


 間。


「これ以上は無駄だ。捕獲どころか、傷すらつけられん」


 ホワイト姉妹は沈黙する。

 構えは解かれ、視線も落ちている。

 もう、誰も前に出ようとはしない。


「……そっか」


 腰のナイフを抜く。

「並んで。降参の証に髪もらうね」


 四人の魔女たちが顔を見合わせる。


「それはちょっと――」

「ほら、早く」


 笑顔で刃を向けると、しぶしぶ四人が横に並ぶ。


 ざく。

 ざく。ざく。

 ざく。


 四人とも、おかっぱになった。


「うぅ。なんてこった……」

 魔女たちがそろって肩を落とす。


「大丈夫大丈夫。みんな似合ってるよ」


 ハナコがマルコを引きずって戻ってくる。


「遅かったね、ハナコ」

「逃げ回るので、少し手間取りました」


 マルコが顔を上げると、四人のおかっぱが目に入る。

「いやだああああ!!! こんな頭になりたくない!!!」


「大丈夫大丈夫。きっとマルコも気に入るよ」

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