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晴れ間
ほわほわ。
嵐が遠ざかり、空が静かに変わる。
冷たい風が次第に穏やかになり、雲の隙間からひとすじの光が射し込む。
その光は、まるで希望のように温かく、あたいの中に染み込んでいく。
風が、優しく、そっと頬を撫でる。
ほわほわ。
震えていた心が、少しずつ落ち着いていく。
恐怖がすっと消えて、心の中に広がるのは安らぎだけ。
あたいはその晴れ間を、ひとしずくの香りとともに感じる。
匂いが変わり、柔らかく、軽やかになる。
新しい風が、爽やかに吹き抜け、あたいの存在が再び軽くなる。
嵐を越えた先に広がる、この穏やかな晴れ間。
あたいは、その中でゆっくりと呼吸をする。
ほわほわ、ほわほわ。
すべてが、また新しく、清々しいものに変わる。
嵐の後の静けさ、そして新たな始まり。
あたいは、ただその中に溶け込みながら、静かに漂い続ける。