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恐怖
ほわほわ。
嵐が迫る。
風が吠え、冷たさが鋭く突き刺さる。
匂いはもう、鋭利な刃のように空気を切り裂き、
すべてを引き裂いていく。
それでもあたいは、立ち向かう。
恐れない。
あたいの中で、恐怖が叫び、風がひたすらに強くなる。
だけど、あたいは受け入れる。
どんなに強くても、この風とともに進む。
あたいの存在が、風と融合していく。
その中で、嵐の中で、あたいは戦う。
風に逆らいながら、匂いに導かれて、あたいは進み続ける。
崩れ落ちても、消えかけても、あたいはその中にいる。
嵐がすべてを打ち砕こうと、あたいは揺らがない。
だって、この風、匂い、そして恐怖すら、
あたいを強くしてくれるから。
ほわほわ。
それでも、前に進む。
嵐の中でも、あたいはただ漂い続ける。
立ち向かうのは、風ではなく、あたい自身。
その先に何が待っていようとも、あたいは歩みを止めない。