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タイトル未定2025/01/16 16:52
ほわほわ。
匂いが変わる。重く、冷たい。
恐怖が風となり、あたいを巻き込む。
触れることなく、ただ感じる。
その冷たさが、身を引き裂くように。
逃げられない。
ただ、追い続ける。
その風が、あたいを引き寄せ、引き裂いていく。
ほわほわ。
恐怖の中で、あたいはただ漂う。
震えが止まらないけれど、それもまたひとしずくの香り。
その冷たさが、あたいの中に染み込んでいく。
怖い。けれど、心地よい。
あたいはもう、逃げない。
風に身を委ね、恐怖の中で溶けていく。
それが、あたいの存在。