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苦手な方はご注意ください。

犬神使いの嘘

作者: 廃くじら

つい最近、半年以上書いていた連載が完結したので、次どんな話を書こうか検討中。


一先ず短編形式でお試し投稿。

幼い頃、自分は周囲から嘘つきと呼ばれていた。


その理由に気づいたのはピカピカだったランドセルが傷だらけになって色褪せてしまった後。


自分に見えている世界が、他の人とは違うのだと理解した。


級友や先生、近所のおじさんおばさんに無視されて、両親だけが少し困ったような表情で自分の話を聞いてくれる。


その時の自分は、それがどれだけ恵まれていたのかさえ、理解できていなかった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「お前ら、テストが終わったからって羽目外して俺が警察に呼ばれるようなことはするなよ~」


ホームルームが終わり、そんな緩い言葉を残して担任が教室を出て行く。


一学期の中間テスト明け。

解放された中学生たちは堰を切ったように一斉に動き出した。


「終わった~!」

「山田、部活行くぞ!」

「おお、先行っててくれ」

「北本さん、数学のここ──あ゛あ゛~そういう……」

「止め止め! カラオケでも行こうぜ!」

「いいね。部活や予定ない人誘って──」


早速今日から練習を再開する運動部の者を除き、多くは仲の良い者とテストについて話をしたり、打ち上げに行こうと騒いでいる。


しかしそんな周囲の動きを気にした様子もなく、淡々と荷物をまとめ教室を出て行こうとする少年が一人。


「──あ、つくもくん!」


その少年に気づいて、面倒見の良さそうな眼鏡の少女が呼び止めた。


「……何?」


振り返る少年。

線が細く色白で中性的な見た目。決して愛想が悪いわけでも冷たい態度をとっているわけでもないが、やや浮世離れした風貌は見る者に壁を感じさせた。


眼鏡の少女は一瞬だけ怯んだような素振りを見せたものの、直ぐに笑顔を浮かべて言葉を続ける。


「皆で駅前のカラオケ行こうって話してるんだけど、白くんも行かない?」


少女の後ろではクラスメイトの何人かが自分たちをチラチラ窺っていた。白はそれを目の端で捉えながら微笑む。


「ありがとう──でも俺は歌とか得意じゃないから遠慮しとくよ」

「あ──」


少女が何か言いかけたのを無視して「それじゃ」と白は教室を後にする。



『……あいつノリ悪いよな』

『そうそう。誰ともつるまないで授業終わったらすぐ帰ってるし。コミュ障って奴?』

『やめなさいよ。転校生でまだこっちに馴染めてないだけでしょ!』

『つって、もう半年以上前の話だろ? 単に一人が好きなんじゃね?』




少年の名はつくも聡志さとし


家庭の事情でつい半年ほど前にこのS市に転校してきた中学二年生だ。


学校ではいつも一人で本を読んだりボーっとしていて、話しかけれられれば普通に対応するが、一定以上のラインに決して踏み込ませない不思議な雰囲気の持ち主。


単に周囲から浮いているのとも、孤高とも違う。


薄皮一枚隔てた別の世界に住んでいるような──


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「ただいま~」


斎賀さいがという表札が掲げられた家の門をくぐり、白は帰宅の挨拶をする。すると家の中からドタドタという軽快な足音。


──ドンッ!


「ワフッ!」

「うおっ!?」


玄関の戸を開けるなりとびかかってきた黒い丸々とした物体を、白は体勢を崩しながらなんとか受け止める。


そして首にフンフンと鼻をこすりつけてくるその生物に、白は呆れた様子で溜め息を吐いた。


「……危ないだろ、クロ。いきなり飛び掛かって来るなよ」

「フンッ!」


白の腕の中で偉そうに鼻を鳴らしたのは黒毛の小型犬。狸顔で雰囲気は柴犬そのものだが、やけにまん丸とした体型で、家族からは犬かどうかも怪しまれていた。


──パタパタパタ


「──ああ、さっちゃんお帰り。クロがいきなり走り出すから何事かと思ったわ」


遅れてリビングから顔を出したのは恰幅の良い老婆。


「婆ちゃんただいま」

「はい。お昼出来てるよ」

「あんがと」


クロを腕に抱えたまま靴を脱ぎ、祖母のいるリビングを通り抜けて荷物を置きに自室へと向かう。


テーブルの上には卵焼きとウィンナーをメインにしたお手軽だが男子中学生が好みそうな昼食が一式準備されていた。


「……伯父さんは?」

「マサさんは今日はお出かけ。私はもう食べたから、後はさっちゃんだけね」

「ふ~ん……」


職業不明の伯父の動向を気にしつつ、白はクロをリビングの床に下ろした。


「そんじゃクロ。俺は荷物置いてくるから──」

「ガウッ!」

「いでっ!? こら、足を噛むな!」


白の足を甘噛みして何かをアピールする飼い犬を引き離そうとバタバタする。


「ふふっ。最近テスト勉強で遊んでもらってなかったから、構って欲しいんよね?」

「ワンッ!」


祖母の言葉にその通りとばかりに吠えるクロ。


「ご飯食べたらお散歩に連れて行ってあげたら?」

「えぇ……今日も早朝から散々連れまわされたのに──」

「ガウッ!」

「──分かった。行く、行くから噛むな!」




つくも聡志さとしは半年前から母方の実家で祖母と伯父、飼い犬のクロと一緒に暮らしている。


両親は事故で亡くなった。


若い頃に夫を病で亡くし、女手一つで母や伯父を含む三人の子供を育てた祖母は、自身も娘を亡くし辛かっただろうに、温かく彼のことを迎え入れてくれた。




「それで四つ角のところのカズさんが急に来れなくなってねぇ」

「ほ~ん?(モグモグ)」


昼食を食べながら向かいに座る祖母の話に耳を傾け、相槌を打つ。


正直なところ“四つ角”だの“カズさん”だのと言われても何が何だかサッパリだが、そこを確認しても仕方がない。祖母の話を半分聞き流しながら、白は味噌汁で口の中の食べ物を流し込んだ。


「エイさんが話を聞きに行ったら、こけて足を折ったんだって。しばらくゲートボールにも参加できそうにないって言うし……人数が足りなくて困るわぁ」

「(モグモグ、ゴクン)……まぁ、歳がいったら骨は脆くなるもんだし、それは仕方ないんじゃない?」

「カズさんは毎年ハーフマラソンにも出てるくらい元気だったんだけどねぇ……本人も、こけたせいじゃないって言い張ってたみたいだし」


祖母の言葉に白は首を傾げる。


「ん? こけて折ったんでしょ?」

「家族はそう言ってるんだけど、どうも本人は蜘蛛に襲われたって言い張ってるらしいの」


意味が分からず白の目が点になる。


「……クモ? クモってあの虫の蜘蛛? 熊とかじゃなくて?」

「うん。その虫の蜘蛛」


祖母は大まじめに頷き、両腕を大きく広げながら続けた。


「カズさん本人はこ~んな大きな蜘蛛に襲われて怪我をしたって言い張ってるんだけど、そんなわけないでしょう?」

『────』


白は何も言わず、チラリと足元のクロに視線を向けた。


「やっぱり身体が丈夫でも頭もそうとは限らないのかしらねぇ……」

「──野良犬か何かを見間違えたのかな?」

「ああ。そうかもしれんね」

「散歩の時に出くわしたら怖いな。ケガをしたのってどの辺りなの?」


そう祖母に尋ねる白とクロの瞳には、微かに険しい光が宿っていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「……どう、クロ?」

『クンクン……ふん。臭うのぅ』


昼食後の散歩途中。白とクロは祖母の友人が蜘蛛に襲われたという場所を訪れていた。


現場は山間の一本道の脇にある小さな公園。錆びたブランコや滑り台があるだけの簡素な施設で、立地的な問題もあって実際に子供が遊ぶことはほとんどなく、今では主に老人たちのゲートボール場として利用されている。


奥には深い竹林が生い茂り、一部の竹が公園の端を侵食していた。祖母の友人は草刈り機でそこをキレイにしようとしたところ、蜘蛛に襲われたと言っているらしい。


この辺りは田舎で人の手が入っていない山林があちこちにあり、猪や鹿が麓でも良く目撃されている。その為、祖母の友人が嘘を吐いたり勘違いしているのだとしても、普通は“大きな蜘蛛”などという与太話ではなく、猪とか獣に襲われたと言うのが自然な筈だ。


「蜘蛛?」

『そこまで分からん。一口に蜘蛛と言っても色々あるからの』

「色々……土蜘蛛とか女郎蜘蛛とか、そういうの?」

『それもあるが、蟲から妖に変化したものや地精の一種、あるいは怨霊が伝承に寄って変化したもの……まぁ、色々だ』


クロはその視線を公園の奥の竹林へと向け、スンと鼻を鳴らして続ける。


『何にせよあまり性質の良いものではないの。陰湿でハラワタの腐った臭いがする』


白は公園の端から鬱蒼とした竹林を覗き込む。

竹だけでなく大小様々な草木が生い茂っていて、光も差し込まず、足元の鋭い熊笹が人の侵入を拒んでいるように思えた。また、そうした視覚的なものを抜きにしても、竹林の奥──その更に向こう側から漂ってくる気配が、ここに近づくなと白に警告を発している。


「……危ないものなんだな?」

『そうとも言えるし、そうでないとも言える』


白の確認にクロははぐらかすように答えた。


「人を襲う妖だろ?」

『それは臭いだけでは何とも言えんの。だが、襲われた人間は骨が折れただけで食い殺されたわけではないのだろう? 大した妖ではないさ』


襲ってくるだけで充分危険だと思うが──そんな白の疑問の視線を笑うようにクロは再び鼻を鳴らす。


『人間と妖はすぐ近くにいるように見えても、実際には薄皮一枚隔てた別の世界に住んでいる。その壁を超えて向こう側に干渉するには相当な力を必要とするからの。人を食えるほど力の強い妖は滅多におらん。精々、姿を見せて脅かすぐらいだ。危険なのはむしろ──』


そう言ってクロは意味ありげに白に流し目を送る。


白はその視線を無視して竹林の奥にある何をジッと睨みつけた。


「……だとしても放ってはおけないだろ。婆ちゃんの生活圏で悪さされたんじゃたまったもんじゃない」

『…………』


やれやれと、やけに人間臭い仕草でクロはかぶりを振った。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


山に入るにはそれなりの準備と時間がいる。


テスト明け翌々日の土曜日。白はクロを連れて朝から出かけていた。


準備といっても登山用の服やギアなどは持っていないので、単に厚手の綿パンと長袖のシャツを着ているだけ。中学生が藪を切り払う鉈など持ち歩けるはずもなく、竹林を避けて遠回りし、寺のある裏手から細い山道を登っていく。


既に山に入って二時間近く歩き続けており、まだ気温はさほど高くないのに白の首筋にはいくつもの汗の粒が浮かんでいた。


「なぁ……クロ。いい加減、自分で歩いてくれないか?」


足場の悪い山道と同じくらい白を苦しめていたのは、彼の背中にのさばる黒い毛の塊。


『文句を言うでない! 我が“なびげーしょん”をしてやらんと、お前はこの広い山の中で何処へ行けばいいのかも分からんのだぞ?』

「……だとしても! 別に、俺が、お前を、背負う理由は、無い、だろうが……!」


背中で暴れるクロに体勢を崩し、四股を踏むような姿勢で堪えながら文句を言う白。


クロは体高だけ見ればギリギリ豆柴サイズだが、その体格は非常にふくよかで丸々しており、体重は一〇キロ近い。そんな生物を背負って山道を歩いているのだから、白の抗議は至極当然のものだったし、むしろもっと早くにツッコむべきだった。


『我は臭いを辿るのに集中せねばならんのだ。ガタガタ文句を言うな、この軟弱者が』

「……お前、しばらくおやつ抜きな」


テシテシと肉球で頭を叩いてくるクロに半眼で言い返し、体力の限界に達した白は目についた近くの岩にドカッと腰を下ろす。急な上下移動にクロが『ぬおっ!?』と背中から転げ落ちるが無視し、深く息を吐いて呼吸を整えた。


「はぁ……はぁ…………なぁ?」

『うん?』

「臭いの元まであとどれくらいかかりそうなんだ?」


足元で身体を丸め、後ろ足で耳の裏をかいていたクロに尋ねる。


朝からずっとクロに指示されるまま山道を歩いてきたが、もうそろそろ昼が近いし、自分がどの辺りにいるのかも分からない。あまりに先が長いようであれば、帰りの体力も考慮し一旦引き返してやり方を考えるべきかもしれない。


『ふむん……この辺りは例の妖以外にも色んなモノが棲みついておるからの。近づいてはおる筈だが、どうも場所が判然とせん』


クロは少し難しい表情でかぶりを振る。どうやら臭いを辿るのに集中したいというのもまんざらサボるための言い訳ではなかったようだ。


しかし目的地までの距離が分からないというのは困った。この際、多少無理をしてでも竹林側を突っ切る方法を考えるか、それとも別ルートから移動──あるいは相手をおびき寄せることを考えてもいいかもしれない。


そんな風に白がすっかり考え事に集中していると──



「──おや。こんなところに人間が」

『────!』



ほんの四、五メートルほど離れた場所に、女が立っていた。


白は反射的に顔を上げ、クロも尻尾をピンと立てて驚いた表情を見せている。


妖艶な雰囲気を漂わせた着物姿の妙齢の美女──どう考えても、こんな山奥にいていい存在ではない。


そして更に驚くべきはこの女の接近にクロが気づかなかったこと。


『ガウ──ッ!?』


クロは反射的に女に跳びかかろうとしたが、その瞬間足元に淡く光る陣が浮かび上がり、クロの動きを拘束する。


『ちょこざいな……!』

「ふふ……犬っころはそこで大人しくしてな」


もがくクロを面白そうに見下し、女はゆっくりと白に近づいてくる。白は逃げるでもなく、怯えるでもなく、座ったまま静かにその女を見つめていた。



現世に干渉できる幽世かくりよの存在は稀だ。


強い霊力を持つ人間しか幽世の存在を見ることも干渉することもできないように、幽世から現世に干渉するのにもまた相当な力を必要とする。


目の前の女が幽世の存在であることは今さら疑いようがない。


以前クロから、幽世の存在は人間の常識からかけ離れた姿をしていることが多く、人間の姿を取ることが出来るのは相当高位の存在に限られると聞いたことがあった。


つまりこの女は──



「ふふ……よく見ればキレイな眼をしているねぇ」

「…………」


女の手が白の頬に伸びる。その指の感触は絹糸のように繊細で、冬の湖のように冷え切っていた。


「こんな場所までノコノコやってくるなんて悪い子だ──罰として、抉り取って食べてしまおうか」


女の唇から白の左眼へ舌が伸びる。


「……それは困るな──【クロ】!」

『ワゥゥゥンッ!!』


白がその名を呼んだ瞬間、クロの全身の毛が逆立ちその身体が大きく膨れ上がる。


「何っ!?」


そして大型犬ほどの大きさに変化したクロは陣の拘束を打ち破り女に飛び掛かった。


『ガゥゥゥッ!!』


不意を突かれた女は抵抗する間もなく地面に押し倒される。クロは大きな顎で彼女の頭を噛み砕こうとし──


「待て、クロ!」

『ワゥ!?』


しかし白はクロの動きを制止した。


『何故止める!? この女は貴様を喰おうとしたのだぞ!』

「だから落ち着けってクロ」


牙を剥きだしにして唸るクロを宥める白。


そのやり取りを、押し倒されたままの女が不機嫌そうな眼差しで睨みつけていた。


「……そこのデブ犬の言う通りだよ」

『誰がデブ犬だ!!』

「まさかこの程度であたしに勝ったつもりかい? この山はあたしの庭だ。動きを封じられようがあんたらを仕留める方法なんざ星の数ほど──」

「だからあんたも落ち着いてくれ。あんたに敵意が無いことぐらい分かってる」

『────!?』


白の言葉にクロと女はそれぞれ目を丸くした。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


着物の女はむらさきと名乗った。


かつてこの秋葉山あきはやま一帯を治める土地神に仕えていた古い妖で、土地神が身を隠した後も山が荒らされぬよう管理してきたそうだ。


白たちに襲い掛かってきたのもその一環。奇妙な妖を連れた人間を見かけ、何か悪さをしにきたのであれば喰ってやろうと考えていたと口にするが──


「なら問題ないな」

「────は?」


並んだ岩に向かい合わせに腰を下ろし、紫から事情を聞いていた白は、紫の言葉にあっさりそんなことを口にする。


これには意地悪く脅すような顔をしていた紫も思わず呆気に取られてしまった。


「……喰われそうになって問題なしって、この坊や頭がおかしいんじゃないのかい?」

『我に聞くな』


紫は白の足元で丸くなっているクロに話しかけるが、拗ねているのか反応は素っ気ない。


「一応言っとくと、喰われることを問題ないって言ってるわけじゃないよ」

「……じゃあ、どういう意味だってんだい?」

「俺たちは悪さをしに来たわけじゃないし、紫も本気で俺たちを襲おうとしてたわけじゃないだろ」


だから問題なし、と言い切る白に、紫は三度みたび目を丸くし、すぐに面白がるような表情で尋ね返す。


「……どうしてあたしが本気じゃないと?」

「そもそもクロの警戒をすり抜けられるなら不意を打てば良かっただろう」

「だから本気じゃないって? 単にあんたらを舐めてたのかもしれないよ?」

「舐めてたのは確かだろうけど呑気に言葉を交わす理由もない。というか『悪さをしにきたのなら』なんて言ってる時点で敵意が薄いんだよ。大方、俺たちを脅しつけて追い返そうとしてたんじゃないか?」


紫は白の言葉に肯定も否定もせず肩を竦めた。


「……あんたの主人は随分お人よしだねぇ」

『ふん。これは人が良いのではなく呑気と言うのだ』


不機嫌そうに尻尾を白の足に叩きつけるクロの姿に苦笑した後、紫は緩んだ表情を真剣なものに戻した。


「まあいい。こっちの事情は話した。今度はそっちの事情を聞かせてもらおうか。何でわざわざこんな妖と獣しかいない山の中に踏み込んできたのか──いや、そもそもあんたらは何者なんだい? 最初は独覚のガキんちょと妖になりかけの犬っころかと思ったが、よくよく見れば大層な霊力じゃないか。力の割に動きは素人臭いし……祓い屋か陰陽師の見習いってとこかい?」


紫の問いに白とクロは顔を見合わせ、先に白が口を開く。


「どっちでもないよ。俺は分類で言えば犬神使いってことになるんだろうが、俺自身が何か修行をしたことはないし、特別な力がある訳でもないから」

「特別な力がない?」


そんな筈がないだろうと紫は眉を顰める。


遠目には気づけなかったが、こうして間近で見るとよく分かる。白と名乗った少年は膨大な霊力の塊だ。その力を出力する方法を知らないからか大きさに反し気配は恐ろしいほどに凪いでいるが、こんな力を持っていて自分が特別でないなどと思えるはずがない。


見えているもの、住んでいる世界が他の人間と違い過ぎて、人の世ではまっとうに生きていくことさえ難しいレベルだ。


「そんな馬鹿みたいな霊力を持っててかい?」

『こ奴の力は元々我のものだ』


疑問に答えたのは白ではなくクロ。


「あんたの?」

『うむ。昔我が不覚を取って死にかけておった時、こ奴とその家族に拾われてな。傷が癒えるまで一時的に世話になっておったのだが──』


クロは忌々しそうに白を睨みつけて続ける。


『その時、こ奴が我に“クロ”と名を付けたせいで、主従関係が結ばれ我の力がこ奴に流れてしまったのだ』


名はこの世界で最も原始的かつ強力な呪いだ。


名によって人の人格が歪むことなど優しい方で、肉を持たぬ妖であれば姿や在り方まで変容してしまうことも珍しくない。


そして名付けは、主が部下に自分の名の一文字を授け名を変えさせることもあったように、上下関係を定める儀式としての側面を持つ。


「……つまり、元々坊やは普通の人間だったけど、あんたの主人になっちまったことで、力が逆流して今みたいになっちまったってことかい?」


半信半疑と言った様子で尋ねる紫に、クロは苦々しく頷いた。


『……うむ。本来であれば、このような小僧っ子に縛られる我ではないのだが、何分その時は死にかけておったからの。傷が癒えてこ奴の前から姿を消した後、やけに力の回復が鈍いなとは思っておったのだが……死にかけておったしそういうこともあるかと気づかなんだのだ』

「それがつい半年ぐらい前に再会してね。その時になってようやくクロの力が俺に流れ込んでるってことに気付いたってわけ」


不機嫌そうなクロと苦笑する白。そんな二人の様子に紫は──


「…………」

『何だその顔は。言いたいことがあるならはっきり言え』

「……いや。本当に間抜けな話だな、と」

『やかましわっ!!』


紫は本音を隠し軽口を吐いた。


本音は、もし彼らの言う通りなら何とお互いにとって迷惑で不幸な事故だろう、というものだったが──そんなことは言われずとも彼ら自身が一番……


「つまり、あんたはその主従関係に則って坊やに従ってるってことかい?」

『……そんな訳があるか。こ奴を我の主だなどと認めてはおらん』


紫の確認にクロは素っ気なく否定の言葉を返す。


しかし今の話を聞く限り、力の移動を除けば主従の縛りは緩やかなもののはずだ。白からクロへの命令権のようなものはないようだし、主と認めないなら敢えて行動を共にする理由はないように思うが。


『この状態でもしこ奴が妖に喰われるようなことがあってみろ。我の力は永遠に奪われたままになってしまうではないか。我はこ奴が自分の霊力を制御し、我との主従関係を解除できるようになるまで護衛しておるだけだ。今のままだといつ貴様のような下等な妖に喰われんとも限らんからな』

「誰が下等な妖だい、間抜けな犬っころが!!」


ガルルと睨み合うクロと紫。白はどうどうと二人の間に割って入った。


紫はしばし忌々しそうにクロを睨みつけていたが、犬相手にムキになるのも大人げないと思ったのかフンと鼻を鳴らして問いを続ける。


「……まあいいさ。それで、改めて聞くがどうしてこんな山の中に? ここは猟師さえ滅多に立ち入らないってのに……まさかとは思うが、最近術師界隈で偶に聞く“れべるあっぷ”とかが目的なんじゃないだろうね?」


紫は白に疑わし気な視線を向ける。


この辺りではまだ見たことがないが、昨今は “れべるあっぷ”だと騒ぎながら無差別に妖を殺しまわっている若い術師がいるという話を知り合いの妖から聞いている。紫はついにこの辺りにもそんな迷惑な連中が現れたのかと警戒していた。


白はそんな紫の視線に苦笑し、自分たちがここに来た事情を説明した。


「違うよ。実は──」




「──なるほどね。あの蜘蛛共か」


一通り白から説明を聞いた紫は納得した様子で頷く。その表情からは忌々し気な雰囲気が滲んでいた。


「知ってるのか?」

「……八束沼やつかぬまに棲みついてる妖だよ。力はそれほどでもないが、人を化かし領域に招き入れて喰おうとする性質の悪い連中さ」

「…………」


白は少し驚いた様子で紫を見つめる。


「……何だい、そんな目で見て?」

「いや。人を喰う妖を性質が悪いと思ってるんだな、って」


紫は一瞬だけ面食らったように顔を顰めるが、すぐに鼻で笑う。


「はっ。無差別に人を喰って術師に目を付けられたら面倒だからね」

「……そうか」

「そうだよ!」


白はそれ以上追及せず、少し姿勢を正して本題を口にする。


「その蜘蛛が棲んでるっていう八束沼への行き方を教えてくれないか?」


紫は顔を顰め、白を上から下までギロリと見てから言った。


「……蜘蛛を始末するつもりかい?」

「どうだろう。話し合いで縛れればそれが一番だけど……」


話し合いと言えば呑気に聞こえるが、力の強い者が妖と交わす言葉には力がある。目の前の少年程の力があれば、約束一つで妖を縛ることも不可能ではあるまい。だが──


「はっ。あんたみたいな御馳走目の前にして、頭の悪い蜘蛛共が我慢できるはずないだろう。有無を言わさず襲い掛かってくるに決まってるさ」

『ならば逆に食い殺してやるだけだの』


答えたのは舌で脚の毛づくろいをするクロ。


その剣呑な言葉に白は苦笑しつつも、しかし否定はしなかった。


「……互いの領分を守ってくれるならそれで良かったんだけどな。俺の身内に危険が及ぶかもしれないとなれば、見て見ぬ振りもできない。それが気に喰わないっていうなら無理に教えてくれとは言わないけど──」

「いや、いいさ。教えてやる。別にあたしも奴らに仲間意識なんざありゃしない。──ただし、覚悟はしておくことだね?」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


『ぐぬぅ!? 毛が引っかかった!』

「こら、暴れるな、クロ!」


紫が教えてくれたのは、獣道と呼ぶのも烏滸がましい隘路だった。


生い茂る草木を強引に掻い潜りながら、これなら竹林側を突っ切った方がマシだったのではと白が後悔しかけた時、唐突に開けた場所に出る。


「──っと……ここか?」

『そのようだの』


沼と呼ぶには些か貧相な、対岸まで一〇メートルあるかないかの小さな泥濘。


白の言葉は疑問形だったが、クロは周囲に漂う妖の臭いに顔を顰め、ここが紫の言う八束沼であることを確信した。


『気を抜くなよ』

「え──?」


そうクロが警告を飛ばすのとどちらが早かったか──


──ギチギチギチ


『上だ!!』


──ドンッ!


「うわっ!?」


大型犬ほどの大きさに巨大化したクロが咄嗟に白を突き飛ばし、白のいた空間にクロより一回り小さな何かが落ちてくる。


体勢を崩しながら振り返った白の目に飛び込んできたのは──横幅一メートル以上はありそうな毛むくじゃらの巨大な蜘蛛。一目見て分かる妖だった。


──ギョロギョロ


八つ並んだ巨大な複眼が独立した生き物のように白の姿を捉える。幼い頃から妖の類は見慣れている白だったが、その自然の蜘蛛に近い姿は恐怖よりも先に生理的な嫌悪感を掻き立てた。


──ガサガサガサッ!


「うえっ!? 近寄んな!!」


素早く近寄り飛び掛かってきた蜘蛛を咄嗟に蹴り飛ばす。腰が入っていなかったためダメージはほとんどないが、蜘蛛は思ったよりずっと軽く、驚くほどに大きく宙を舞った。


「……弱い?」

『ふん。領域の中でなければ力を振るえん低級の妖などこんなもんだの』


そう言いながらクロが近づいてくる。


『知性も低いようだし話し合いなぞ不可能だろう。虫けらなんぞ喰いたくもないし、適当に潰すなり脅しつけるなり──』

「……クロ?」


不自然に言葉の途切れたクロの様子を疑問に思い視線をやる。クロは動きを止め頭上の木々生い茂る空間の一点を凝視していた──いや、よく見ればその眼球は小刻みに震えている?


クロに尋ねるより早く、その答えは白の目でハッキリ捉えられる形で現れた。


──ガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサ……


何と表現すべきか……音が多い。


「…………」

『…………』


気が付いた時には既に遅く、二人は数えるのも馬鹿馬鹿しいほどの大小無数の蜘蛛に取り囲まれていた。




「うわぁぁぁぁぁっ!?」

『ぬわぁぁぁぁぁっ!?』


一つ一つは弱くとも数は力である。そして何より、夥しいほどの数は人に生理的な嫌悪感をもたらす。


想定外の数の蜘蛛に取り囲まれた二人は、悲鳴を上げて反射的に逃げ出していた。


『こっちだ!!』


──ガァッ!!


クロが群れの薄いところを臭いで探り当て、口から吐き出した霊圧で吹き飛ばし包囲を突っ切る。話し合いや戦いどころではなくなった二人は鬱蒼とした山道を全力で疾走した。


──ガサガサガサガサガサガサガサガサ


「追いかけてくるぅっ!?」

『当たり前だ! ノコノコ自分たちの領域に飛び込んできた餌を見逃す筈がなかろうっ!』


二人も全力で走るが、クロはともかく白が山道で蜘蛛から逃げ切ることは難しい。


「弱い妖は人間に干渉できないんじゃなかったのかっ!?」

『この山は既に奴らの領域──現世よりも幽世に近い! なよなよしたお前の身体なぞ、捕まればバキバキに噛み砕かれて骨も残らんぞ!!』


飛び掛かってきた蜘蛛を尻尾で打ち返しながら、クロは白にとっとと走れと叱咤する。


しかしこのままではいずれ追いつかれる──


「クロっ!?」

『先に行け! 足手まといだ!!』


そう判断したクロは反転し、自ら足止めを買って出た。


──ギチギチギチッ……!!


触覚のようなものが生えた口を突き出して飛び掛かって来る蜘蛛の群れ。クロはその隙間を掻い潜るように飛び回り、その爪と牙とで蜘蛛のからだを引き裂いていく。


──ちぃっ! 一体一体は弱いが数が多すぎる! あの女、我らをハメたか……!?


その爪牙で同時に屠れるのは精々二、三体。この物量の前ではまさしく焼け石に水だ。そうこうしている内にも蜘蛛の密度は益々増し、時折飛ばしてくる糸がクロの身体に絡まり動きを阻害する。


このままではジリ貧だ。白が逃げる時間は稼げただろうし、ここは改めて撤退──


「クロっ!!」

『何故逃げておらんっ!?』


視界の端に引っかかれて擦り傷だらけになりながら蜘蛛を振り払いこちらに駆けてくる白の姿を見つけ、クロは悲鳴を上げた。


「名を──」

『っ! 馬鹿者が!!』


白の存在に意識が逸れた隙をつかれ、クロの身体に無数の蜘蛛がとりつき、その姿が見えなくなる。


しかし白はそれに構うことなく叫んだ。



「いと尊き大神おおかみの眷属よ、汝に名を授けん。汝の名は【こま】──翼持つ神の獣なり!」



その瞬間、力を吸い取られたように崩れ落ちる白の身体と──無数の蜘蛛を吹き飛ばし、その中から現れた翼持つ巨大な獅子。


翼獅子は舞うような動作で倒れた白の元へと駆け寄り、蜘蛛から彼を護るように立つ。その身から溢れる神気に気圧されて蜘蛛は近づけないでいた。


『……軽々しく名を呼ぶなと言っただろう。この状態の我の主となるには今の貴様では未熟すぎる。とっとと逃げれば良かったのだ』

「無茶……言うな。こんな山の中に一人で放り出されたら、絶対、迷うだろうが……」


一人では怖くて逃げられないと嘯く白に翼獅子──いや、クロは口元に薄く笑みを浮かべた。


『この軟弱者が』


そしてキッと蜘蛛の群れに視線を向けると、その場で翼を一つ羽ばたかせ、風圧に込められた神気で蜘蛛を威圧する。


『まあいい。すぐに片付ける。お前はそこを動くなよ』

「…………」


答える気力もないのか、白は地面に寝転がった状態で分かったという風に手を振る。


その様子にクロはあまり時間はかけていられないなと、獅子の牙を剥き出しにして蜘蛛の群れを睨みつけた。


『さて虫けらども。本来なら誰に手を出したか教えてやるため、一体ずつ丁寧にすり潰してやるところだが、あまり時間をかけてもいられん。疾く死ね』


──グォォォォォォォッ!!!


雄叫びが、金色の神威を伴い領域を破壊し蜘蛛の毒に汚染された周囲を浄化していく。


ほんの一吠え──ただそれだけで周囲を覆いつくしていた蜘蛛は九割方消滅した。残っているのは人の身体よりも大きな体躯を持つ限られた個体のみ。


そしてそんな大蜘蛛たちでさえ、翼獅子となったクロの爪牙の前には紙切れ同然に引き裂かれていった。




こま──即ち狛犬こまいぬは当時の朝鮮半島「高麗」から伝わってきた獣「高麗犬こまいぬ」を語源とする。


また「狛」には「神獣」という意味も有り、当時の日本では正体不明の生き物を一括りに「犬」と呼ぶ習慣があった。


つまり狛犬とは「犬」と名がついてはいるが実際には「犬」ではない。


古代オリエントで権力の象徴であった獅子を源流とし、遠くはエジプトの守護神獣であるスフィンクスと起源を同一にする存在だ。


白に【こま】と呼ばれたその瞬間から、クロは神獣たる獅子そのものの力を発揮しているように見えるが──




『……ふぅ。手こずらせおって』


一分と経たず蜘蛛の群れを殲滅したクロが、まばゆい金色の光を放ちながらふわり地面に降り立つ。


そしてすぐさま倒れたままの白に駆け寄ろうとし──バッと何かを警戒するように振り返った。


「あの数の蜘蛛を一網打尽とは、大したもんだねぇ……」


現れたのは紫と名乗った女妖。


ゆっくりと近づいてくる彼女を警戒するようにクロは牙を剥き、そこで止まれと唸り声をあげた、


「ふふ、折角情報提供までしてやったってのに、そんな警戒しなくてもいいじゃないか」

『黙れ。貴様、これほどの群れの存在を黙っておるとは……我らをハメようとしたな?』


しかし紫は悪びれることなく肩を竦めて失笑する。


「おやおや。ハメようとしたとは人聞きが悪いね。偶然出会っただけのあんたらに肩入れして、聞かれもしてない群れの規模まで説明してやる義理があたしにあるとでも?」

『…………』


正論ではあるが、クロは警戒を解くことなく、翼獅子の姿を維持したまま紫を睨みつける。


紫も戦意がないことを示すように軽く両手を上げ、それ以上近づいてこようとはしなかった。


「……しかし何か隠し玉があるだろうとは思っていたが、名付けによる存在の変質とは驚いたね」


紫の視線はクロではなく倒れて意識を失っている白へと向けられていた。


「その神気、異国の神獣のものだろう? どう考えても犬神であるあんた本来の性質とは程遠い」

『…………』


紫はチラリとクロへ流し目を送り、


「その力……本当は一体誰のものなんだろうねぇ?」

『黙れ!!』


クロの神威で周囲の草木がビリビリと震えるが、紫は全く動じた様子もなく、ワザとらしく口元を抑えて怖がるフリをした。


「あ~、怖い怖い。そんなに脅かさなくたって、坊やに手を出したりはしないよ」


そう言って紫は何か指をひょいひょいと動かす──と、ズザッとクロたちの背後の草木が意思を持つように割れて道が出来上がる。


「その道を行けば麓の寺まで一直線だ。その状態を続けるのは坊やにとってあまり良くないんだろ。早く安全な場所まで運んでやりな」

『……どういうつもりだ?』


罠を警戒するクロに、紫は素っ気なく応じる。


「深い意味はないよ。あの蜘蛛共にはあたしも手を焼かされてたからね。これはその礼さ」


そして紫は踵を返し、去り際にニヤリと笑って告げた。


「その坊やを狙う連中は多い。精々大切に守ってやることだね」


クロは女妖の姿が森に消え、見えなくなってからもしばらく警戒を続けた。そしてポツリと──


『……言われずとも』


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「…………ん」


温かい感触に揺られながら白の意識はゆっくりと覚醒する。


『目が覚めたか』


薄っすら目を開けると、遠い山の向こうに夕日が落ちようとしている所だった。


しばしボンヤリと夕日を眺めて、それからようやく自分が本来の大犬の姿に戻ったクロに背負われ、山道を下っていることに気づく。


「……あの蜘蛛は?」

『第一声がそれか。心配せんでも片づけた。討ち漏らしがあっても、麓に現れ悪さをするような力はもう残っておらんだろ』

「そっか……良かった」


自分の身より祖母の周囲を気にする白に呆れつつ、クロはそれ以上何も言わなかった。


「……ここまで運んでくれたんだな。迷惑かけてすまない」

『ふん。迷惑をかけられるのはいつものことだろう』

「そうだな……ありがとう」


そしてクロはもぞもぞ身体を起こそうとする白に先んじて告げる。


『もうすぐ麓につくからそれまで寝ていろ。そんな状態のお前に合わせて歩いたのでは晩飯に間に合わんからな』

「うん…………ありがとう」

『ふん』


首元に優しく抱きしめるように回された白の腕の感触を感じながら、クロは彼を落とさぬようにゆっくりと山道を下る。


遠い昔──飢えと寒さで死にかけていた自分を抱え、必死に道を駆けた誰かの温かさを思い出しながら。


二人の嘘の内容は多分バレバレだと思います。


続きを書くかどうかもそうですが、ヒューマンドラマっぽくするのか、それとも異能バトルものにするのか、根本的な所で悩み中。

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