手を握って…。 vol.102 與門、「あら、瑞樹~~。」
「じゃ。行きましょ。」
與門。
エレベーターで3階へ。
「おじちゃん、ボタンひとつ外した方が気楽よ。」
と、言いながら、洋造のシャツの第2ボタンを外す與門。
「そうかぁ…???…おっ。悪ぃなぁ。けけけ。」
ドアが開いて案内の女性がお辞儀をして5人を、
「こちらになります。」
誘導する。
そして、そんな案内の女性の手の向こう。
與門、
「あら、瑞樹~~。」
名前を呼ばれて、その方向へ瑞樹。
「えっ…???…あ~~、はっはっはっ。與門~。それに夕美子~~。」
次々と顔を向けるソフィアの面々。
夕美子、
「お疲れ様。」
洋造、
「あっれまぁ。お懐かしい顔振れで~。」
洋造に丁寧にお辞儀するソフィアの面々。
ただ、健之と杏美以外は、見掛けない男性に視線を投げる。
洋造、その視線に、そのまま返すように、
「新しく入った、料理見習いの、高梨和弘ってんだ。よろしくな。」
瑞樹と美崎、五月と奈賀が、軽く和弘にお辞儀をする。
そして、
「初めまして、洋造さんのお店でお世話になっている高梨と申します。」
4人にお辞儀をして、健之と杏実には笑顔で…。
「えっ…???瑞樹たちも…、ひょっとして…麻布…セントラル・ムード…。ここの…パーティ…???」
瑞樹に尋ねる與門。
瑞樹、
「いえ…。私たちは…お世話になっている…スープルからの招待で…。」
夕美子、
「あ~、そう言えば、ソフィア…、スープル…クライアントよね~~。」
瑞樹、
「えぇ…。」
その時、夕美子、そして健之と和弘、
「ん…???」
先に夕美子、そして健之と和弘、
「あっ、そうか~~。」
「な~るほど~。」
「…そっか~。」
洋造、
「けけけけ…。」
與門と瑞樹、他の面々も…、
「えっ…なに…???」
「由香里の…お母さん…。棚部…真理恵…だったわ…。お姉さんが…棚部…優理香だもん。マリエ系列。セントラル・ムードと繋がってるわよ。」
夕美子。
健之、そんな夕美子の話に数回頷きながら、
「だ~ねぇ~。」
和弘、
「そのようで…。」
洋造、また、
「けけけけ。」
與門と信玄、
「な~るほど~。」
美崎と杏実、そして五月と奈賀は…、
「……。」
そして杏実、夕美子の顔を見ながらにっこりと…。
そんな杏実を見て夕美子、さりげなく笑顔で…。
「なんとも…、みなさん…お綺麗で…。」
洋造、にったりとして…。
思わず和弘、
「くっくく…。」