手を握って…。 vol.100 「あの…かっこいい夕美が…、真赤っか~~。」
「おぃ、夕美子~。」
そう言いながら夕美子の左二の腕を右肘でグリグリとする與門。
赤らめた顔のままで、
「な…、なに言ってるのよ~もぅ~。ばか、ワコウちゃん…困ってるでしょ、ほら~。」
夕美子。
「おっとっとっと~。ん~~。」
「おやおや…。」
夕美子と和弘の顔を見ながらの春樹と早瀬。
和弘、照れながら、
「と~んでもないですよ~~。僕なんて、新條さんと釣り合うはず…ないですよ~。」
「ま~た、またまたまたまた、照~れちゃって~~。こんな料理上手な殿方…滅多にいないわよ~~。」
木乃美。
「…とは言え…。もし…夕美子がお嫁さんになったら…、即、かかぁ天下かもね~~。かかか。」
腕組みをしながらけらけらと笑う與門。
「はぁ~あ…???」
夕美子。
「勘弁して下さいよ~與門さ~ん。」
赤い顔に汗まで掻きながら和弘。
「…もぅ~。困っちゃうよね~ワコウちゃ~ん…。」
口を尖らせながらの夕美子。少し顎を上げながら…。
そして、
「はいはい。食~べよっ。」
こちらもますます赤い顔になる夕美子。
そんな夕美子と和弘の顔を交互に見ながらの面々、
いきなり春樹が、
「ぷっふ~~。」
早瀬、
「くくく。」
木乃美と與門、そして亜季、途端に、
「キャ~~ッハッハッハッ。」
木乃美、
「分っかりやす~~い。」
そして、
「かっわいい~~。あの…かっこいい夕美が…、真赤っか~~。」
洋造、ゆっくりと椅子から立ち上がって、帆香と綾香の頭を撫でて、
綾香を抱き上げ、持ち上げながら、
「けけけけ。綾香~~。大きくなったなぁ~~。えぇ~~、かかかか。」
ソフィア編集局のドアを開けて入って来た瑞樹にいきなり勢い良く亮輔、
「おっとっと…。お疲れ様です、編集長。取材行ってきます。」
「あ~~、はい。行ってらっしゃい。」
ドアの向こうに駈けて行く亮輔を見送って、振り返ると、
またいきなり今度は五月と若。
「お疲れ様です。編集長。」
「うわ~~、びっくりした~~。今度はあんたたち。」
五月、
「取材…、行って…、きます。」
若、
「きます。」
瑞樹、
「あ~~、はい。お疲れ~~。行ってらっしゃい。」
…と、ふたりを送りながらも…。
「あ~~っと、五月~~。」
そう言いながら、左二の腕に抱えているファイルらしきものから、
一通の封筒を確認して五月に渡す。
五月、その封筒を受け取り、
「ん…???…INVITATION…???」
瑞樹、
「スープルからよ。」
五月、
「スープル…???」
「パーティーの招待状…???」