手を握って…。 vol.099 「夕美子~、妬くなよ~。」
「じゃ~~ん。は~い。帆香~~。」
箱からホールケーキを出して與門。
帆香、
「わぁ~~。凄~い。美味しそう~~。」
笑顔の一同。
7本のロウソクの火を消して帆香。
「お~めでとう~~。」
「では。私からね~帆香~。」
夕美子が帆香に誕生日プレゼント。
「そして私から~。」
亜季。
ここで言う小曾根亜季は、どちらかと言えば、與門より春樹の方と縁が深い。
桜華が立ち上げする時に、夕美子は與門に誘われたが、
亜季は春樹から誘われてブリリアントの編集者となっている。
どちらかと言えば、編集者歴としては夕美子よりはわずかながら、経験豊富でもある。
それぞれからたくさんの誕生日プレゼントをもらっての帆香。
恥ずかしいのか妙に大人しい。
「でも、今回の他にも、お友達を呼んでの誕生日、するんでしょ。」
與門。
「うん。日を改めて別にね~。…でないと、ママ友も…うるさいからね~~。」
木乃美。
「…で、しょうね~~。他の友達の誕生日も呼ばれてるでしょう~。」
亜季。
帆香、
「うん。」
「おぅおぅ、こいつはいける。さっすが~。高梨君。旨いね~これ…。」
早瀬。
「それに、この肉も…最高ですよ~おやっさん。さすがですね~~。なんともジューシーだわ…。ははは。」
春樹。
「まぁ…、肉の焼き方にも…いろいろあらぁな…。」
洋造。
片や炭火で…。そして片やコンロを使っての料理が続く。
「なんだか、見ているだけでも楽しくなっちゃうよね~。」
カッティングボードで包丁を使っている和弘の手の動きを見ながら木乃美。
「さすが…高梨君、凄い手さばきよね~。」
そんな和弘に、ゆっくりと歩み寄る亜季。
手に持っている皿から一口大のメニューを、和弘の口に、
「ほい。働いてばかりでなくって、ワコウちゃんも、食べちゃえ。ポン。…ニシ。夕美子~、妬くなよ~。」
仕方なく和弘、口を開けて…。
その亜季の一言に、夕美子と洋造以外の面々が、
「はい…???」
木乃美、
「えっえっ…???なんで亜季が高梨君に…しちゃうと…夕美が…妬く…???」
キョトンとして…。
「いや…。別にこれと言って理由はないけど…。…だって…、ここでパートナーいないの…夕美子だけだもん。」
淡々と亜季。
一気に顔を赤らめさせる夕美子と和弘。
與門、両目をキョロキョロさせながら…、
「ほぅほぅほぅ…。それも…悪くない…わね~。ん~~???…木乃美~。」




