手を握って…。 vol.098 洋造の声に夕美子以外の全員目を真ん丸く…。
「な~に言ってる~~。けけけ、高校時代から続けてんじゃねぇか…。それに…、どうしたい…見つかったかい…、例のジム…???」
洋造、ポツリと。
「ジム…???」
今度は一斉に。
「あぁ。父親の影響でボクシングも自己流でな…。」
「うっそ!!!ボクシング!!!」
夕美子以外の声。
「あぁ…。だから、こっち来て、どこかトレーニングジムがないか最近調べてる。中々どうして、その他にも結構…勉強好きみてぇだな~~。なぁワコウ~。」
そんな洋造の声に夕美子以外の全員目を真ん丸く…。
「凄~い。」
木乃美。
「中々やるよね~。ねぇ~早瀬さん。」
早瀬。
「うんうん。いやはや…それほどとは…。…私なんて、体動かすより音楽ですから…。ママの方がよほど…、運動量多いですよ。」
「まっ、確かに。煌は、中学の頃からテニスって言ってたもんな~。」
春樹。
「うん。まぁ…、週に2回は…今も続けてる~。」
與門。
「シャラポアが好きで。」
木乃美。
「そうそう、2004年のウィンブルドンの優勝で感極まってテレビの前で号泣。何回聞いたか。その話。」
夕美子。
「だ、だってさ~~。好きなものは…しょうがないでしょう~。」
口を尖らせて與門。
そんな母親を見ている美希。
「美希は、大きくなったら何になる~~???」
早瀬。
「美希はね~~。…う~ん…。お歌のお姉さん。」
その声に全員、
「ん~???」
早瀬、
「ん~???どして…???」
與門、
「あっ、分かった。ほらパパ、美希、いっつもパパの書斎でパパが聴いてる音楽、聴いてるからじゃない…???」
全員、
「へぇ~~。」
「…で、そのまま、パパのお腹の上でオネムに落ちちゃうと…。」
笑いながら與門。
「かかかか。そういう事か…。」
洋造。
「さ~て、焼けたし、出来たし。みなさんどうぞ~ですね~。」
和弘。
「あっ。でも夕美~。高梨君、ジョギングしてるっておじちゃん話した時に驚かなかったけど…???それに…ボクシングも…???…知ってたの…???」
木乃美。皿に料理を盛り付けしながら。
夕美子、
「へっ…???あ…。あ~~、それね…。うん。ベルモンドに行った時にちょこっとだけね…。耳にしたから…。うん。」
少し慌てたように夕美子。
木乃美、
「ふ~~ん。」
「では。今日は帆香の誕生日に集まってくれてありがとうございます。」
春樹。
「さて。では…。」
ビッグサイズのクーラーボックスの中から箱を取り出し、テーブルの真ん中に、與門。




