手を握って…。 vol.097 「…ん…???…良い匂~~い。」
「帆香も、綾香も、ママに似てべっぴんさんだもんね~~。」
與門。
「まっ、世の中、娘がママに似れば、この上ないしあわせ~~ってね~~。ほぃ、乾杯しようや。」
と、テーブルの上に缶ジュースを置いて、直樹。
「いえいえ。そんなママと娘たちに、こんなカッコいいパパがいればこそだよ~~、直樹~~。」
「これは、これは。大元締めからそのようなお言葉を。幸甚の至り。」
「ま~~た、それ言う~~。」
「おほほほ~~。さすがに、良い感じで焼けてますね~~。」
缶ビールを片手に早瀬。
「ん~~。へへへへ。嬉しい事に、バーベキューにはおあつらえ向きの肉が手に入ったもんでね。」
ニコニコと洋造。
「僕もびっくりですよ。さすが洋造さん。顔が広い。上等なお肉です。残さず食べてくださいよ~~。」
調理をしながら和弘。
「ワコウ…、そっちも良い感じに出来てきたんじゃねぇか~~。」
洋造。
「…ん…???…良い匂~~い。」
夕美子と亜季、同時に。
「うんうん、ほんと。」
與門と木乃美。
その匂いに釣られて子供たちが和弘の回りに駆け寄る。
美希、
「う~~わ。お~~いしそう~。ねね、帆香ちゃ~ん。綾香ちゃんも、ほらほら。」
そんな和弘を見て洋造、
「けけけけ。子供たちには、肉よりワコウの料理かねぇ。なぁ、ワコウ~~???」
子供たちの後から女性陣も集まり、
「さすがワコウちゃん。ここでもワコウちゃんの料理が食べられるなんて嬉しいよね~~。」
亜季。
「ん~~。ワコウちゃんの奥さんになる女性が羨ましいわ。ねぇ~、夕~美子~。」
そう言いながら夕美子の左二の腕を右肘でグリグリと與門。
「な、な~に言ってるかな~與門は~~。」
亜季もそんな與門に舌をペロリと出して…。
「ねね、ワコウちゃん。東京来て、結構いろんなとこ出掛けたりしてんの…???」
調理をしながら和弘、
「えっ…???僕…ですか~~。いや…、あん…まり…。ちょっと近くを…ぶらぶら…してるくらい…ですかね~。」
「けけけけ。若ぇってのは…いいもんさ。毎日、早朝のジョギングやってらぁな。なぁ~ワコウ。」
洋造。
與門、木乃美、そして亜季に早瀬、春樹も同時に、
「へぇ~~。早朝ジョギング。」
和弘、
「…ん…、まぁ~。単に体馴らし…程度…ですけどね~~。ははは…。」
照れながら…。