手を握って…。 vol.090 「まさかね~。でも…、彼がいてくれて…、た~すかった~~。」
なにやら戸惑っているような…、
そしてぎこちないような感じの亜須香。
心、
「凄いよ亜須香ちゃん、いつの間に、あんな雰囲気…。」
亜須香、
「ゆ…雪さん…。わ…私…。」
「…ん…???」
「か…体が…、勝手に…、動いてた…。」
心、
「えっ…???」
夕美子、
「掛川…修作…。私たち…、とんだ…思い違い…していた…。ようね~~。」
そして夕美子、亜須香に手を振り、
「亜須香ちゃん、お見事。お疲れ…。良くあんな表現力…。凄いね~~。」
亜須香、
「し…新條デスク…。」
緊張しながらも…、
「あ…ありがとうございます。お疲れ様でした~~。」
深々と夕美子にお辞儀をしながら。
笑顔で亜須香に労いの言葉を掛けながら夕美子、途端に、
「クスッ。」
そして鼻の下に人差し指を付けて、
「それにしても…、私…。な~に考えてたんだか…。くくく。」
そんな夕美子を見て心、
「デスク~???」
頭を傾げながら…。
「い~や。な~んでもない。」
一瞬、夕美子の脳裏に甦った先日の夜の出来事。
「まさかね~。でも…、彼がいてくれて…、た~すかった~~。」
夕方近くのブリリアント編集局、亜季、
「へぇ~~。あの掛川さんが~。」
夕美子、
「うん。完璧に…イメージ逆転。あれほどとは…。」
そこに心、
「デスク~~。画像…これ…。」
「おぅ。どれどれ~~。」
夕美子のデスクに集まる亜季と真奈香、そして信玄。
「わお。」
「へぇ~~。これ…亜須香ちゃん…???」
「すげぇ~~~。」
夕美子、
「や~るもんだ~~。」
ドアを開けて入ってきた客に洋造、
「これは、これは…先日は…。どうも…。」
和弘、
「いらっしゃいませ。」
「こんばんは。先日は…。ご面倒な事…、お願いして…申し訳…ありませんでした。こちら…よろしいかしら…。」
連れの女性と一緒に。
「どうぞ、どうぞ。」
にこやかにスツールに納まるその2人の女性、
茂木由香里と麻亜羅瑠偉である。
数分、店の雰囲気を感じながらの由香里とルイ。
オーダーされたカクテルを作りながら洋造、
由香里の顔と、ルイの顔を交互に見ながら、
「…で、どうやら…。」
その声に由香里、
「えぇ~、マスターのお蔭で、素敵な出会い…させて戴きました。」
その声に和弘がニッコリと…。
由香里、
「ねっ、ルイ。」
「えぇ~、私もお会いしたかった~、由香里の大学の同期…。」
洋造、
「これは、これは…。どうも…。」
にこやかに。




