手を握って…。 vol.088 心、目を見開きながら…。
そして撮影当日。スタジオで、心のリクエストで撮影が始まる。
フラッシュが焚かれながら心のイメージ通りでモデルも活き活きとしたポーズを取る。
修作、
「は~い、いいよ~。うん、いい感じ~。」
半ば少々緊張している心。そんな中で、モデルと心を見守る夕美子。
ポツリと心、
「デスク…、ごめんなさい。一緒にいてくれて…。」
夕美子、
「な~に言ってんの~。中々良い感じじゃない…。」
そして少し離れて撮影を見守っている健之。
そんな健之にチラリと目を向けて夕美子、
ニッコリと口をすぼめて腕組みをしながら、
親指を一本腕組みの中で立てて。それをチラリと見る健之。
夕美子に微笑んでまた撮影を見守る。
夕美子の耳に、
「まさか…矢萩デスクも一緒なんて…。良かった~~。」
と、心。
「電話で言ってたからね~。私が責任持つって。」
何とか無事に撮影も終了して。
心、
「お疲れ様でした~。掛川さん、ありがとうございました。」
修作、
「おぅ。」
そして、読者モデルに向かって、
「良かったよ~。中々良いセンスしてるみたいね~。できたら…、もう少し…、覗いてみたいね~~。ありがとう。」
さらりと口から漏れたようではあったが…、
その、「覗いてみたい。」と言う言葉が夕美子の耳に入った。
夕美子の眉毛が動いて、そのまま健之に。
すぐさま健之、
「掛川さ~ん、お疲れ~。」
両手で拍手をしながら修作に近づいて肩を叩いて、
「ありがとう。」
そして肩を抱きながら、夕美子と心の傍を通り、右目でウィンク。
ニッタリと笑いながら小声で、
「中々いい感じの子ですよね~。」
修作。
健之、
「次もよろしく頼むよ。」
「へ~い。」
心、読者モデルに、
「お疲れ様~~。大丈夫~???ありがとう。ふぅ。ごめんねぇ~。緊張したでしょ。いつものカメラマンじゃないから…。」
読者モデル、
「お疲れ様です。えぇ…。でも…、凄かったです。オーラ…凄いですよね~あのカメラマ~ン。」
「ふっ。まずは、一安心。次ね~。」
腕組みから腰に落ち着かせて夕美子。そしてパソコンの画像を見て…、
「さすが、腕は一流ね~~。」
心の背中をポンポンと叩き、
「お疲れ、心。」
数時間後、撮影の打ち合わせ。スタジオ撮影からは、今度は野外での撮影となる。
予め健之から、「今回の撮影は、僕も最後まで同行させて戴きます。安心して…。」
そのお蔭で野外撮影も何とか終盤へと…。
そんな中で野外撮影が進むに連れて、心の鼓動が高鳴っていた。
「何なのこの人…???」
心、目を見開きながら…。




